町並み百選

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2021年05月20日

日本のブータン?梼原町の町並み

プランニング事業本部 吉田義和

先週はちょうどツアーで現地を訪れていた東京支店長の福島より鎌倉の町並みをご紹介いたしました。私も中学、高校時代を鎌倉の学校で過ごしたので、鎌倉には詳しいつもりでしたが、旅として新たに捉えてみるとさらに深い発見があり、「地元」を旅してみるのも面白いなと感じました。7月4日に長谷寺近くの「鎌倉能舞台」にて「夏の特別公演」を鑑賞する旅もありますので、この機会に鎌倉をゆっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。

今いちばん行きたい町 梼原(ゆすはら)

さて、本日ご紹介する町並みは、高知県の梼原町です。高知県と愛媛県の県境に位置し、「山里」的な風情のあるひっそりとした村なのですが、現在では日本中から建築ファンが集まる聖地となっています。梼原村を高知を代表する訪問地に押し上げたのは、歌舞伎座や新国立競技場の設計でも知られる世界的建築家。隈研吾さん。私の鎌倉の母校の先輩です。1992年にこの村を訪れた隈さんは梼原村に残る木造芝居小屋「ゆすはら座」に魅せられ、木をふんだんに取り入れた独特の建築様式を考案しました。村には、隈さんの建築の原点となったゆすはら座を中心に、隈研吾建築が点在し、町中が美術館のよう。緑深い山里の風景と相まって、とても美しいものです。梼原町総合庁舎や図書館、町のえきなど町の公共機関のほとんどが隈健吾建築です。

雲の上の図書館
雲の上ギャラリー
マルシェ・ユスハラ
鎌倉の母校も隈研吾建築に生まれ変わりました。

カルスト地形に囲まれた雲の上の町

梼原町は高知県の険しい山間部に位置し、周囲を四国カルストという独特の地形に囲まれています。標高は高いところで1500ⅿあり、「雲の上のまぢ」とも言われています。美しい梼原町の朝晩の風景を楽しめるホテルがあります。その名も「雲の上のホテル」。隈研吾さんの設計で、木をふんだんに使った温かみのあるスタイル。ホテルには雲の上ギャラリーや隈研吾さんの作品を展示する小さな博物館も併設されています。今年9月末には一度閉館し、2024年まで3年間にわたるリノベーションに入りますので、現在のホテルに泊まる機会は今だけの貴重な機会をお見逃しなく。周囲には四国カルストをはじめ、幻想的な青い水面「仁淀ブルー」で知られる仁淀川の渓谷も。ぜひ四国の新たな一面を旅してみてください。

雲の上のホテル
仁淀ブルーの中津渓谷

思い出すのはブータンの町並み

梼原町と隈研吾建築を眺めていると、思い出されるのがブータンの町並みです。世界で唯一チベット仏教を国教としているブータンは、町の建築もチベット式に統一されています。細部まで凝って造られた木造建築が山間に並ぶ姿は、何度訪れても感動的でした。インドの隣国にあってコロナ禍もそこまで大きくなっていないブータン。これからも平和でありますように。

木造建築の美しいブータン(パロゾン)
民族衣装で登校するブータンの子供たち

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