【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2025年10月16日

【帰着レポート】香川・兵庫コラボ観光プロジェクト2025 瀬戸内が育んだ伝統文化とものづくり

<2025年10月8日(水)~10月11日(土) 添乗員:東京支店 山田周>

香川・兵庫県の両県は風光明媚な自然景観と山海の幸、歴史遺産の宝庫で、今までにも様々なテーマで旅をご案内してまいりましたが、今回は通常の観光では目にすることの少ない伝統文化とものづくりの現場を見る旅に行ってまいりました。近年、外国人旅行者からも注目を浴びている江戸時代から続く日本酒の生酛(きもと)造り、500年以上の歴史を持つ総合芸術の人形浄瑠璃、香川県讃岐の伝統工芸「のり染め」と「漆芸」など、日本人である私たちでも現地に行かないとわからないリアルな日本の伝統文化とものづくりの現場の様子をレポートします。

瀬戸内の伝統文化とものづくり①「日本一の酒処 灘の酒造り」

六甲山系の水と良質な酒米「山田錦」で作られた灘の酒造りの里を訪れました。1659年に灘五郷のひとつ「御影郷」にて創業の菊正宗酒造は戦争や震災をも乗り越え、江戸時代から続く伝統的な生酛(きもと)づくりをベースにした日本酒の王道の味を今に伝えています。菊政宗記念館では映像ルームで予習をしてから、酒造展示室を工程順に見学しました。酒造用具、蔵人たちの仕事ぶりや生活、生酛づくりについて理解を深めていただきました。見学後には利き酒コーナーでオバマ元大統領が宮中晩さん会で飲んだ菊正宗の試飲もお楽しみいただきました。

日本一の酒処・灘の生酛(きもと)づくり工程を見学
オバマ元大統領が宮中晩餐会で飲んだ菊正宗

瀬戸内の伝統文化とものづくり②「淡路人形浄瑠璃」

淡路島は瀬戸内海で一番大きな島(国内では11番目)で人口12万人。日本書紀、古事記にも出てくる国生み神話の地です。国内最古の神社「伊弉諾(いざなぎ)神宮」を見学後、南あわじ・福良港の前に建つ淡路人形座を訪れました。太夫・三味線・人形遣いが一体となって、物語の奥深さ、登場人物の繊細な心情、そして人形の人間らしい動きを高度に表現する「人形浄瑠璃」は江戸時代に庶民の娯楽として「劇」「音楽」「人形」3つの要素を有する総合芸術として爆発的な人気を生み出しました。淡路島にかつては40以上もあった人形浄瑠璃座も現在ではここ淡路人形座の1座のみ、江戸時代から続く伝統文化を守り続けています。日本有数の人形浄瑠璃の本場で、初めての方にもわかりやすい「人形浄瑠璃解説」と「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)」公演を見てまいりました。ひとつの人形を3人の黒子がまるで生きた人間のように操り、手足の動き、顔の動きで表情豊かに表現し、三味線の音色にあわせて1人の語り手(太夫)がすべての登場人物、情景をまでを演じるさまは圧巻でした。

淡路人形座で本場の人形浄瑠璃公演を鑑賞
淡路人形座では江戸時代から続く伝統文化を守り続けています
江戸時代の人形浄瑠璃 地方巡業公演の様子
ひとつの人形を3人の黒子が自由自在に操ります

瀬戸内の伝統文化とものづくり③「讃岐のり染め」

獅子がまとう豪華絢爛なデザインの油単(ゆたん)は香川県以外ではほとんど見ることのできないものです。県内には約800もの獅子舞連がある香川県では、油単のデザインを互いに競い合い、その豪華さを比べるようになったことが、派手な油単となった理由ともいわれています。獅子舞王国・香川県でそんな油単をつくっているのが、高松市にある「大川原染色本舗」です。もち米に塩や石灰を混ぜて作った糊を防染に使う「讃岐のり染め」という江戸時代から続く香川県固有の伝統工芸が用いられています。創業は文化元年(1804年)、約220年の歴史を受け継いだ7代目の大川原誠人さんによる説明を受けながら現在では数少ない「讃岐のり染め」の匠の技を目の前で見学しました。筒袋に入れた赤い糊を絞り出して染めたくない部分に置いていく「のり置き」の技を大川原さんが披露してくださり、お客様にも体験していただきました。

獅子舞王国・讃岐の油単を見せてもらいました。
讃岐のり染の「のり置き」にもチャレンジしました

瀬戸内の伝統文化とものづくり④「讃岐漆芸」

高松市内の讃岐漆芸美術館は市内中心部から少し離れた住宅街にオープンした日本に3つしかない漆芸専門の美術館です。漆器の産地は全国にありますが、香川漆器の特徴は、他の地域にはない多彩な色漆を塗り重ねた後、彫り下げて埋もれていた漆の色が表れて芸術的な模様が描き出される技法が特徴です。簡単な讃岐漆芸の説明を受けた後、香川県伝統工芸士に認定されている中田漆木の中田可奈子さん直々のご指導の下、お箸の絵付け体験をお楽しみいただきました。絵付けといっても、ここでは日本でも唯一といえる本物の漆を使った絵付け体験でした。家庭的でアットホームな讃岐漆芸美術館での漆芸は初めての方でも気軽に伝統文化・ものづくりに触れることができるおすすめしたい体験のひとつです。

中田先生の指導で本物の漆を使った絵付けにチャレンジします
讃岐の色彩豊かな色漆の漆器

日本の伝統文化とものづくりを知る旅「瀬戸内編」。今後も様々なテーマで瀬戸内の魅力を発信してまいります。ご期待ください。

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