日々是旅立

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2021年09月01日

唐津の貫禄「洋々閣」

社長 松本佳晴

茶陶の里 唐津

 唐津と聞けば、うつわ好きの血が騒ぐ。
 「一楽二萩三唐津」と謳われる優れた茶陶の里。そのひとつ唐津の中心部の中里太郎右衛門陶房は、立派な美術館然とした店舗と、別棟の数寄屋造りの展示記念館が見事で、ゆっくり半日近くも眼を楽しませてくれる贅沢な陶房でした。付近の路地裏には、江戸年間からの古い登窯も拝見できます。唐津焼の茶陶は茶道具の主役のひとつですが、楽焼、萩焼に比べ、普段使いするにも重宝するのが有難い。

中里太郎右衛門の陶房(売店)
中里太郎右衛門の展示記念館

玄界灘にほど近い「洋々閣」

 大正元年(1912年)の木造2階建ての母屋。玄関をくぐると打ち水の清々しい石畳のたたきで、いかにも昔ながらの日本旅館の風情が嬉しい。とはいえ、建築家の柿沼安利さんや永井啓二さんにより、上手にリニューアルされているので、快適さも十分。
 親切な仲居さんが館内をあちこち案内してくれましたが、特に驚いたのは唐津焼の夥しい作品群が目に飛び込んできたギャラリーで、思わず足を止めて、しばし鑑賞してしまいました。
 玄界灘の冬は、アラ(クエを九州ではアラと呼ぶ)の旬、またふぐの旬なので、宿自慢の季節の夕餉が今から楽しみで、待ち遠しくなります。無論、料理を一層引き立てるうつわは、唐津の名陶ばかり。
 「宿の主人とうつわの創り手」が響き合う宿「洋々閣」には、懐かしさと貫禄が漂い、かつて司馬遼太郎先生も泊まり、また池波正太郎先生の書生、佐藤隆介氏がこよなく愛したという。年が明けた来年1月下旬の特別企画「長崎グラバー園での蝶々夫人の夜会」のツアー企画に登場しますので、乞うご期待です。(10月に発表予定)

洋々閣の玄関
洋々閣、大正元年の母屋には、風格と落ち着きが。
洋々閣、お庭も自慢です。
洋々閣の唐津焼のギャラリー
洋々閣 ブローシャー

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