歴史ある風景
歴史ある風景
2021年08月31日
長崎・平戸 「西の都」と呼ばれた江戸の国際都市
本社 プランニング事業本部:乗田憲一
コロンブスやマゼランらが活躍した大航海時代、ポルトガルやスペインの船が世界を駆け巡りました。日本に来たポルトガルの船は風雨から船を守ってくれる領主がいる場所を探しました。そして「発見」したのが平戸でした。九州半島に程近く、港が半島側を向いていて、港背後に丘陵もあることから戦略上、申し分のない場所でした。
入港は1550年、実はこの年よく歴史教科書に出てくるフランシスコ・ザビエルも来航し、布教活動をしています。 江戸が開幕したばかりの1609年、平戸にオランダ商館が設置。西欧文化受容の窓口として日本を代表する国際都市となり、「西の都」と呼ばれるまで繁栄しました。
しかし1639年、幕府は「鎖国」を決め、海外とのつながりを断絶しますが、ここ平戸は唯一交易を認めたオランダの拠点となります。2年後、長崎出島へとオランダ商館は移されてしまいますが、こうして歴史の表舞台から去ったことが返って、400年以上経った今もオランダの薫りが平戸の町に残ることに繋がりました。江戸の禁教時代「かくれキリシタン」の潜伏場所ともなった平戸は、今も信仰心の篤い地域でクリスマスになると、信者たち手作りの素朴なクリスマスイルミネーションが有名で、心温まる風景となっています。
復元されたオランダ商館の前から連なるオランダ商館通りには、オランダ塀やオランダふ頭、オランダ橋(幸橋)などが、その風情を物語ります。港を望む中腹には、フランシスコ・ザビエルを讃える平戸ザビエル記念教会が立っています。教会へ向かう坂の途中からは光明寺と教会の塔とがセットで映る写真スポットもあって観光客に人気です。
平戸は、ポルトガルを通じていち早く「砂糖」が伝わり、菓子文化も発展しました。その伝統と技は今も継承され、お店に並ぶ伝統菓子から現在の嗜好に合わせた和洋のスイーツまで国際都市の名残を感じます。何と言っても有名なのは「カスドース」。
一口サイズのカステラを卵黄にくぐらせ、糖蜜であげて砂糖をまぶした銘菓。私も好物で、オフィスの近く有楽町の交通会館にアンテナショップ「有楽町ひらど商館」があり、時折訪ねては購入しています。とても甘いので万人受けとはいきませんが、海外に行けない今、ポルトガルの風を身近に感じるカスドースに結構はまっています。
この記事に関するキーワード
お気軽にお問い合わせください
電話相談はこちら
受付時間:午前9:30~午後5:30
- 東京
- 03-3501-4111
- 大阪
- 06-6343-0111
- 名古屋
- 052-252-2110
- 九州
- 092-473-0111
- 札幌
- 011-232-9111
- 藤沢
- 0466-27-0111