町並み百選
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2021年09月09日
夏の終わりの知床旅情 斜里と網走
プランニング事業本部 吉田義和
知床の岬にはまなすの咲くころ、、森繁久彌や加藤登紀子の歌で知られる「知床旅情」にもうたわれた知床。「屋久島」、「小笠原諸島」、「白神山地」、「奄美諸島とやんばる」と並び世界自然遺産に登録されている日本を代表する世界遺産です。9月2日に無事終えた「キタラホールチャリティコンサート」の旅の添乗で訪れてまいりましたので、今回は4月の標津、北見に続き道東のご紹介です。
「鮭 日本一のまち」 斜里町ウトロ
知床観光の中心となるのは、網走からオホーツク海を1時間半ほど走ったところにある斜里町のウトロです。斜里岳の麓に位置する斜里町から知床半島を東へ40分。ウトロの町は、漁港と温泉ホテルが点在する小さな町。しかし夏と冬には緑豊かな大自然と、流氷を求めて多くの観光客が訪れます。ちょうど私たちが訪れた8月の終わりは、この地域では秋の始まり。鮭やマスが川を遡上している様子も見ることができました。斜里町は15年連続で鮭の漁獲量が日本一。町も「鮭 日本一のまち」をスローガンとして盛り上げています。
知床観光船でオホーツク海へ
ウトロの港からはいくつかの知床観光船が出ています。私たちは「ゴジラ岩観光船」でオホーツク海へ。知床の真髄ともいえる断崖を海から間近に眺めました。知床半島は地盤の運動や火山活動、海蝕などによって生まれた高さ100mもの断崖がどこまでも続いています。火山が冷え固まってできた柱状節理や、海に削られてできたオーバーハングなど、地形も様々。そこに幾筋もの滝が流れ出て、非常に美しい景観となっています。陸路では緑豊かで穏やかな原生林の風景ですが、海から見ると荒々しい地形が広がり、その景観の変化も見ていて面白いです。今回は鮭のシーズンということもあり、海岸で鮭を探すヒグマにも4頭遭遇することができました。人と動物が共生する知床の大自然を体感しました。
流氷がたどり着く港町 網走
知床の観光後は、隣町の網走へ。途中、近年写真スポットとして話題の「天に続く道」に立ち寄りました。オホーツク海とジャガイモ畑が広がる20㎞ほどの直線道路は、いつ訪れてもフォトジェニックです。その道を真っすぐ西へと走ると、網走の町に出ます。高倉健主演の「網走番外地」で知られる網走。監獄のイメージが強い網走ですが、現在は静かな港町です。蟹やウニ、ホタテなどオホーツクの海産物はもちろん、藻琴湖や網走湖などで獲れる大きなシジミも名産です。1月の終わりから2月にかけては、流氷が訪れる町として世界中から注目されます。夏にはウトロから知床クルーズを行う「おーろら号」は、冬にはここ網走からの砕氷船クルーズとして活躍します。
流氷を旅するツアーはまもなく発表予定です。ご期待ください。
北海道開拓の歴史を見つめる網走監獄
明治期に囚人労働による北海道開拓計画により造られた網走監獄。極悪犯の収容施設、というイメージがあるかもしれませんが、初期は明治時代の自由民権運動の活動家や、不平士族ら政治犯が多く収容され、労働に駆り出されました。一番の目的は当時の脅威であった対ロシア防備を固めるため、北海道の開拓、開発をいち早く進める、ということでした。明治期の網走は人口僅か600人。そこに1300人もの囚人が送り込まれ、開拓事業を行ったのです。なかでも網走から旭川、そして札幌方面へと抜ける「北海道中央道路」の建設は労働力を総動員して行われ、原生林を切り開いた163キロの中央道路が僅か8カ月で開通。北海道全土で663キロにも及ぶこの道は、囚人道路とも呼ばれました。現在の網走刑務所軽犯罪者用の収監施設になっていますが、当時のままの網走刑務所は、「博物館 網走監獄」として今にその姿を留めています。
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