【国内】帰着しました。添乗員レポート
【国内】帰着しました。添乗員レポート
2021年04月14日
【帰着レポート】不知火海 うたせ船と天草・肥薩旅情
2021年4月8日~4月11日 4日間 添乗員:東京支店 下平 裕史
<4/8発 添乗員:下平 裕史>
肥後、薩摩と呼ばれた熊本県と鹿児島県。熊本城やキリシタン文化で知られる天草、黒川温泉、指宿温泉や桜島など観光地は多岐にわたります。今回訪れたコースはそういった有名どころのみを巡るのではなく、天草のキリシタン文化に触れることはもちろん、不知火海(八代海)でかつての漁法を再現した「うたせ船」の乗船、近年、新しい旅行形態となりつつあるレストラントレインの元祖「肥薩おれんじ鉄道のおれんじ食堂」など他とは一線を画したツアーでした。
見どころの多い熊本。お客様が今回の旅で求めていたもの・・・
毎日がハイライトの今回の旅。その中でもお客様の楽しみは「うたせ船」と「肥薩おれんじ列車」の乗車でした。パンフレットのメイン写真に「うたせ船」が使われていますが、この写真を見て「乗りたい」とお思いになられた方が多くおりました。
先人の知恵、それを受け継ぐ漁師たちの想い・・・。不知火海のシンボル「うたせ船」。
今回ご参加いただいた方々が最もお楽しみにされていた「うたせ船」。「うたせ」は「打瀬漁」のこと。ここでは主にアシアカエビが採れますが、エンジンがない時代、帆を張り風の力だけで走行していました。また、エビの餌となる水草を傷つけない、そして獲物が逃げないために、漁をする場所ではエンジンを止め、網を沈め、帆を張り、風の力を借りて船を動かし漁をします。今回の乗船は約3時間。出航後エンジンにて沖へ。約20分後エンジンを完全に止め、帆を張り網を海底に沈めました。待っている間は、釣りにチャレンジをしたり、皆様でお話をしながら待ちました。そしていよいよ網の引き上げの時。2つの網の中にはたくさんの魚の中に、不知火海の名物「アカアシエビ」も1匹入っていました(その他クルマエビも1匹)。明治期に不知火海では帆を張って走行するうたせ船は日常の風景の一部でした。しかし、エンジンが導入されるとその役割は終わり、帆を張って走る「うたせ船」の姿はいつしか消えてしまいました。それでも、かつて繁栄を極めた漁法の火を消してはならぬと、今でもこの伝統漁法を守りつづける人たちがいて、そして観光船として観光客を魅了しています。周囲を走行しているうたせ船はありませんでしたが、話を聞きながら、目の前にはかつてこの海にはたくさんの帆を張った船が浮かんでいる情景が目の前に浮かんできました。そしてこの貴重な文化をこれからも残してほしいと思いました。
レストラントレインの元祖「肥薩おれんじ鉄道のおれんじ食堂」。
旬の食材をふんだんに取り入れた料理に舌鼓をうちながら、鉄道の旅を楽しむという「レストラントレイン」。こうした「食」をテーマにした観光列車は、全国各地で見られるようになりました。その先駆けとなったのが、2013年3月24日に運転を開始した「肥薩おれんじ鉄道」。2018年に公開された映画「かぞくいろ RAIL WAYS わたしたちの出発」の舞台になったのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。今回はランチの時間に合わせて乗車しました。熊本のトマト、阿蘇の赤牛など、99パーセントは沿線地域の旬の食材を使っていることが自慢です。車窓には不知火海や山間の景色、そして東シナ海の景色が広がります。車内には時計はありません。スタッフにその理由を聞くと、「時間を気にせず楽しんでほしい」からとのこと。その言葉通り約3時間31分の列車の旅はあっという間でした。降りた後も「まだ乗っていたかった」などのお声も飛び出すほど大満足のひと時でした。また、スタッフの方々、駅のマルシェの方、そして地元の方々など駅を出発する度にみんなが手を振ってお見送りをしてくれて、熊本・鹿児島の人々の温かさに触れることができた本当に大満足のひと時でした。
今回の列車でのメニューを紹介します(シーズンによって異なります)。
シーズンによって異なりますが、今回の食事は出水市のフレンチの名店「シェ・カシワギ」提供のお食事でした。真っ青な不知火海を眺めながらの食事は贅沢そのもの。列車のスタッフも丁寧にお食事の説明をしてくれました。ソフトドリンクは無料で提供され、特にオレンジジュースはさすが柑橘類の宝庫だけあってとてもおいしいものでした。今が旬の竹の子を使ったリゾットはスープに魚介のダシが溢れだし、お客様からも評判のお食事でした。
ちょっと寄り道。おれんじ食堂の立ち寄りスポット
途中10分ほどですが、下車が可能な駅がいくつかあります。それぞれの駅では名物が売られているマルシェが出ていたり、私たちだけに列車のスタッフが駅についての解説などをしてくれました。下車観光の最大の見どころは薩摩高城(さつまたき)駅。ここはおれんじ鉄道のためだけに造られたプライベートビーチにスタッフが案内をしてくれます。もはや駅とは思えない場所で、列車の時間も忘れてのんびりしたくなってしまう至福の空間でした。海がきれいなのはもちろん、今回は天候が素晴らしく奥には甑島を眺めることができました。地元の方とふれあうひとときも旅の醍醐味です。
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