【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2022年03月04日

【帰着レポート】九州・宮崎ガストロノミー 高千穂・延岡の旅

2022年2月28日(月)~3月3日(木)4日間 東京支店 酒井康行

<2/28発・添乗員:東京支店 酒井康行>

 2021年6月に発表した「地方の美食学+旅 九州編3コース」ですが、2021年10月には「大分ガストロノミー 国東・臼杵の旅」、2021年11月には「佐賀ガストロノミー 壱岐・唐津の旅」、そして、このたび、2022年2月には「宮崎ガストロノミー 高千穂・延岡の旅」と、幸運にも3コースいずれにもご案内させていただきました。
 そこで、今回の添乗員レポートでは、各コースでご案内し好評を博したレストランや料亭などを、和洋それぞれでご紹介します。

大分VS佐賀VS宮崎 ガストロノミー対決「和食編」

①器のひとつひとつにもこだわりがある「おおいた花山椒」

 地産地消の素材を巧みに活かした和食・割烹料理店「おおいた花山椒」。料理長・川並孝昌さんが手掛ける料理は、「ミシュランガイド熊本・大分2018」にて一つ星を獲得しました。

県産鮮魚(ヒラスズキ、スマガツオ、シマアジ)
里芋饅頭・黒豚・チーズ
姫鯛の塩焼き・牛蒡・大根おろし・かぼす
料理長・川並孝昌さん

②茶道の心得を持って地元食材でもてなすミシュラン一つ星の日本料理店「ひら田」

 大将の平田(とも)(はや)さんは、福岡県「うつわ料理さ乃」、京都の二つ星「美山荘」など、名だたる日本料理店で研鑽を積み、2016年に唐津城至近の場所に「ひら田」を開店されました。茶道の心得のある平田さんは、茶懐石のように魚介や野菜は地産地消にこだわり、ドリンクは、日本料理に合うワインをはじめ、地元産を中心に5~6種の日本酒を揃えていらっしゃいます。また、野菜や果物を発酵させた自家製の酵素ジュースなど、ソフトドリンクにもひと手間かけており、ノンアルコールの方にもお楽しみいただけます。さらに、器は、地元・唐津焼の作家ものを中心に、京都・金沢など、修業時代から買い揃えた骨董を含めて、多種多様なものを季節に合わせて使用されます。

先付:まこも茸・しめじ・里芋餡・胡麻
煮物椀:蓮根葛寄豆腐・鯛・春菊・柚子
焼物:カマス生姜味噌焼き・銀杏

大将の平田さんとおかみさんがお見送りしてくださいました。

③延岡を代表する日本料理の店「きたうら(ぜん)(りょう)(まる)

 延岡市北浦町に生まれ、宮崎の自然の恵みと真摯に向き合い料理を続け、料理マスターズを受賞した匠・吉田(ぜん)兵衛(べえ)さん。匠は、お客様に合わせるのでなく、自然に合わせて料理をされます。吉田さんは店を開く日は毎日、北浦町市振港に通います。ここには吉田家の船「善漁丸」が停泊しています。吉田さんは善漁丸に乗り込み、5分ほど沖に出て、海に浮かぶ生け簀を目掛けます。実はこの生け簀、現役こそ引退しましたが、自由に漁に出る吉田さんのお父さんが捕ってきた魚が、ここに生かされているのです。
 生け簀をチェックした後、さらに周辺のいくつかの港を回って、今日の魚を見定めて買います。野菜も同様で自分で見て買い、朝8時に家を出て、買い物を終えて店に着くのが昼3時になることも珍しくないそうですが、吉田さんは慌てることはありません。というのも、素材が揃えば、あとはその味を引き出すだけ。料理とは、「(ことわ)りを(はか)るもの」だから。敢えて主張しない料理に行き着いたのは、ご自身も命懸けで漁をしてきた経験をお持ちだからです。

