視察レポート

視察レポート

2021年07月07日

九州の奥深き魅力発見!本土最南端到達 絶景の宝庫・鹿児島県の大隅半島へ

九州支店 柴尾祐樹

鹿児島県の秘境、大隅半島を訪ねる

鹿児島県は、北は北薩から南は与論島まで南北600kmに延びる、九州最大の県です。2つの大きな半島と、屋久島や奄美大島、種子島といった無数の離島で構成されています。豊かな自然を持つ離島や、鹿児島市内、指宿、霧島、知覧などを訪ねる旅は、弊社でも度々ご紹介をして参りました。
 しかし一方で、薩摩半島の対岸に位置する大隅半島を訪ねたことがある方は、少ないのではないでしょうか。大隅半島は海と山に恵まれた、自然豊かな九州南端の地域。公共交通機関だけで巡ることは難しく、まだまだ秘境的な見どころの宝庫です。今回は、これまでご紹介する機会が少なかった鹿児島県内の見どころと大隅半島を訪ねます。

薩摩焼の里、美山(みやま)

 鹿児島市内から車で約20分。日置市東市来町にある美山には、10軒以上の薩摩焼の窯元が並び、別名“薩摩焼の里”と呼ばれています。薩摩焼の起源は、戦国時代に遡ります。1592年、文禄・慶長の役で豊臣秀吉と大名たちは朝鮮出兵を行いました。その後、戦が落ち着くと薩摩から出陣した島津義弘は、朝鮮陶工たち80名を従え、薩摩の地へ帰還を果たします。この朝鮮陶工たちが、薩摩の地へ根付き、薩摩の土地の原料を用いて作った焼き物が薩摩焼の起源となるのです。
 数々の窯元のなかで、今回は沈壽官窯(ちんじゅかんがま)を訪問しました。この沈壽官窯も、初代当主・沈当吉が1598年に渡来して以来、15代にわたり今日に受け継がれてきました。1873年のウィーン万博では、12代沈壽官の大花瓶が賞賛を受け、薩摩焼の名前は世界で決定的なものになりました。敷地内には登り窯があり、「沈家伝世品収蔵庫」では、歴代沈壽官の作品や歴史資料が展示され、思わず時間を忘れて見入ってしまいます。

立派な門構えの沈壽官窯入口
沈壽官窯内部
沈家伝世品収蔵庫 15代沈壽官作品①
沈家伝世品収蔵庫 歴代沈壽官の作品②
沈壽官窯 登り窯

志布志湾を見渡すオーシャンビューホテル

 宿泊ホテルは「大黒リゾートホテル」を確保しました。全室オーシャンビューの客室からは志布志湾を一望できます。夕方には、オレンジ色に染まる空と夕陽がその景色をより素晴らしいものにしてくれます。バルコニー付の40㎡のお部屋は広々として、ゆっくりとお寛ぎ頂けます。夕食は、鹿児島県産の食材はもちろん、その日水揚げされた新鮮な海の幸をふんだんに使ったお食事をご堪能下さい。お食事の後は、ホテル自慢の大浴場へ。ここでも志布志湾を一望でき、また志布志湾の海水を利用したテラピー効果が高い「タラサの湯」に浸かれば、旅の疲れも癒されます。

大黒リゾートホテル 部屋内の様子
お部屋からは志布志湾が一望できます。
バルコニーからの景色
日没の時間帯も綺麗です。

世界でも珍しい山地に建つ、絶景のロケット発射場

 この大隅半島で、日本初の人工衛星が打ち上げられたことはご存知でしょうか。「JAXA内之浦宇宙空間観測所」は、“日本宇宙開発の父”と呼ばれる糸川英夫博士の発案により、世界でも珍しい山地に設置されたロケット発射場です。1962年に設置され、1970年には日本初の人工衛星「おおすみ」、2003年には小惑星探査機「はやぶさ」を発射し、世界の宇宙科学研究に多大な貢献を果たしています。高台に位置しているため眺望が素晴らしく、発射台や実物大のロケット模型などを間近に見ることができる、貴重な場所です。最近では、同じく鹿児島県の種子島宇宙センターが注目されますが、日本宇宙開発史の原点ともいえる場所がここ内之浦でしょう。

