千三百年の時を今に紡いで　舞楽の仮面劇「蓮華会舞」

平安時代から受け継がれる「隠岐国分寺蓮華会舞」

特に注目すべきは、毎年4月21日に行われる「隠岐国分寺蓮華会舞」です。この舞は、平安時代から伝承される貴重な舞楽系の民俗芸能で、古代の中国や朝鮮から伝わった舞楽や無言仮面劇の要素を色濃く残し、国の重要無形民俗文化財に指定されています。2007年の国分寺本堂の火災で、面などが焼失しましたが、保存会の尽力により復元されました。かつては旧暦6月15日に行われていましたが、現在では弘法大師空海の命日に合わせて7つの舞が披露されます。

隠岐を代表する伝統文化「隠岐の牛突き」

「隠岐の牛突き」の起源は800年以上前。承久の乱でこの地へ配流された後鳥羽上皇のお心を癒やすために、島の人々が披露したのが始まりと伝えられます。国の重要無形民俗文化財であり、1トン近い巨牛同士が角を突き合わせる勇壮な姿は迫力満点です。島民と牛が一体となって受け継いできた伝統をご堪能ください。

隠岐諸島の中で最大の島・隠岐の島。島唯一の空港もこの島に置かれています。本土から見ると4島のうち最も遠い場所に位置することから「島後」とも呼ばれます。隠岐で最古の神社である玉若酢命（たまわかすみこと）神社や、隠岐自然館など見どころも豊富です。また、島の北部には奇岩の景勝地ローソク島が海から約20メートルの高さでそびえ立ちます。岩の先端に夕日が重なる瞬間はまるで、一本のローソクに火が灯されたかのように輝きます。今回は遊覧船に乗り、船上からこの感動的な瞬間をご覧いただきます（天候によりご覧いただけない場合があります）。

貸し切り船で絶景「赤壁」を訪ねる。「知夫里（ちぶり）島」

　そして隠岐の自然の美しさを見せてくれる島が、知夫里島です。交通が不便なこの島へのアプローチは、西ノ島から船をチャーターし、島を代表する絶景「赤壁」の船上からの見学も兼ねて渡ります。通常では、知夫里島へ渡った後、さらに遊覧船に乗り換えて訪ねる「赤壁」に効率よくアプローチできるのは、ツアーならではの大きなメリットでしょう。知夫里島の見学を終えたら、隠岐に別れを告げ、フェリーにて境港に渡ります。