視察レポート

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2025年02月21日

【視察レポート】白鷺城 幻想の舞 姫路視察記

姫路市民の想い、全国に届け!
白鷺城幻想の舞 ツアーの打合せに赴きました。

2025年2月12日~13日  視察者:春名 釈・吉田義和


ワールドスペシャルナイト『白鷺城 幻想の舞』を5月に開催するにあたり、国内旅行担当の春名と吉田が現地のキーパーソンと打ち合わせをして参りました。姫路の皆さんとの打ち合わせの中で、姫路薪能にかける熱い想いを受け取り、改めて気が引き締まりました。姫路薪能奉賛会の一井さんと能楽師の江崎さんの話を伺ってきました。

左:能楽師 ワキ方 福王流 江崎家 重要無形文化財総合指定保持者 十二世 江崎 欽次朗さん
右:姫路薪能奉賛会(お城とリスの会) 幹事 一井 江潤さん(江崎さんのご自宅にて)
 
春名:姫路城を舞台に能を行う、というのは画期的な試みだと思いますが、どのようなきっかけで始まったのでしょうか。
一井:今年で54回目を迎える「姫路薪能」は、姫路のシンボルであるお城に夢をもたせ、何か新しい魅力を創出しようと、姫路市内の商店主や医師、会社役員らが昭和42(1967)年に始めたものです。以来半世紀以上にわたって姫路市民に親しまれてきました。演じ手も江崎さんは先々代から出演いただくなど、歴史を積み上げてきています。
江崎:姫路薪能は、世界遺産姫路城で世界(無形)遺産の能楽を行うという、日本でも類のない催しです。現在では「能」というと敷居の高いイメージかもしれませんが、昔の日本では今でいう劇団四季や吉本新喜劇のような、日常的に楽しむ人々の「娯楽」でした。そのため、能の演目はまるで名映画のように、何度見ても自然と楽しめる工夫が凝らされています。美空ひばりの歌が今も色あせないように、600年も前のはやり歌が今も続いているという奇跡的なものだと感じています。


吉田:今年の薪能の見どころを教えてください。
江崎:今年の演目は「松風」と「舎利」です。松風は在原行平と松風の物語で、兵庫県の須磨が舞台です。能は有名な演目の高砂など、兵庫県が舞台のものも多いんです。今回私は薪能での出演だけでなく、薪能の前に、1時間ほど皆様に能解説の機会をいただきました。能は敷居が高い、理解が難しいという常識を覆し、なるべくわかりやすく、くだけた解説をと思っています。ぜひ楽しみにしてください。この解説を聞くと、能はもちろん、兵庫県や日本の伝統がもっと好きになると思いますよ。
一井:最初は明るく、段々と日が暮れてゆく中で火入れ式が行われ、最後はライトアップと薪の灯りでと、少し長い時間になりますが、刻々と変化する姫路城にもぜひご注目いただきたいです。


春名:姫路薪能の存在は聞いていましたが、どうすれば席が取れるのか等がわからず、これまでツアーにはできませんでした。今回弊社に席をいただけたのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
一井:これまで市民の市民による催しとして奉賛企業や団体向けに「招待」をベースに案内してきたため、関係者で席が埋まってしまい、市外の方にはほとんど席が出ない状況でした。ただ、近年は「席はないのか」「じっくり観たい」という観光客からの当日の声も多くなってきました。そのようなことから、姫路の観光にも寄与できるのではないかと考え始めたところです。その中で、御社を通じて全国の方々に姫路薪能を知っていただく良いきっかけになればと、今回の席をご用意しました。特別入口からすぐの前列の良席ですので、ぜひ姫路市民が培ってきたこの催しを存分にお楽しみいただき、まわりの人々にお伝えいただければ幸いです。

