歴史ある風景
歴史ある風景
2021年09月14日
“沖縄であって沖縄でない” 絶海の孤島・南大東島
本社 プランニング事業本部:乗田憲一
那覇から国内線で約1時間。飛行機から見下ろす、その姿は実に不思議。豆粒のような形の周りが縁取りしたように盛り上がり、中央が窪んでいます。これは「幕(はぐ)」と呼ばれ島を取り囲む10~20mの断崖絶壁。浅瀬や入り江は一切なく、船が着岸出来ないというから驚きです。それが南大東島です。
約4,800万年前、赤道直下で誕生したこの島は、フィリピン海プレートに乗り、1年に約7㎝ずつ、気の遠くなる年月をかけて3,000㎞の旅をしました。長らく無人島であったこの島が、歴史上記録に出てくるのは1820年、ロシアが発見し、サウスボロジノ島と命名したことに始まります。1853年、かのペリーも来航した可能性があると言います。そして明治に入り、1885年、日本国は国標を建て日本の領有とし、隣の北大東島が沖縄県最東端となりました。
沖縄の人々により開拓が試みられたものの、自然環境の余りの厳しさに断念。開拓に成功したのは何と八丈島の開拓者。わずか120年前、1900年のことでした。原生林を切り開き、サトウキビ栽培で繁栄しました。沖縄唯一の総延長30㎞に及ぶ「シュガートレイン」も敷設されるほど。沖縄からの移住者も増えたとはいえ、八丈島文化も色濃く残り、独特の文化性が育まれました。沖縄民謡と共に八丈太鼓が鳴り響いたり、御神輿や江戸相撲の風習が残っていたり、と東京から1,000㎞以上離れているのに何とも不思議な感覚です。高層気象観測を行なう気象台があり「台風観測最前線の島」として知られていますが、むしろ島人は「風の暴れ者」の台風すらも「恵みの雨」としてしまうような逞しさがあります。
島の周囲は魚介の宝庫。20年ほど前に断崖絶壁を「切り抜いて」作られた漁港を昼頃に訪ねると、キハダマグロやサワラなど食べきれないほどの魚が揚がります。新鮮な刺身はもちろんですが、島に来たらマグロやサワラをみりん醤油に付け込んでつくった名物「大東寿司」が島の名物。そうこれも八丈島の「島寿司」がルーツと言われています。こうしたところにも沖縄本島では味わえない“異文化体験”が味わえます。
飛び交う会話や空気感は確かに沖縄。でも、感じる風や、食べ物には異質なものを感じる。沖縄本島や離島の代表格、八重山諸島では味わうことのできない、不思議な異文化体験がここではできます。
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