視察レポート
視察レポート
2022年07月15日
豪雨被害から復興進む人吉へ リニューアルした老舗旅館が好印象でした
九州支店 柴尾祐樹
6月末、梅雨明け前だというのにすでに夏のような日差しが降りそそぐ中、熊本・人吉を訪ねました。
令和2年7月豪雨により甚大な被害を受けた人吉。被災後も復興の様子はどうなのか、時々現地観光局に問い合わせをしておりましたが、街を代表する老舗旅館「清流山水花 あゆの里」が昨年リニューアルオープンしたというニュースを聞き、東京本社の顧問・松本とともに現地を訪れてみることにしました。
「清流山水花 あゆの里」は、球磨川河畔に佇む昭和20年創業の人吉を代表する老舗旅館です。人吉の中心を流れる球磨川を挟んで人吉城跡の向かいという絶好の立地。それゆえ、水害により甚大な被害を受け約1年間の休業を余儀なくされましたが、休業中に大幅な改装工事を行い、リニューアルグランドオープンを果たしました。
充実の館内設備と温泉を堪能
旅館に入ってすぐに目に飛び込んできたのが高い天井が印象的なラウンジ「天の川」。窓の外には球磨川の流れを見ることができ、暑い日にひとときの涼を感じることができます。このラウンジに加え、リニューアルによって「球磨焼酎ラウンジ」や人吉を一望する「天空のテラスKUMAGAWA」などの館内設備が一新。伝統とモダンが程よく織り交ぜられたにデザインに上品なセンスを感じることができます。また同時に地元・球磨地方の伝統・風土をお客様に楽しんでもらいたいというおもてなしの心を感じることができます。
客室カテゴリーによって部屋からの眺望は異なりますが、大きな窓から球磨川の流れや人吉市街地を望むことができます。源泉を直接引いた露天風呂を備えた客室も見せていただき、なんとも贅沢なひとときを想像することができます。館内には2か所の大浴場と足湯、さらには飲泉まで備え、温泉好きにはたまりません。これら全ての温泉は、自家源泉「鮎里源泉」の湯を利用しています。泉質は美肌効果のある炭酸水素塩泉で、お風呂上りのお肌はしっとりすべすべになると話題です。
定評ある食事内容も一新
リニューアルによって一新されたのはハード面だけにとどまりません。旅館で振舞われるお食事も令和3年に内容を一新。もともと、豪華列車「ななつ星in九州」に食事を提供した実績もあるなど、定評があったあゆの里のお食事ですが、和洋二人の料理長を筆頭に、人吉とその周辺を含む球磨地方の食を学び直したそう。宿泊した日も朝晩の寒暖差が大きい球磨地方の味の濃い野菜や、日本一の水質を誇る川辺川(球磨川の支流)の天然鮎など地元食材をふんだんにつかったお料理を堪能することができました。
城下町の名残感じる日本遺産・人吉
鎌倉時代から明治維新まで約700年にわたって球磨地方を収めてきた相良氏の城下町が人吉です。ひとつの家系がこれほど長きにわたり同じ領地を治め続けたのは全国でも稀で、長い治世がもたらした文化・風習は今でも暮らしの中に受け継がれ、日本遺産に認定されています。素朴ながらも文化性の高い街並みはちょっと散策するにはもってこいです。昼食には旅館からもほど近い「丸一そば」へ。明治31年創業の老舗で、有名グルメガイドブックにも掲載された人気店です。ざるそばをいただきましたが、香り豊かな麺と九州らしい甘みのあるつゆの相性が抜群。地元で長く愛される理由がよくわかります。
観光は郊外へ足をのばして
ホテル周辺には、国宝にして日本遺産にも選定される青井阿蘇神社や、相良藩家老の武家蔵などがありますが、今回はちょっと郊外へ足を伸ばし2つの見所を訪ねました。
1つ目が「山の中の海軍の町にしき ひみつ基地ミュージアム」です。太平洋戦争末期につくられた人吉海軍航空基地の広大な飛行場や教育施設、無数の地下施設がミュージアムとして保存されています。終戦から現在にいたるまで、その風景が大きく変わっていないのが特徴だそうで、予科練生が従事した松根油乾溜工場や飛行場跡、多数の地下施設など、当時の海軍兵が見ていたままの風景を体感することができます。
2つ目は九州本土最大級の鍾乳洞「球泉洞」です。全長約5,000mの空間に世界的にも貴重な鍾乳石が豊富に点在し、神秘的な光景を作り出しています。約3億年前までは海中にあった石灰岩層が隆起し、少しずつ侵食を受けながら今の形にまで形成されていったと考えられ、その侵食は今もなお続いているというから驚きです。
「清流山水花 あゆの里」に宿泊し、人吉・球磨地方を尋ねる旅を計画中です。ぜひご期待ください。
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