＜3月6日発　添乗員・本社営業部：山田 周＞

　陽光の南スペイン・アンダルシア地方の知られざる田舎町を訪ねる旅に行ってきました。南スペインの地中海沿岸部コスタ・デル・ソル（太陽海岸）からシェラ・ネバタの山間に広がる風光明媚な自然を有するアンダルシア地方には魅力的な町や村がたくさんあります。有名なアルハンブラ宮殿、コルドバのメスキータ（大モスク）、セビリアのアルカサール（城・王宮）など、世界的に有名な歴史遺産に注目が集まりがちなアンダルシア地方ですが、今回は日本人旅行者にはそれほど知られていない、フォトジェニックな街並みや美しい田舎風景をご紹介します。

地中海の朝焼けと美しい海岸線が印象的な白い町「ネルハ」

　コスタ・デル・ソルの白い町「ネルハ」では地中海と美しい海岸線を一望するパラドールに2泊滞在しました。日の出が遅い3月ということもあり、8時を過ぎてからようやく地中海にせり出した半島から朝日が上りはじめ、崖の上にびっしり埋め尽くされるように立ち並ぶ白い家並みがピンク色に染まります。スペインの田舎町はホテルの朝食時間が朝8時からと遅いのが一般的なこともあり、早起きをすることもなく、朝食のレストランやパラドールの庭園からもネルハの幻想的な朝焼けをご覧いただくことができました。ネルハに滞在する機会にぜひおすすめしたいのは、「ヨーロッパのバルコニー」と名前がつけられた展望台までの散歩です。朝には静寂に包まれた町と幻想的な朝焼け、日没前後にはバルに集う人々で活気づく賑やかな町の素顔をご覧いただくことができます。

　天然の要塞タホ渓谷の断崖の上に築かれたロンダでは新市街と旧市街を結ぶヌエボ橋のたもとに建つパラドールに2泊滞在しました。旧市街はかつてのイスラム時代の町の面影が色濃く残り、町の中心に建つサンタ・マリア・ラ・マジョーレ教会の内部は、ここがかつてはモスクであった名残も見ることができました。地図も必要ないほど小さな町なので自由気ままに散策が楽しめます。夕暮れ時にはヌエボ橋のたもとから渓谷の斜面にびっしり張り付くように建てられた宙吊り家屋がライトアップする幻想的な姿も印象的でした。

アンダルシア地方のユニークな３つの町巡り「ミハス」「セテニール」「オルベラ」

　コスタ・デル・ソルで最も有名で人気の高い「ミハス」。海岸線を見下ろす断崖絶壁の丘陵に白い家屋が密集し、迷路のような細い路地には色とりどりの花が飾られたお店が並ぶ風景はまるで絵画のようです。ぜひおすすめしたい訪問場所は世界最小の闘牛場です。スタジアムからミハスの全景を間近にご覧いただける絶景ポイントでもあります。

　断崖絶壁にせり出した大きな岩が屋根になっている岩窟家屋が密集する「セテニール・デ・ラス・ボデガス」では地元の岩窟バルで昼食をいただきました。小さな川の両岸に岩窟家屋が密集するユニークな景観をご覧いただきながらのひとときでした。

　天空の町「オルベラ」は階段と山上に聳える大きな教会と城塞が印象的な中世の町です。山上まで10～15分ほど階段と坂道を上ると、一面に緑の大地と白い家屋が密集する絶景がご覧いただけます。ツーリストインフォメーションで切符を買い、お城の博物館や城塞の見学がおすすめです。

　スペイン・アンダルシア地方は紀元前のカルタゴとローマ帝国、中世にはアフリカから渡ってきたムーア人（イスラム教徒）とカスティーリャ王・アラゴン王国を中心としたキリスト教国家が覇権を争い、長きにわたり歴史の表舞台の中心地であったこともあり、様々な民族の異文化が融合した歴史遺産の宝庫です。一方で、大都市から離れた小さな町や村には牧歌的な穏やかな空気、心から癒される風景が残されています。様々な顔を持つスペインの多彩な魅力に魅了された10日間の旅でした。