【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2021年04月28日

【帰着レポート】宇治・伏見を訪ねる「宇治伏見塾」【3日間】

2021年4月21日(水)~4月23日(金) 3日間 添乗員:東京支店 山田 周

 <4/21発・添乗員:東京支店 山田 周>

 奈良時代より皇族の別荘地だった宇治は、平安時代の宮廷を舞台に、実在した皇族をモデルとした大河小説「源氏物語」の宇治十帖の舞台として有名です。通常は京都から日帰りで訪問することが多い訪問地ですが、今回は古の風景が色濃く残る宇治に2連泊しながら宇治、伏見の2つの街を語り部ガイドとともに歩き、専門講師の文化歴史塾を通じて、その土地に刻まれた文化・歴史を深く学ぶ貴重な機会に恵まれました。

宇治に2連泊の充実。宇治十帖歴史散歩や黄檗山「萬福寺」訪問も楽しみました。

 宇治の中心部にはホテルが少ないため、宇治に宿泊する旅は今まではほとんどありませんでしたが、今回は平等院、宇治川、鉄道駅至近の好立地ホテルに2連泊することで有意義な時間を過ごすことができました。特に印象に残っているのが語り部ガイドさんと歩く宇治十帖歴史散歩と黄檗山「萬福寺」の訪問です。源氏物語ファンの憧れの地の宇治で、語り部ガイドさんの解説付きで巡る「宇治十帖歴史散歩」では 物語のシーンに思いを重ねながら舞台となる地を巡りました。

さわらびの道「与謝野晶子の源氏物語の歌碑」
朝霧橋の宇治十帖モニュメント「浮舟と匂宮」
源氏物語ミュージアムも訪問しました

 黄檗山「萬福寺」は江戸時代初期に中国福建省から渡来された隠元禅師が江戸幕府から寄進された土地に開創された黄檗宗(禅宗)の大本山です。日本でも有数の禅道場として知られています。この寺では名物の中国明朝時代から伝わる精進料理の普茶料理をいただきました。色彩やかで見た目も美しく、味も絶品でした。昼食後は僧侶の辻岡さんの見事な解説をききながら、日本の寺院とは一味違う「萬福寺」の見学を楽しみました。

木魚の由来となる開梛(かいぱん)前にて 僧侶の辻岡さんの名解説付きの萬福治見学
祈りの鐘を参加者全員でついてきました。
名物の普茶料理をいただきました。

宇治川に架かる橋を守る雨宝山・放生院(橋寺)を訪問しました

 京都と奈良の間に位置する宇治は、飛鳥時代の推古天皇治世の時代から大和と近江を結ぶ大道の要所で文明の通り道でした。放生院は宇治川に架かる宇治橋を守るために604年に創建された最古の寺院です。今回は「宇治の歴史は橋、川、塔」というテーマで、黒木住職の文化歴史塾講義を聴講、宇治の歴史を学んでまいりました。
 1594年に豊臣秀吉の宇治川改修工事により現在の伏見に宇治川が開通することとなりました。この改修工事に伴い、一時期宇治橋が撤去されましたが、徳川家康によって1599年に架橋され、現在の橋は7代目の橋だそうです。時の天皇より天領を賜り、宇治橋の管理を任され兵火や洪水で流失するたびに修理をしたので宇治橋の守り寺となりました。宇治は度々戦火に見舞われ、寺は何度も焼失しましたが、本堂の平安時代の重要文化財の仏像は現在も健在です。また、宇治川に最初に橋が架けられたいきさつが記された日本三大古碑「宇治橋断碑」も見せていただきました。

黒木住職の文化歴史塾を聴講。宇治の歴史を学ぶ。 
646年架橋の碑文「宇治橋断碑」も見学しました 
本堂の重要文化財「本尊地蔵菩薩立像」

平安時代の夢の跡 世界遺産平等院を訪問

 隆盛を極めた藤原一族の別業(別荘)を末法法滅予言による来世への不安から極楽浄土信仰の豪華絢爛な寺院として改修、1052年に建立された平等院・鳳凰堂は、必ず訪れる世界的な人気観光名所です。
 私たちが訪れた4月下旬は新緑が美しく、通年より早く藤の花が満開でした。観光客もまばらな中、美しい庭園と鳳翔館(宝物館)をゆっくりと見学、事前予約ができないため、混雑時は見学が難しい鳳凰堂内部(阿弥陀如来坐像)も見ることができました。鳳凰堂の建築、庭園の美しさも素晴らしかったのですが、今回は倉橋みどり先生の文化歴史塾の講座を聴講し、平安時代の浄土思想、藤原一族や源氏物語に出てくる登場人物、歴史的背景などを予習することでより一層有意義な訪問となりました。

世界遺産・平等院鳳凰堂。今回は鳳凰堂内部「阿弥陀如来坐像」も見学しました(内部撮影は不可)
平等院の庭園では藤の花が満開でした 
倉橋みどり先生の文化歴史塾の講義も大好評

語り部ガイドと伏見歴史散歩も楽しみました。

 伏見といえば赤い千本鳥居の「伏見稲荷大社」がアメリカの旅行雑誌で世界一の人気観光地に何度も選ばれたことで有名ですが、今回は「豊臣秀吉が築いた城下町」、「大阪と京都を結ぶ港町」、「酒蔵の町」という3つのテーマで語り部ガイドさんと歴史散歩を楽しみました。
 歴史的な有名エピソードは薩摩、長州の尊王攘夷の志士たちと新鮮組、坂本龍馬が活躍した幕末に集中してしまうのですが、伏見の歴史は飛鳥時代以前から始まります。今は消滅してしまった巨椋池(おぐらいけ)を宇治川、淀川など複数の河川で結ぶ水運の要所で古の時代から渡来人が大陸の先進文化とともに移住し、天下統一した豊臣秀吉が宇治川改修後、伏見城を築城、都を築き、桃山文化が華開きました。徳川家康がそれを一時引き継ぐものの、江戸に都が移され、伏見城が廃城となってからも尚、商業の中心地として繁栄し、歴史上の転換期となる幕末の中心舞台ともなりました。何度も戦火にあい、歴史的町並やみ建造物が残されているエリアは限られており、街の姿は大きく変化してしまいましたが、宇治川流域の酒蔵景観地区、再建された旅籠「寺田屋」周辺は実に風情があります。語り部ガイドさんの名解説が私たちを歴史ロマンの世界に上手に引き込んでくれました。 

宇治川支流ののどかな風景(伏見の戦い激戦地跡)
伏見の酒蔵景観地区も訪れました
幕末歴史ファンの聖地「寺田屋」。素泊まりで歴史マニアが宿泊することもあります。

 古の時代の趣を残す宇治、歴史ロマンの舞台だった伏見は京都駅から鉄道で約20分とアクセスもよく、程よい大きさで、町の中心に見どころが集中しており、非常に歩きやすい町でした。
 

 歴史散歩、寺院巡り、源氏物語・宇治十帖の舞台巡りも面白いのですが、時間があれば宇治のお茶屋巡り、伏見の酒蔵巡りもたいへんおすすめです。皆様もぜひ、宇治、伏見を訪れてみてください。 

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