【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2025年11月23日

【帰着レポート】香川・兵庫コラボ観光プロジェクト2025 知られざる名建築とアートの世界

<2025年11月19日(水)~11月23日(日)添乗員:大阪支店 八百屋健太>

香川県と兵庫県、瀬戸内海を挟んだ2つの県を旅するコラボ観光プロジェクトで、今回は「建築とアート」をテーマに旅しました。香川県では近代建築の巨匠・丹下健三氏がデザインした建造物や、彫刻家・流政之氏の作品を鑑賞し、兵庫県ではフランク・ロイド・ライトの代表作や安藤忠雄氏の渾身の建築を堪能しました。歴史的な見どころも訪ねる盛沢山のツアーをレポートします!

高松は知られざる名建築の宝庫です

高松の町を歩くと、多くの近現代の名建築に出会えます。今回は高松に2泊し、そうした建築物を訪ね歩きました。まず、丹下健三氏設計の「香川県庁舎 東館」を、県の職員の方の説明を受けながら見学しました。ピロティから建物内部に入ると、芸術家・猪熊弦一郎氏やデザイナー・剣持勇氏など、日本を代表するクリエイターが携わった作品が目に飛び込んできました。

建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を日本人で初めて受賞した丹下健三さんの初期代表作です
県民に開かれた空間を生み出すピロティは「丹下建築で最も成功したピロティ」と言われています
おなじみヤクルトの容器も手掛けたインテリアデザイナーの剣持勇氏がデザインしたイスと机が並びます
猪熊弦一郎さんの壁画「和敬清寂(わけいせいじゃく)」の前で解説を聞きました

高松市の新旧の県立体育館をご覧いただきました

2025年2月に開業した「香川県立アリーナ(愛称:あなぶきアリーナ香川)」は、建築家の妹島和世さんと西沢立衛さんのユニットSANAAによるデザインの新しい体育館です。そして、1964年竣工の丹下健三さん設計の「旧香川県立体育館(愛称:船の体育館)」もご覧いただきました。船の体育館は耐震性の問題や老朽化のため閉鎖され、解体される予定です。この二つの体育館を同時に見る機会は、もう長くは残っていないでしょう。

二つのアリーナを曲線的な一つの大屋根でつなぐ特徴的なデザインです
国立代々木競技場の原型ともいわれる独特の「和船」を思わせるデザインが特徴です

世界的彫刻家、流政之さんのアトリエが美術館に

設計から建設までこだわり抜いた自宅兼アトリエを改築し、美術館として公開したもので、流先生の世界観や哲学にふれられるのが特徴です。レンガ造りの建物は欧州のお城やインドの砦のようにも見え、独創的。敷地内には約130点の作品が展示されており、そのほとんどにふれることができます。つるつる、ごつごつとした質感を自分の手で感じられ、流先生のイメージを体験できる貴重な空間でした。

館内に展示されている作品のほとんどが実際にふれて鑑賞できるのです
流先生のもとで制作に取り組んだスタッフの貴重なお話を聞くことができました
この角度から見るとインド、ラジャスタンの赤い城塞を思い浮かべました
瀬戸内海の海と島々を望む庭園にもたくさんの作品が展示されています

瀬戸内海を一望 自然と調和したデザインの資料館

香川県職員からのちに建築家として活躍した山本忠司氏が設計した建物は、正方形の展示室をずらして配置した独創的なもので、内外が連続する開放的な空間を生み出しています。資料館の黒田さんの解説を受けながら、瀬戸内海の漁撈や海の信仰、香川県の人々の暮らしに関する展示を見て回りました。屋上の展望台からは、直島や小豆島の島影と瀬戸大橋の美しい景色を見渡すことができました。

石を積み重ねた特徴的な建築が出迎えてくれます
第一展示室は柱がない広い空間となっており、大きな漁船などが展示されています

高松からフェリーで瀬戸内海を渡り岡山、そして兵庫へ

晴れ渡る空の下、フェリーで芸術の島・直島に渡り、「ベネッセハウス ミュージアム」と「地中美術館」を見学しました。その後、再びフェリーで岡山の宇野港に到着し、そこからバスで兵庫県の赤穂に向かいました。フェリーでの移動中も瀬戸内海の美しい景色を堪能し、夕日がとても美しかったです。

