【海外】注目の旅

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2024年10月11日

【チュニジアを知る】リレー連載 第3回 チュニジア南部を深掘り ベルベル人の暮らし

ご好評をいただいているリレー連載「チュニジアの魅力を深掘りする」。チュニジアの旅というと首都チュニスやスース、カイルアンにスファックスなど、北部を中心にめぐるコースが中心で、南部の魅力はまだまだ広く知られていません。最終回となる今回は、第1回中屋・第2回笹島に続き、北アフリカ担当の東京支店・若生春香より、チュニジア南部に暮らすベルベル人についてご紹介します。

チュニジア南部に広がるサハラ砂漠。土漠(より細かな土の砂漠)で、ベルベル人とアラブ人(ベドヴィン)が遊牧民として、「砂漠の船」と呼ばれるヒトコブラクダとともに生活しています。

北アフリカの先住民ベルベル人とは?

「ベルベル」とは簡単に「北アフリカの先住民」と紹介されますが、実際のところは人種名でも、民族名でもありません。7世紀に東方から侵入してきたアラブ人が、マグレブの先住民を指すのに用いた言葉に由来すると言われます。さらに遡るとローマ人が、意味の分からぬ言葉を喋る異国人を野蛮人扱いして呼んだ名称でした。他に適当な総称がないため、現在では軽蔑の意味なしにそのまま使われています。ベルベルの歴史は複雑で資料も少ないですが、紀元前10世紀頃にフェニキア人が北アフリカ一帯に商業都市を築いてからは、他民族に支配されてきた歴史を持ちます。

ベルベル人の暮らす穴居(けっきょ)型住居

フェニキア人、ローマ人などの下にあったベルベル人ですが、その後7世紀に入るとアラブ人が侵入し、長らくその支配を受けました。なかには山岳地帯に逃げ込んだベルベル人も多く、今でもチュニジア南部のクサールやマトマタでは、アラブから身を隠すために部族ごとに山の頂に横穴を掘って住み着いた、穴居(けっきょ)型住居が多く残っています。ツアーでは、実際に現在も生活をしているベルベル人のクサール(伝統集落)を訪ねます。

ベルベル人住居に暮らす女性たち(添乗員撮影)
住居の1室、キッチンの様子を見学
住居の入り口には「ファティーマの手」と呼ばれる魔除けのマークがあります

ベルベル人がこのような形の住居で生活をしてきたのは、外の民族から身を隠す以外にもいくつか理由が込められています。かつて男性は放牧などで家を空けることが多かったため、家に残る女性を守るため治安上の理由から目立ちにくい穴を掘り、その中に住居を作りました。また洞窟の中は、冬は暖かく夏は涼しいといった利点もあるのです。

「砂漠の王宮」の意味を持つ「クサール」

チュニジア南部を旅すると、よく地名に「クサール」という言葉を耳にします。「クサール」という言葉はチュニジア語で「砂漠の王宮」のような意味を持ちます。ベルベル人住居が点在する集落では、そのエキゾチックな雰囲気から、かの有名なSF映画『スター・ウォーズ』のロケ地としても使用されました。ここからは写真を中心に、ベルベル人の暮らしをご紹介します。

マトマタにいくつか残るSF映画のロケ地。今はレストラン兼ホテルとして観光地化されています
クサール・ウレド・スルターンにある保存状態の良いベルベル人住居。4階層と高く積みあがっているのが特徴です
ベルベル人の山岳住居地シェニニ。山肌にへばりつくように、倉庫群や住居が形成され、今でも約800人のベルベル人が生活しています
チュニジアでは温かいアーモンドティーがよく飲まれます
1階が住居、2階が倉庫として利用されているクサール・ハダダ

ご好評をいただいております「8つの世界遺産を訪ねる チュニジア大周遊の旅」は、8つの世界遺産を巡るだけではなくチュニジア南部を2日間かけて深掘りし、点在するベルベル人住居を訪れます。現地の方は観光客が大きな収入源でもあり、いつも温かく迎え入れてくれます。おかげさまで11月25日発、1月27日発、2月17日発は10名様前後お集まりいただいており、催行予定です。ぜひ、この機会に訪ねてみてはいかがでしょうか。

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