佳景・名景・絶景

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2021年10月30日

瑠璃光院 (京都 八瀬)

『旅のひろば』編集部 上釜一郎

 

瑠璃光院の書院の2階。ピカピカの写経の机に広がるもう一つの秋
この空間はもはや別世界

 東京もだんだん寒くなってきました。10月も残すは2日、来週からは11月です。各地から紅葉の便りが届いています。北海道定山渓あたりは色あせはめたようですが東北に入り、奥入瀬渓流や裏磐梯、日光などは今まさに見頃で、きっとこの週末、日光いろは坂あたりは大渋滞かもしれませんね。このあと紅葉前線は高地から低地へ、そして南下していきます。日本気象協会によると東海地方は大体平年並みで、白川郷は今が見頃だそうです。そして、近畿地方・京都の紅葉と言えば真っ先に名前があがる「嵐山」では例年より少し遅く、12月の上旬が見頃と予想されています。そんな中で今回ご紹介するのは嵐山とは反対側左京区、八瀬の「瑠璃光院」(住所では八瀬でなく上高野)です。

 「瑠璃光院」は紅葉の名所として知られ、元は明治時代の公卿・三条実美の庵ででした。大正時代の末から大改修を行い、京都を代表する数奇屋大工棟梁・中村外二が手掛けた近代和風建築と、仁和寺などの庭師・佐野藤右衛門(植藤)が作庭、洛北の豊かな自然を借景とした庭園が整えられています。

 瑠璃光院は写真撮影が簡単ではないので「お気軽にどうぞ」といえないため、紹介をためらっていたのですが、この美しさは別格中の別格、これぞ紅葉、日本の美、、、、。筆舌に尽くしがたいのです。瑠璃光院はそもそも通常は非公開で、春と秋のみ特別に期間限定で一般公開されます。例年ですと春の「葉もみじ」の時期も秋の紅葉もピーク時には4時間待ちも当たり前という状況で、かなりの気合いを入れて行かなくてはなりません。しかし今年は「一瞬の空白」状態。コロナの影響で事前予約制となりました。拝観期間は10月1日から始まっていて12月12日(日)まで。本日30日(土)から12月5日(日)まではインターネットでの事前予約制となっています。紅葉のドピーク時はあっという間に予約で埋まっていますが(キャンセルもたまに出ます)、今から速攻でチャレンジしてみてください。ちなみに昨日の時点では、今年の紅葉時期が若干遅いことを考えるとまだまだ可能性はあります。数年がかりで撮影している人も多く、ここは別格の「美」で、完全に芸術の域です。

瑠璃光院の入り口
春の特別参観は葉もみじの世界。生命力を感じます

瑠璃光院の公式ホームページはこちらから(秋の特別参観のご案内をお読みください)→

予約サイトへの直接アクセスはこちらから

【上釜一郎】プロフィール
1964年奈良県生まれ。旅行誌(マガジンハウス/ガリバーほか)からファッション誌(集英社/ COSMOPOLITAN JAPANほか)、広告写真等のカメラマンとして活躍。また、『南オーストラリアのユートピア アデレード』(弊社菊間著・新潮社)『マカオ歴史散歩』『新モンゴル紀行」(ともに弊社菊間著・新潮社とんぼの本)の写真等も撮影。現『旅のひろば』編集部で、各地の視察も行っている。過去には紛争地や、対人地雷問題の取材などの取材経験も多数。1997年にノーベル平和賞を受賞した地雷廃絶国際キャンペーン(International Campaign To Ban Landmines=(ICBL))の日本キャンペーン(JCBL)元運営委員。
現在ワールド航空サービスの知求アカデミー講座で、写真講座の講師も務める。

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