【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2026年03月09日

【帰着レポート】国生みの島淡路島から小豆島へ瀬戸内の島々を巡る旅

<2026年2月22日(日)~2月26日(木)5日間  添乗員:吉田義和、高祖優子>

瀬戸内海に浮かぶ大小の島々には、それぞれに歴史があり、独自の文化が息づいています。2月22日から26日までの5日間、淡路島から東かがわ、小豆島、そして家島諸島へと、瀬戸内の島々をぐるりと巡る旅に出かけてきました。「国生み神話」と「島の伝統芸能」、そして各地の「ものづくり」を軸に、知っているようで知らなかった瀬戸内の奥深さに出会う旅となりました。

伊弉諾神宮 特別参拝祈願と夜神楽の特別鑑賞

初日の夜、伊弉諾神宮の拝殿にて祈祷を受けた後、「創生国生み神楽」をご覧いただきました。阪神淡路大震災からの復興を願い地元の有志によって創られた神楽で、演じるのは神社のある地区に暮らす子どもたちです。美しい衣装に身を包んだ子どもたちが、伊弉諾と伊弉冉が淡路島を皮切りに次々と国を生んでいく物語を真剣に舞います。やがて火の神カヅクチの誕生から伊弉諾の黄泉の国への旅、そして天照大神、素戔嗚尊、月夜見尊の誕生へと壮大な神話の流れが、夜の拝殿という厳かな空間のなかで繰り広げられました。終演後、子どもたちが客席まで挨拶に来てくれると、会場は温かな空気に包まれました。知っているようで知らないことが多い日本神話にふれ、それを一生懸命に受け継ぐ子どもたちの姿が印象に残る夜でした。

神聖な雰囲気の伊弉諾神宮本殿
伊弉諾尊と伊弉冉尊が天沼矛で渾沌とした大地をかき混ぜます
火の神カヅクチを産んだ伊弉冉尊
夜神楽を演じる子どもたち

小豆島に息づく三つの伝統芸能をご覧いただきました

小豆島到着の夜には、ワールド航空サービス55周年記念として、島に伝わる三つの郷土芸能を一夜で鑑賞する特別プログラムを実施しました。普段は島の各所で働く保存会の方々にお願いし、この日のために特別に披露していただいたものです。

まずはじめにご覧いただいたのは「安田おどり」。江戸時代初期、京都で名を馳せた安田出身の歌舞伎役者が故郷への贈りものとして伝えたとされ、香川県指定無形民俗文化財にもなっています。保存会の方々による扇の手と手踊りは、素朴ながらも所作のひとつひとつに歴史の重みが感じられるものでした。

安田おどりの様子①
安田おどりの様子②

続いては「石節」。大阪城の石垣用に巨石を切り出していた石工たちが、作業のテンポを合わせるために唄っていた労働歌です。舞台に大きな石が引き出されると雰囲気が変わり、力強い歌声が会場に響きました。

大きな石を運びながらの力強い掛け声が響きます
石節の様子

最後は馬木地区に伝わる「やっしっし」。大名行列を地元の人々がおもしろおかしく真似たのが始まりとされ、ふんどし姿の踊り手が登場すると会場からは歓声が起こりました。お客様にもご参加いただき、掛け声が飛び交う賑やかなひとときとなりました。

お客様も混じって踊りました
やっしっしの様子

三つの保存会が一堂に会する機会は地元でも珍しいとのこと。優雅さから力強さ、そしてユーモアへと移り変わる流れのなかに、小豆島の芸能の幅広さを感じることができました。

弥生時代の鍛冶工房と、神話が息づくおのころ島神社

淡路島では、神話と歴史が重なる二つの場所を訪ねました。

島の北西部、瀬戸内海を見下ろす丘の上に広がる五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡は、約1,800〜1,900年前、弥生時代後期に鉄器づくりを行っていたムラの跡です。遺跡が見つかったきっかけは、2004年に淡路島を襲った巨大台風でした。甚大な被害を受けた農地の復旧工事に伴う調査で、地面の下から弥生時代の建物跡や鉄器が次々と姿を現したのです。23棟の竪穴建物跡のうち12棟が鍛冶工房だったことがわかり、国内最大規模の鉄器生産集落として国史跡に指定されました。復元された茅葺きの竪穴建物の中には炉の跡が残り、ここで鉄を打っていた人々の暮らしが目に浮かぶようでした。

田んぼの中に遺跡があります
茅葺きの竪穴建物が見えます

島の南部に鎮座するおのころ島神社にある高さ21.7mの朱塗りの大鳥居は、平安神宮・厳島神社と並ぶ日本三大鳥居の一つに数えられ、遠くからでもひときわ目を引きます。古事記によれば、伊弉諾と伊弉冉は天と地を結ぶ「天の浮橋」に立ち、天の沼矛で海をかき回し、滴り落ちた雫がおのずと凝り固まって「おのころ島」が生まれました。神社の西約400mには、その天の浮橋の伝承地が今も残っていました。前夜の神楽で子どもたちが舞った天の沼矛の場面、国が次々と生まれていく物語を思い起こしながら伝承地に立つと、神話がただの昔話ではなくこの土地に根づいた物語なのだと実感しました。