内之浦宇宙空間観測所の衛星ヶ丘展望台からの眺め
内之浦宇宙空間観測所内にあるロケット模型
ロケット発射台なども間近に見られます。

大隅の秘境、雄川の滝

  雄川の滝は、数年前まではガイドブックにも掲載されていなかった秘境的な場所です。2018年の大河ドラマ「西郷どん」のオープニングに登場すると、その美しさから注目を浴びるようになりました。落差46m、幅は60mと大きさはそれほどではありませんが、エメラルドグリーンの美しい渓流と滝つぼが神秘的な場所です。滝までの道の入口は分かりづらく、道幅はせいぜい中型バスが通れるほどで、道中はまさに秘境に向かうような気分です。駐車場に到着すると、滝つぼまで約1.2km(片道20~30分)の遊歩道を歩きます。緩やかなアップダウンはあるものの、舗装された道や木道なので歩きやすく、渓流沿いの眺めを楽しみながらの気持ちの良い散策です。森の奥にはエメラルドグリーンの神秘的な滝つぼと、圧巻の自然美が広がります。

雄川の滝までの遊歩道
道中コバルトブルーの水流が見えてきます。
滝つぼのそばに立つ展望所
コバルトブルーの神秘的な滝つぼ

本土最南端の地・佐多岬に到達

 本土最南端の地、佐多岬。岬からは太平洋と東シナ海、鹿児島湾、そして開聞岳を一望できます。ソテツやフェニックスといった南国情緒溢れる植物が並ぶ道を走り、どこまでも広がる地平線を見ると、まさに南の最果てにやってきたことを体感できます。打ち寄せる太平洋の荒波が地球の躍動を感じさせます。早朝には太平洋に昇る朝日を、夕方には大海原に沈む夕日を…。時間によって様変わりする姿は、ぜひご覧頂きたい最南端の景色です。

本土最南端 佐多岬
夕暮れ時の佐多岬
南国らしい木々が生える佐多岬 国内外から多くの人が本土最南端を目指してやってきます。

本土最南端「ホテル佐多岬」に宿泊

 今回、本土最南端の宿泊施設「ホテル佐多岬」に1泊します。支配人の話しによると、コンビニも街灯もない場所だからこそ、夜には綺麗な星空が見られるとのこと。天気が良い日には、星空コンシェルジュの案内とともに星空観賞をお楽しみ頂きます。朝夕は獲れたての新鮮な魚介類をご賞味いただき、観光後は展望浴場でゆったりとお湯に浸かり、最南端の土地のおもてなしと景色を満喫するひと時をお過ごし下さい。

お部屋からの眺め
ホテル佐多岬の夕食(イメージ)

桜島を望む絶景航路

 薩摩半島と大隅半島の移動は、錦江湾を行き交うフェリーを利用するのが便利です。ツアーでは、垂水港~鴨池港航路をフェリーで移動します。船上から見る桜島は、開聞岳とはまた違い壮観です。

船上からの桜島の景色

 今回は、大隅半島を中心にご案内しました。公共の交通機関が少ない土地だからこそ、まだまだ手付かずの自然と知られざる見どころがあり、大隅半島が秘境と呼ばれる所以を感じられました。太平洋と東シナ海に囲まれ、中心に錦江湾を抱える大隅半島は、道中も変化に富んだ景色が見られ、移動そのものが見どころの一つともいえます。大自然が育む大隅の絶景を、ぜひこの機会にお楽しみ下さい。

※『本土最南端に泊まる 重伝建の珠玉「飫肥」と大隅半島の旅』は、「旅のひろば7月号」の42-43ページで紹介されました。

この記事に関するキーワード

お気軽にお問い合わせください

電話相談はこちら

受付時間:午前9:30~午後5:30

東京
03-3501-4111
大阪
06-6343-0111
名古屋
052-252-2110
九州
092-473-0111
札幌
011-232-9111
藤沢
0466-27-0111