クチブトの刺身・小松菜・茗荷・山葵
クチブトの炙り・葱・茗荷
延岡産オーガニック豚肉フィレ・マスタードソース・牛蒡のバルサミコ酢煮・スティックセニョール・スナップエンドウ・椎茸・レタス・サツマイモ・玉葱・菜の花・豆乳と酢の泡
土鍋で炊いた延岡産ヒノヒカリをよそう吉田さん。88歳の生産者が作られたヒノヒカリを、吉田さんは「真打」と称されていらっしゃいました。

大分VS佐賀VS宮崎 ガストロノミー対決「洋食編」

①大分・鉄輪温泉にあるイタリアン「Otto e Sette Oita(オット・エ・セッテ・オオイタ)」

 幕末までの大分県下は、8藩7領という小藩分立政策により、他県にはない独特の文化を生むことになりました。その「大分」を構成していた「8藩」と「7領」を、イタリア語で読み換えると「8と7=otto e sette」となり、そんな大分の歴史に直結した名前が店名となっています。
 由布院の山荘「無量塔(むらた)」のイタリアンのシェフを経て独立を果たした(かけはし)(てつ)()シェフ。大分県の地元の人たちと野菜に惚れ込んで、大分県でリストランテを開業し、その後、大分市内にバールを開業し、さらに、2015年に別府・(かんな)()に“Otto e Sette Oita”を移転させ、世界で唯一、地獄釜と地域食材を使ったイタリアンの追及をしています。

プレリュード:黒豚のロースハムとツナソースと野菜・猪と鹿の温泉蒸しパテ・無花果と生ハム・ジャガイモタルトと黒枝豆とチーズ・地鶏ミンチの燻製と柚子胡椒とカボス
熟成湯布院サーモンとドラゴンフルーツ・イクラのサラダ(シアトルから運ばれた卵から湯布院でサーモンを育て、血抜きして5日間熟成させたもの)

太っ腹さわらのミネストラ(紫色のシャドークイーン・パプリカ・たまねぎ・蓮根・アスパラガスなど)
梯シェフが一品一品丁寧に料理の説明をしてくださいました

②唐津にある一つ星イタリアンレストラン「ワイズキッチン」

 シェフの中江()()()さんは、「ホテルニューオータニ九州」で11年間の経験を積み、2002年に独立開業しました。コンセプトは、「唐津や糸島の素晴らしい食材を、季節を通してコース料理で提供すること」。唐津、糸島は有明海が近く、食材探しには絶好のロケーション。中江さんは、地元の農園や漁港などに足を運び、野菜の状況や育て方など、生産者の声に耳を傾けることで料理のイメージを膨らませていきます。

加布里の蛤・昆布出汁のエスプーマ(泡)・カリフラワーのクリーム
肥前町のサザエ・魚の出汁で炊いたフィデオス(短いパスタ)
鹿児島のサドルバック豚のロース・七山の原木椎茸・イタリアンパセリとニラのソース
中江シェフやスタッフの皆さんがお見送りしてくださいました。

③延岡の一軒家イタリアン「チェルカ・トローヴァ」

 畑に通い、生産者と共に作り上げる宮崎のイタリアン「チェルカ・トローヴァ」。横山(よし)(はる)シェフは、宮崎県延岡市生まれで、調理師学校を卒業後、18歳で上京。東京のイタリア料理店「リストランテ山﨑」などで研鑽を積み、延岡に帰郷し、1996年、28歳で「トラットリア・エンツォ」を開店させました。そして、2016年、20年の節目に「チェルカ・トローヴァ」へと改名しました。意味は「探せ、さらば、見つからん」。思い描いた料理を納得いくまで追求すべく、延岡ならではの食材と対話し、生産者との密な交流を育むことで生まれる、独創的なひと皿は、遠方でも訪れたいほどの驚きを与えます。

店内の様子。料理の写真撮影は禁止のため、掲載しておりません。
インテリアもお洒落です。
看板もないために、知る人ぞ知る、という感じです。
シェフの横山さんがお見送りしてくださいました。

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