おのころ島神社の本殿
住宅街の中に天の浮橋があります

香川に息づく、つくる人の力

小豆島では、春日神社の境内に建つ中山農村歌舞伎舞台を訪ねました。茅葺き屋根の舞台には回り舞台やセリといった本格的な仕掛けが備わり、国の重要有形民俗文化財に指定されています。江戸時代、伊勢参りに出かけた島民が上方の歌舞伎を持ち帰ったのが始まりとされ、かつては島内に30以上の舞台があったといいますが、現在も上演が続くのはこの中山地区と隣の肥土山(ひとやま)地区の二つだけ。中山は毎年10月、肥土山は5月に、それぞれの神社で五穀豊穣を祈る奉納歌舞伎が上演されます。役者はもちろん、化粧・衣装・義太夫・舞台まわしまですべて島の人たちが担い、夏頃から本番に向けて稽古を重ねていきます。地元の人が技と心を受け継いでいく、農村歌舞伎は中山の暮らしそのものに根づいた文化だと感じました。

中山農村歌舞伎舞台
舞台下の仕掛けもご覧いただきました

東かがわ市では「香川のてぶくろ資料館」へ。実はこの町、国内で生産される手袋の約90%を担う日本一の手袋産地なのです。始まりは明治21(1888)年、地元の住職がメリヤス手袋の製造に取り組んだことでした。資料館にはプロ野球選手のバッティンググローブやオリンピック選手のフェンシンググローブ、消防士が火災現場で使う耐熱手袋や自衛隊の装備用手袋なども並んでいます。スポーツの舞台から人命を守る現場まで、130年以上にわたって培われてきたこの町の技術が、日本のさまざまな最前線を静かに支えていることを教えてくれる場所でした。

てぶくろ資料館ではスタッフの方の説明を聞きながらご覧いただきました

淡路島と小豆島、それぞれの島の恵みを食す

淡路島では南あわじ市の老舗「松葉寿司」で、冬の名物「三年とらふぐ」をいただきました。一般的な養殖ふぐが2年で出荷されるのに対し、鳴門海峡に隣接する福良湾でもう1年じっくり育てられた三年とらふぐは、身が厚くしっかりと締まり、噛むほどに上品な甘みが広がります。てっさ、てっちり、白子、唐揚げと、ふぐづくしの贅沢を味わえるのは淡路島ならではでした。

身がしっかりと締まったふぐさし
ふぐのから揚げ

「オリビアン小豆島 夕陽ヶ丘ホテル」のレストラン「ブラ・ドゥ・メール」ではフレンチディナーを。四海漁港のゲタ(舌平目)や小豆島オリーブ牛など、島の食材をふんだんに使用。一皿ごとに生産者の名前と土地の物語が添えられたお料理はもちろん、スタッフの温かく丁寧なおもてなしが印象的でした。

【光り輝く穏やかなせとうみ】天然真鯛のシランドル仕立てに爽やかな橙の薫り 透き通るような おおぬで田園味噌のゼリーを纏わせて
【里山の春の香 清らかなひとしずく】小豆島・四海漁港より ゲタのトゥールビヨン 森國酒造の芳醇な日本酒のソースと菜の花のアクセント
【自然豊かな心のふるさと】丹精込めて育まれた石井正樹さんの小豆島オリーブ牛に夕陽ヶ丘ヴィンヤードの赤ワイン”メイヴ”で仕上げたブフ・ブルギニョン
温かなレストランスタッフの方々

姫路の沖に浮かぶ瀬戸内の島「家島諸島」へ

家島諸島は姫路の沖合に静かに浮かぶ大小44の島々から成り、ガイドブックで大きく取り上げられるような場所ではありませんが、それが魅力ともいえます。貸切船で小豆島から坊勢島へ向かう途中、西島に近づくと山肌がごっそり削られた採石場が見えてきます。ダイナマイトで発破をかけて砕いた石が、コンクリートの材料として全国に出荷されており、貸切船だからこそ近くから見ることができる景色でした。そして最初に降りた坊勢島は、単一漁港あたりの漁船数が日本一ともいわれる漁師町。港を歩いていると、ここが観光のためではなく、日々の暮らしと漁業で回っている島なのだということが自然と伝わってきました。

漁師の守護神でもある海神・竜神・弁財天が祀られています
漁師町であることを実感させられます

家島では、地元のガイドさんが真浦の町を案内してくれました。真浦は家島の玄関口で、港のすぐそばから狭い路地が入り組むように続いています。斜面に家々がぎゅっと建ち並び、昔ながらの商店や魚屋さんが残る通りは、どこか昭和の空気がそのまま残っているような雰囲気でした。

家島の様子
お昼になると路上で魚を捌く屋台が出ます
なつかしさを感じる家島の街並み
島の魚屋

昼食の坊勢鯖の鯖寿司は、脂がしっかりのっていて美味でした。坊勢鯖は播磨灘で獲れた稚魚をイワシの餌で育てたブランド鯖で、島の誇る新たなブランドとなっています。

坊勢鯖のランチ
新鮮なお魚はとても美味でした

「家島」の名は、神武天皇が東征の途中に立ち寄った際、「まるで家にいるように静かだ」と言ったことに由来するそう。たしかに、そんな言葉がしっくりくる穏やかな島でした。

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