【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2024年04月04日

【帰国レポート】こだわりのホテルで楽しむ ヨルダン周遊の旅 

<2024年3月24日発 添乗員・東京支店 中屋 雅之>

何回訪れても飽きることのないヨルダン

昨年の4月以来、約1年ぶりのヨルダンの旅に添乗しました。ヨルダンといえば中東の中でも特に長い歴史を持つ国であり、旧約聖書ゆかりの地も多くあります。今回は特に古代遺跡を中心にご紹介します。

ヨルダン最大の遺跡・ペトラ

エル・ハズネ。インディージョーンズの世界です。(中屋撮影)

ヨルダンといえば「ペトラ」と言われるほど世界的に有名です。とにかく広大な遺跡であり、しかもほとんど破壊されていないことが素晴らしい所です。世界中のほとんどの遺跡は戦争やその他の理由で破壊されて、一部が現在に残るだけですが、ここペトラは破壊されることなく、交易ルートの変更などによって人々が住まなくなり、完全に見捨てられた町となったのです。しかも大部分は石を積み上げた建造物ではなく、巨大な岩山を刳り貫いた作ったものであるため、継ぎ目がなく、大地震にも耐え抜いて今に至っています。さすが、「中東の三大遺跡」の一つと言われるだけのことはあります。 

あまりにも広大であるが故、観光にはかなりの距離を歩かなければなりませんが、私たちのホテル「ペトラ・ゲスト・ハウス」は遺跡の入口に位置していますので、少しでも歩く距離を少なくできます。更に、このホテルはペトラに4つしかない、ビールをはじめとするお酒類を提供するホテルです。ホテル内に遺跡をそのまま利用した「ケーブ・バー」(cave bar)があり、ここで生ビールでも一杯いかがでしょうか。本当に雰囲気の良いバーです。

ホテルから遺跡の入口まではわずか徒歩1分、ここからしばらく歩くと有名な「シクの隘路」です。シクとは巨大な岩の裂け目であり、それを抜けると突然「エル・ハズネ」(ファラオの宝物殿)が現れます。この建築上のテクニックは現代の私たちをも驚かせます。エル・ハズネはインディー・ジョーンズの映画にも登場しました。シリーズ第3作の「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」(Indeana Jones and the Last Crusade)ではハリソン・フォードが演じる主人公のインディー(インディアナ)・ジョーンズがここを舞台に活躍し、遺跡が一躍世界的に有名になりました。

「エル・ハズネ」からファサード通り、ローマの円形劇場、王家の墓、列柱道路、更には大神殿、カスル・エル・ビントと言われる宮殿跡などを見ながら昼食のレストランへ。  

ここから更にご希望の方は約800段の階段を上って、ペトラ最大の遺跡「エド・ディール僧院」までご案内しました。とにかくその規模には驚かされます。

エド・ディール僧院(中屋撮影)

このペトラは紀元前4世紀ごろから紀元後3世紀にかけて「香料の道」の中継地点として発展しましたが、ローマ帝国の衰退以降、見捨てられて1000年以上にわたって誰も訪れず、誰も語らず、幻の遺跡となっていました。その後、偶然発見されたのは1812年のことです。
ペトラこそ世界最大の遺跡といっても過言ではありません。

ペトラ・バイ・ナイトの様子
色とりどりのライトアップが見事でした。

ヨルダン最大のローマ遺跡・ジェラシュ

ヨルダンに於いて、ペトラに次ぐ遺跡と言えるのがジェラシュの遺跡です。これはローマ帝国時代からビザンチン帝国時代にかけて発展した都市遺跡であり、その保存状態と規模の大きさには驚かされます。ローマ帝国が最も発展したのは紀元後2世紀の「五賢帝」の時代です。五賢帝の一人トラヤヌス皇帝の時代、ローマ帝国は最大の版図を実現し、それに続くハドリアヌス皇帝はその領土を視察すべく、東方大遠征旅行を行いました。この時代がジェラシュの最も発展した時代であり、ハドリアヌス皇帝の訪問を記念して「ハドリアヌスの凱旋門」を建設しました。このハドリアヌスの凱旋門から都市遺跡に入り、ヒポドローム(馬車の競技場)を見ながら「南の門」へ。楕円形の広場から長い列柱道路を歩き、「四面門」へ。さらに、北の四面門から北の門を望み、北の劇場、そしてジェラシュで最も美しいと言われる「アルテミス神殿」へ。これはこの町の守護神アルテミスを祀る神殿であり、その耐震設計の構造により、柱は倒れることなく完全な形で今に残っています。

ここから少し歩くと3つの教会へ。その一つ「コスモス&ダミアン教会」には美しいモザイク画が残されています。最後に訪れたのは「南の劇場」。ローマ帝国時代の劇場が修復されることなく完全な形で残っているのは奇跡ともいえます。収容人員は3000人以上で、各席にはギリシャ文字で座席ナンバーも刻まれていました。つまり、前売り券が売られていたということを意味しています。

ハドリアヌス皇帝の凱旋門 紀元後2世紀ハドリアヌス皇帝の来訪を記念して造られたものです。(中屋撮影)

ローマの最前線基地:ウム・アル・ラサス

今回、新たに加えた訪問地がウム・アル・ラサスです。これは2004年にユネスコの世界遺産に登録された都市遺跡であり、遺跡の90パーセント以上はいまだ、未発掘の状況です。この都市遺跡は西暦3世紀末、ローマ帝国がこの地を支配して以来、ビザンチン帝国、初期イスラム王朝の支配下で発展し、9世紀頃までの様々な時代の建造物が混然一体となっています。

4世紀頃、この土地は東の大国「ササン朝ペルシャ」に対峙する前線基地として大きな軍隊が駐屯し、更に後の時代には次々に教会も建設されました。中でも8世紀に建設された「聖ステファノス教会」の床には西暦785年に造られたヨルダン最大のモザイク画が残り、そこには狩猟の場面や様々な動物が描かれ、その左右にはヨルダン川とその西岸・東岸にある重要都市が描かれています。そこにはフィラデルフィア(現在のアンマン)やマダバ、エルサレム、ガザなど旧約聖書、新約聖書に出てくる27都市が描かれていて、それぞれの町にはギリシャ文字で名前も書かれています。モザイク地図としてはマダバの聖ジョージ教会のものが有名ですが、この教会の地図も1986年の発見以来、この地域の考古学において重要な役割を果たしています。

ウル・アル・ラサス遺跡。白い建物は聖ステファノス教会のモザイクを保護するためのもの。(中屋撮影)
聖ステファノス教会の床のモザイク。左右の黒っぽい部分がヨルダン川の東岸と西岸です。(中屋撮影

世界中でもこれほどの遺跡の残る国はあまりありません。古代史や遺跡にご興味のある方にとってはまさに垂涎の地です。

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