視察レポート
視察レポート
2021年03月08日
職人の手仕事が息づく町 盛岡 視察レポート
東京支店 福島伸彦
盛岡には宮沢賢治や石川啄木ゆかりの場所、古い街並みが残る鉈屋町などたくさんの見所がありますが、その魅力が名所旧跡だけにとどまらないのが、この町の奥深さだと思います。 街中をぶらぶらと歩き、気になったお店を覗いてみると、今も脈々と生き続ける、伝統が息づく職人の手仕事が残されています。
創業明治42年 和菓子店「御菓子司山善」(おかしつかさ やまぜん)
盛岡訪問の際、恐らくほとんどの人が訪れる場所の一つが「光原社」ではないでしょうか。宮沢賢治の代表作「注文の多い料理店」を出版し、現在は民藝品を取り扱うお店ですが、訪れてみると、想像以上に雰囲気の良い店内や併設のカフェがあり、賢治ファンならずとも訪ねる価値があると感じました。
私も盛岡視察の際に、光原社の雰囲気や、裏を流れる北上川などを眺めてすっかり満足し、まだ時間があったので、そのまま周辺の散策に出かけ、たまたますぐ近くにあった和菓子屋さんに入りました。(看板は達筆過ぎて読めませんでした)広い店内には色とりどりの様々な種類の和菓子が並べられており、そこには甘党ならこれだけでかなり気分が盛り上がる光景が広がっておりました。
店主さんにお話を伺ってみると、老舗も老舗、創業明治42年という盛岡でも有数の歴史ある和菓子屋さんであること、そして今でも生地作りから型抜き、そして仕上げまで手作りの味を守り続けていることを伺いました。
その後、何かお土産でも、と思って見て回ったのですが、店内で目を引いたのは、何気なく置かれている木製の枠のようなものと、何やら鉄製の棒。これも伺ってみると、和菓子作りの際に形を作る木型と印を付ける為の焼きごてであり、焼きごての方は正確な年代すら分からないが恐らく創業当時から使われているものもあるという現役の品でした。 折角なので、幾つかの和菓子を買って帰りましたが、お茶請けに良い、実に品の良い味わいで非常に好評でした。お時間がある際には是非訪れていただきたい盛岡のお店の一つです。
紺屋町に息づく伝統工芸
盛岡市内中心部にあり、訪れやすい場所のひとつが紺屋町。町屋と洋館が入り混じる明治から大正時代にかけての町並みも美しいのですが、お時間があれば、色々なお店も訪ねてみると楽しいものです。今回の視察で見かけたお店を幾つかご紹介します。
南部鉄器のお店「釜定(かまさだ)」
歴代の南部藩主が産業の隆盛を狙って、優れた鋳物師を召しかかえ、城下に住まわせたことで始まった盛岡の南部鉄器。南部藩の領内で良質な原材料が確保できたことに加え、藩が保護育成に努めたことで大いに発展し、現在まで続く400年以上の歴史を持ちます。
釜定は明治時代に「宮鉄瓶店」として創業し、100年以上南部鉄器を作り続けている老舗です。三代にわたって、昔ながらの製法を守りながら、現代的な作品も多く手がけており、国内外を問わず非常に人気があります。
店内に入って実際に手にとってみると、鋳物ならではの重厚な質感と、シンプルでモダンな造形美や優れた機能性に引き込まれます。 重たい鉄器はお土産としては、、、と思われるかもしれませんが、現代的なデザインのキーホルダーやペンダントヘッド、かわいらしい文鎮など思わず欲しくなってしまう品々があります。
紫根染めのお店「草紫堂(そうしどう)」
釜定さんのすぐ近くにあるのが、紫根(しこん)染めのお店「草紫堂(そうしどう)」です。
紫根染はムラサキという植物の根からとった染料で布を染めたもので、日本古来の草木染です。南部藩時代には、鉄器と同様に産業として重視され、藩の保護下で生産されていました。残念ながら明治に入ってからは産業として廃れていのですが、大正時代に伝統染織として見直され、産業として再興しています。
「草紫堂」もその頃に創業した老舗のひとつ。現在では「南部しぼり」としてその染織物は国内外で高い評価を得ています。 店内にはコースターのような小物からネクタイや着物まで様々な紫根染めの作品が展示されていますが、いずれも派手過ぎず、自然な色合いが目をひきます。店主さんに話を伺うと、紫根染めの魅力は手絞りによる微妙に異なる染めムラの美しさと、年を経るごとに一段と味わいが出てくる色の変化で、長く使えば使うほど味わいが出てくるのが大きな魅力である話をしていました。
他にもベアレンビール(盛岡のクラフトビールのお店)、ござや籠の専門店など「盛岡ならでは」と感じる様々な伝統と手仕事を感じられるお店が街中のそこかしこにあります。予備知識も、地図もなく、ただぶらりと街中を散策して気になるお店を覗くだけで色々な発見があります。 お時間があれば、盛岡ではぶらぶら散歩を是非、楽しんでみてください。
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