日々是旅立
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2021年06月16日
尾道さんぽ(その1)お勧めの立ち寄りポイント発見
松本 佳晴
名画の舞台になる理由に納得、どこを切り取っても「絵」になる町
通過するばかりで歩いたこともなかった「尾道」を、4月下旬、初めてじっくり訪ねる機会を得ました。
「東京物語」(原節子主演、1953年小津安二郎監督)、150万人以上を動員した「男はつらいよ」(渥美清主演、1983年山田洋二監督)をはじめ、数々の名作映画の舞台となった町、尾道。実際に歩いてみますと、これほど「旅情」を感じさせるシーンが見出せる町は他に見当たらないほど。何気ない、狭い小路ひとつが素敵な映画のシーンになってしまう町。多くの監督が、この地をロケ地に選んだ理由がよくわかりました。とにかく「絵」になる町。
中でも、ロープウェイ3分で上り切った千光寺公園から、港に向かって下りてくる坂道散歩は楽しい。ガイドブックに載っている「おのみち文学の館」は、志賀直哉の旧居など3つの施設で構成されていますが、あれあれ、奈良の町中にも立派な志賀邸があったのを思い出し、確か仙台出身の志賀直哉ですが、西の歴史深い、しかし雅な京都ではなく、やや渋みのある町を好んだ、そのお人柄が偲ばれます。
温もり溢れる空間「LOG」は注目のデザイン建築で、景色も抜群
さらに少し下ったところに、昭和30年代の集合住宅跡をインドの建築家がリニューアルした、何とも温もり溢れる空間を発見。僅か6室のホテル「LOG」として2年前にオープンした注目のデザイン建築ですが、お洒落なカフェやショップもあって、ちょっと立ち寄り、休憩するのも楽しい。トイレのデザインもちょっと興味深いのでのぞいてみたい。隣接した日本庭園には、和風の屋敷と戦前の洋館がやはり貸し切り宿「せとうち 湊のやど 鳥居邸洋館」として、外観はそのまま、内装をフルリノベーションして活用されています。「LOG」からは足下に尾道水道と向島(むかいじま)の絶景が広がります。
しばしの休憩で再び尾道さんぽで、あっという間に「山陽本線」をくぐり抜けると、そのまま下町、「尾道本通り商店街」のアーケードは目と鼻の先。
(次週につづく)
(ココで尾道さんぽのコツ。もちろん地元の人々は普通に住み暮らしていますが、坂道はそこそこ急なので「上り」は辛い。ロープウェイ(3分)でまず坂上に上ってから、幾本もの小路を右に左に下りながらの歩きは、苦になりません。)
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