選べる観光やレストランも当日に向け打合せ

左から姫路観光コンベンションビューローの森さん、小笠原さん、弊社春名、吉田

薪能とツアーの結び役をしてくれているのが姫路観光コンベンションビューローの皆さんです。ツアーに組み込んだ選べる観光プランや食事内容など、様々な打ち合わせを行ってきました。「姫路の魅力は姫路城だけではない。でも姫路城を知ることで、姫路の歴史や文化をより深く知ることができるんです。薪能を機会に町の魅力を深く知ってほしい」と打ち合わせも話が弾みました。

薪能の前には趣ある建築でのディナーを

能の解説と薪能見学の間に夕食を挟みますが、姫路城から徒歩圏内でのレストランはなかなか数が限られてしまいます。今回は、いくつか視察した結果、「姫路モノリス」を選びました。姫路モノリスは姫路城の正面に立つ煉瓦造りのジョージアンスタイル建築で、かつては逓信省姫路別館として建てられました。普段は結婚式場として利用されていますが、今回特別な日の夕食として受けていただきました。

逓信省姫路別館を利用した姫路モノリス
メインダイニング(イメージ)

姫路を深く知る 選べる観光プランの詳細をご紹介

今回の旅では、姫路を深く知る選べる観光プランを4つご用意しています。それぞれにどんな魅力、特徴があるのか、実際にガイドさんと共に各地区を歩いてきました。どの地区も魅力的で、選ぶのを悩んでしまいますが、ぜひ訪問の参考にしてください。

① 姫路の歴史と繁栄を再認識する街道の町、野里(のざと)

(歩く距離、約2㎞ 平坦 野里地区まではタクシーを予定)※Bコースではツアー行程中に訪れます。

姫路城の北東に位置する野里地区は、古くからの町家建築が多く残る風情のある町並みです。姫路城からは少し離れるものの、外町としては例外的に世界遺産地区の範囲にも登録されています。「町並みは南北に1.5㎞ほど続く一本の街道筋にまとまっており、左右の町家を見ながらゆっくりと歩くことができます」とのこと。また、井原西鶴の小説や近松門左衛門の人形浄瑠璃の題材で知られる『お夏と清十郎の悲恋物語』の舞台でもあり、2人の霊を慰める比翼塚も見ることができます。姫路の歴史を深く知ってみたい方におすすめです。

内曲輪が現在の姫路城、外町エリアが野里地区
野里地区の町家「尾張屋」にて。右から姫路歴遊会の芳賀さん、野里保存会の瀬澤さん、大脇さん、視察者吉田
お夏と清十郎を慰霊する比翼塚は県外からも訪れる人が多いそう

② 見たことのない姫路城の絶景を眺める 城西(じょうさい)

(歩く距離、約2㎞ 男山山頂までは階段を400段ほど上ります)

他の地域の天守閣はどの方角から見てもあまり印象が変わりませんが、小天守や廓の多い姫路城は360度見る角度によって全く違う印象になります。城西地区は姫路の歴史に詳しい姫路歴遊会の芳賀さんと回ったのですが、芳賀さんお勧めの景観が北西側からの姫路城の景観でした。城の北西には姫路城のある姫山と対となる男山があり、この山頂からは、見上げる姫路城ではなく、見下ろす景観となる珍しい姫路城が見えると教えていただきました。その立地ゆえ難攻不落姫路城の「弱点」と言われ、古くから多くの寺院が山を囲んで登山させないようにしていたそうです。今では階段が整備されていますので、足に自信のある方は、ぜひこれまでにない角度からの姫路城の眺めを楽しんでみてはいかがでしょうか。

男山配水池公園からは城と同じ高さから眺めることができます。大天守と3つの小天守すべてが揃った勇壮な姿を見ることができるのも北西側からの姫路城の特徴です。

③ 驚きの名建築が残るレトロ町 網干(あぼし)

(往復山陽電鉄を利用。山陽網干駅からは平坦な道を徒歩で散策。往復約3㎞)

