視察レポート

視察レポート

2022年06月21日

四国のまだ見ぬ秘境を訪ねて 高知と愛媛の絶景街道と秘境瀑布には驚きました

大阪支店 渡邉浩一

今年は少し遅い梅雨入りですが、梅雨の合間の晴れ時を狙って、四国は高知へ九州支店の柴尾支店長と飛びました。何回も視察や添乗で訪ねる機会が増えた四国の地ですが、今回は、何処も初めての視察箇所です。

日本三大カルストの地を訪ねて

カルスト台地といえば、秋芳洞で有名な山口県の秋吉台がまず記憶に浮かびますが、福岡県の平尾台と共に、三大カルストに数えられるのが、今回訪ねた「四国カルスト」です。高知県と愛媛県の県境の四国脊梁山脈の山中にある四国カルストは、標高が1,400mの尾根沿いに25㎞にわたって広がっており、初夏でもひんやり、上着があって丁度良い気候でした。丁度、春から秋までは、そのカルストで牛が放牧されている季節で、牧歌的な風景と羊の群れのようなカルストの奇岩群が印象的でした。

牛が放牧されている四国カルスト

四国カルストの中央に位置する「姫鶴平(めづるだいら)」が、四国カルストの観光拠点になっており、大きな風車が印象的。標高1,456mの最高地点は「五段城(ごだんじょう)」と呼ばれ、石灰岩が羊の群れのように見えるカレンフェルトや、ドリーネと呼ばれる窪地など、カルスト特有の景色が楽しめました。最近は、インスタ映えするとのことで、仁淀ブルー同様、車で訪ねる方も徐々に増えたとの事ですが、県道は道が細く、自分で運転するには疲れます。ここは、旅では小型バスを利用しながらご案内させていただきます。交通の便が悪い地域だけに、その雄大な自然景観は独り占めの気分です。

尾根沿いに道が続くため、左右に開けた視界で景色を楽しむことができます。左側に見えるのが姫鶴平の風車
絶景ポイントの一つ、天狗高原
天狗高原ではウッドチップを敷き詰めたセラピーロードの散策も楽しめます。

秘境の棚田を求めて

日本古来の農村風景に出会えるのも国内旅行の楽しみで、関西であれば河内長野の千早赤阪村の棚田の風景なども好みですが、今回の旅で取り入れた奥内(おくうち)は、是非訪ねてみたかったところ。愛媛県松野町の山中にある奥内の棚田は、370ヘクタールにも及ぶ全域が、国の重要文化的景観に指定されています。急峻な山並みによって閉ざされた3つの谷に、4つの集落があり、今回は松野町のふるさと創生課の井上課長に相談した結果、遊鶴羽(ゆずりは)を訪ねました。自然地形をそのまま利用した、棚田や宅地の風景は、感動そのもの。地元の方に聞くと、天然生林の占める割合が高く、絶滅が心配されるような希少種を含む豊富な生物環境を育む場所にもなっているそうです。集落には、他で見るようなため池や貯水池がなく、山全体が含み持つ水を利用して今でも営まれてる話しを聞くと、大切にしてきた地域であることを実感します。

遊鶴羽 の棚田

清流の流瀑と苔の緑が美しい滑床渓谷

高知を流れる四国の一級河川四万十川沿いに道を走ると、更に上流域の目黒川に沿った県道へ続き、そこには、大渓谷が待っていました。清流の急流が織りなす滑らかな川床に、激しい水流を作り流れる渓谷。その渓谷を森林浴を楽しみながら、歩くこと40分、巨大な一枚岩の斜面を優美にすべり落ちる雪輪の滝と青く澄んだ落合淵に辿り着きました。今は新緑のシーズンで緑が気持ち良い風景ですが、落葉樹が多い秋は、もっと景観が良いであろうと二人で実感しました。

滑床渓谷 三筋の滝
散策のゴール地点にある雪輪の滝と落合淵

ちなみに、雪輪の滝までは、トレッキングシューズの必要性を感じました。途中から勾配がきつく、階段と遊歩道が続きますので、歩くのに自信がない方は、渓谷を15分位歩いた、河鹿の滝あたりまでがお勧めです。渓谷の中には、苔がむした巨石群が横たわり、深い緑色の渓谷は、まさに秘境そのものです。

渓流沿いの散策路を歩きます
鳥居岩
河鹿の滝 入り口からここまで約15分ほどです
昼食は渓谷入り口にある雰囲気のよいイタリアンレストランにてご用意いたしました
橋を渡った先にある赤い屋根の建物の隣にレストランがあります

宿泊は隈研吾ゆかりの梼原

宿泊には四国カルストへのアクセスが便利な梼原町を選びました。梼原町は高いところで標高が1500ⅿもあるため、「雲の上のまち」とも言われており、今回宿泊するホテル「雲の上ホテル別館 マルシェユスハラ」にもその愛称が使われています。

この梼原町、高知の険しい山間に位置する小さな村ながら、近年その名を一躍有名にしたのが、建築家・隈研吾さんの存在です。1992年にこの村を訪れた隈さんは梼原村に残る木造芝居小屋「ゆすはら座」に魅せられ、木をふんだんに取り入れた独特の建築様式を考案しました。村には、隈さんの建築の原点となったゆすはら座を中心に、隈研吾建築が点在し、町中が美術館のよう。緑深い山里の風景と相まって、とても美しいものです。

梼原町総合庁舎
ゆすはら座
梼原町立図書館 別名・雲の上の図書館ともいわれます
20:00まで開館している図書館。誰でも入場可能です。

「雲の上のホテル別館 マルシェユスハラ」も隈研吾建築で、木をふんだんに使った温かみのあるスタイルが特徴です。ホテルにはその名の通り、物産館も併設され、観光客のみならず地元の人々にも愛されています。ホテルは町のメインストリートに面しており、近くには同じく隈研吾建築の梼原町総合庁舎や図書館などの公共機関の点在しており、徒歩で巡ることができます。図書館は20:00まで開館していますので、ぜひ訪れてみてください。

雲の上ホテル別館 マルシェユスハラ
朝食レストラン
ホテル1Fの物産館
シンプルながら木のぬくもりを感じる客室
レセプションのスタッフ

何処も個人でいくには、なかなか交通機関もないので難しい場所ばかり。今回の秋の旅でぜひ訪ねていただきたいと思います。

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