高松港にある瀬戸内国際芸術祭で2010年時に建てられた作品「Liminal Air -core-」
フェリーは高松を離れ直島へ向かいます
直島から岡山の宇野港へ向かう途中、夕日がとてもきれいでした

兵庫県に入り、レトロ建築の残る網干の街を歩きました

兵庫県では、レトロ建築が残る網干の町歩きを楽しみました。まず、1922(大正11)年に竣工したレンガ造りの歴史的建造物である1日網干銀行本店を訪れました。現在はレストラン「旧網干銀行 湊倶楽部」として営業しており、昼食をいただいた後にオーナーの説明で館内を見学しました。その後、江戸時代から栄えた網干の街を歩き、網干銀行頭取を務めた山本真蔵氏が1918年に建てた和洋折衷の豪華な旧山本家住宅を見学しました。

旧網干銀行湊俱楽部の入口、当時の佇まいが今も残ります
館内は耐震工事を施しレストランとして営業中、店の奥には大きな金庫があります
網干の街を歩きながらレトロモダンな建築群をご覧いただきました
旧山本家住宅、書斎のステンドグラスや浴室の大理石など豪華絢爛です

安藤忠雄さんデザインの兵庫県立美術館の夕暮れ

直島でも安藤建築をたっぷりご覧いただきましたが、兵庫県立美術館は安藤忠雄さんの意匠が詰まった名建築です。「コンクリート打ちっぱなし」の幾何学的な造形や、光と影、内外の境界を曖昧にするデザインなど、建物自体が芸術作品として見どころが尽きません。今回訪れたのは太陽が沈みゆく時間だったため、特に美しい風景を楽しめました。

安藤建築の特徴のひとつ、螺旋状の円形テラス
西の空に太陽が沈み、建物が浮かび上がりました

阪神間モダニズムを代表する2つの邸宅を訪問

須磨の旧西尾邸は、1919(大正8)年に貿易商の西尾類蔵氏が建てた邸宅で、設計は初代通天閣を手がけた設楽貞雄さんによるものです。一方、芦屋の旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)は、灘五郷の酒造家・山邑太左衛門氏がアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトに設計を依頼し、遠藤新さんと南信さんによって1924(大正13)年に建てられました。これはライトが日本で設計した住宅の中で、建築当初の姿をほぼ完全に残している唯一の作品です。

現在は「神戸迎賓館 旧西尾邸」として結婚式などに利用されています
今回は特別室でフレンチのコース料理をいただきました
ライトが提唱した「有機建築」「自然と建築の融合」が随所に見られます
植物をイメージした緑色の飾り銅板が約200枚使われています

神戸でも発見!流政之さんのアート作品

今回の旅では、神戸旧居留地にある「オリエンタルホテル神戸」に宿泊しました。1870年創業の伝統と格式を受け継ぐ一流ホテルです。宿泊翌日には、ホテルから歩いてメリケン波止場へ散歩に出かけました。そこで見つけたのが、流政之さんの作品「神戸海援隊」でした。長らく兵庫県に住んでいる私も知らなかった作品で、まさに目からウロコでした。今回の旅が新たな発見につながりました。

旧居留地の一角に立つ「商船三井ビルディング」の重厚な建物
流政之さんの作品「神戸海援隊」、勝海舟の海軍操練所はこの地に開設されました

海の幸、山の幸 これが香川と兵庫の食の楽しみ

高松の料亭「二蝶」の料理、瀬戸内海の海の幸が並びます
料理を盛る器も美しい、今回のテーマは「建築とアート」ですが料理も芸術です
海と山の幸を使った料理に舌鼓
淡路島の海の幸を盛りつけた海鮮丼
赤穂近郊の牡蠣の炊き込みご飯、絶品でした
旧網干銀行湊俱楽部のランチ、洋食も素晴らしい

今回の旅のテーマは「名建築とアート」。なんとなく難しそうで、少し躊躇された方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際に訪ねてみると、現地のガイドさんや施設のスタッフがとても分かりやすく解説してくれ、すべての訪問地が新鮮な驚きに満ちていました。ドライバーさんやバスガイドさんも気さくな方たちで、笑いが絶えない忘れられない旅となりました。

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