姫路駅から市民の足として愛される山陽電鉄で30分ほど。山陽網干線の終点にあたる網干の町は、揖保川の水運と播磨灘の海運で栄え、豪商が生まれた地です。戦火や災害にあわなかったため、今でも明治、大正期の建築を見ることができます。今回は、中でも網干歴史ロマンの会の加藤さんお勧めの「旧山本家住宅」を訪問しました。京都での修業を経て呉服商で財を成し、マッチ会社なども経営、地元網干銀行の頭取にもなった山本家の邸宅です。
近年はネット等でその美しさが広まり、全国から写真愛好家が訪れるそう。確かに訪れてみると、驚きの世界が広がっていました。外観から三層の望楼造りの目を引く建築。さらに中に入ると、和風の外観からは想像もつかない洋風の迎賓の間、そしてステンドグラスの出窓が印象的な主人の間など、贅を凝らしたインテリアが。木造の天井にもステンドグラスがはめ込まれていたり、大理石と貝合わせの貝を壁にあしらった、世界にここにしかない和洋折衷の洗面室があったりと、これまで国内で見た建築の中でも特に面白いものでした。山本家が頭取を務めた旧網干銀行の建築や室町時代から続く寺院など、駅から歩いて行ける範囲で面白い町歩きができるのがここ網干。電車に乗ってわざわざ行ってよかった!と思える町でした。

旧山本家住宅にて。右が網干歴史ロマンの会の加藤さん。左が視察者春名
山本家の応接間
ステンドグラスをあしらった主人の間
大理石で造られた洗面の間。壁には貝合わせの貝があしらわれています
山本家が頭取を務めた網干銀行旧本社

④ 巨大な仏教聖地 西の比叡山 圓教寺(えんぎょうじ)

(書写山までは貸切バスを利用。そこからロープウェイ、境内の乗り合いバスを乗り継いで案内します。境内は全体で2㎞ほどの徒歩観光、坂や150段ほどの石段を上ります)
※Aコースではツアー行程中に訪れます。

姫路から車で30分ほどの郊外、標高371mの書写山の山頂にある圓教寺(えんぎょうじ)は、西の比叡山と言われ、武蔵坊弁慶も幼少期に修業をしたと言われる西国有数の大寺院です。ロープウェイで上がった先の広大な境内には、大講堂、食堂、常行堂がコの字に並ぶ三之堂や、清水寺と同じ懸造り建築の摩尼殿など特徴的な建築が並びます。映画『ラスト・サムライ』でトム・クルーズと渡辺謙が共演したロケ地としても知られています。「目に見えるものは何でも撮影してよい」という方針があり、普通は撮影できないお堂の内部なども撮影できるのも嬉しいところです。

懸造りの摩尼殿
映画『ラスト・サムライ』のロケ地となった三之堂(みつのどう)

多彩なお土産やご当地グルメも楽しみ

姫路のお土産、と言われてもなかなかぱっと思いつくものはないかもしれませんが、甘味から食品までさまざま。気軽に食べられるご当地グルメもあります。視察で出会ったお勧めのいくつかをご紹介します。

姫路おでん
日本全国にあるおでんですが、姫路の特徴は生姜醤油で食べること。薄味でじっくり煮込んだおでん種に生姜醤油をかけていただくのが一般的。播磨灘のタコやアナゴ、姫路おでんの定番という牛すじなどがお勧めです。駅の周辺にもお店があるので、自由食や夕食後の軽い語らいにもお出かけください。駅では持ち帰り用の販売もしています。

姫路おでん(イメージ)

御座候(ござそうろう)
焼きたての回転焼(今川焼)で人気の御座候は姫路が本店。駅の構内でも焼きたてを製造、販売しています。集合、解散前後の小腹を満たすのにも最適です。赤(つぶあん)白(白あん)のほか、持ち帰り用の餡なども販売しています。

JR姫路駅の構内にある御座候はいつも賑わっています

揖保乃糸
そうめんブランドとして知られる揖保乃糸は、企業ではなく兵庫県の手延素麺協同組合が作る素麺のブランドです。姫路駅では特級品の「黒帯」や中華麺、パスタなども販売しているのでぜひお試しください。

揖保乃糸はそうめんだけでなく様々な麺の種類が販売されています

ぜひ、これを機会に姫路城だけでない姫路の魅力に触れてみてください。

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