＜9月20日発　本社営業部　添乗員：田澤桃菜＞

　地中海に浮かぶ小さな島国マルタは、歴史の揺りかごとも称されるように、長い歴史の中でたえ』ず文明のぶつかり合いに翻弄されてきました。今では、シチリア島の真南に位置するリゾート地として人気を集めていますが、美しい海だけではなく、紀元前5000年にまで遡る歴史の深さも魅力です。エジプトのピラミッドよりも遥かに古い、世界最古とも言われる巨石神殿遺跡や列強国による支配下時代に築かれた古都、そして医療十字軍として活躍した聖ヨハネ騎士団によって建設された城塞都市など、マルタを旅するとさまざまな時代に思いを馳せることができます。

　本レポートでは、弊社の定番ツアーとなったマルタ・ゴゾの旅の中でも初めて取り入れた訪問地や現地の状況などをご報告いたします。

一般非公開 マルタ大統領の夏の別荘「ベルダラパレス」を貸切見学

　ラバトの南ディングリの東にあるブスケットガーデン。狩猟場として使用するためマルタ騎士団によって作られた庭園で、オレンジやサボテン、松やヒノキなどさまざまな樹木が植えられています。ベルダラパレスはこの庭園の丘の上にあります。今回は、マルタ政府の許可をとり、ワールドのお客様限定で訪れることができました。国賓も謁見に訪れることがあり、かつては英国のエリザベス女王も訪問されました。スタッフの方によるご案内のもと、館内の見学へ。大小ある大広間や貴人の間（賓客の寝泊り施設）を見学すると、天井には騎士団の功績が表されたフレスコ画が描かれており、1枚1枚の絵のストーリーについて細かくご説明いただくことができ、記憶に残る貴重な経験となりました。

ミシュラン掲載のモダンレストラン「Grain」でのご夕食

　マルタの首都ヴァレッタ。メイン通りのPublic Streetは大勢の観光客で賑わい、コロナ禍であることを忘れてしまいそうです。日中の気温は約25度前後と過ごしやすく、屋内よりもテラス席で食事を楽しむ人々の姿が目立ちます。今回は旅の最後の夜、ヴァレッタの旧市街の中にあるレストラン「Grain Street」での夕食にご案内いたしました。オープンからわずか3か月でミシュラン ビブグルマンに指定され、マルタ産の食材が用いられた目にも楽しいお料理とマルタワインをご賞味いただきました。

聖ヨハネ大聖堂の豪華絢爛な内装は圧巻です。

1577年にマルタ人の建築家ジェロラモ・カッサールによって、騎士団の修道教会として作られた聖ヨハネ大聖堂。簡素なつくりの外観からは想像がつかないほど内部は豪華なつくりになっており、お客様からも歓声がおこったほどです。天井画には、聖ヨハネの生涯などが描かれ、床を見ると400枚の細かい装飾が入った大理石のプレートが埋め込まれています。左右には騎士たちの出身地ごとに造られた8つの礼拝所が置かれており、この8つの騎士団が一つに合わさり、聖ヨハネ騎士団となってマルタ十字は8つの端を持つようになったと言われています。どこを見ても圧巻の装飾です。礼拝堂の見学のあとは、付属美術館にてカラヴァッジョの作品をご鑑賞いただきました。美術館の入場の際は、きちんとした人数制限が設けられているので、混雑の心配なく、ご自身のペースで作品をご覧いただくことができます。ヴァレッタに訪れた際は、必ず足をお運びいただきたい場所です。

　上記でご紹介した場所以外にも、まだまだ皆様にお伝えしたい魅力があります。下記に写真を掲載いたしますので、少しでもマルタにご興味をお持ちいただけましたら幸いです。