安野光雅さんの訃報をニュースで知り、驚きました。安野さんの描く世界はそこの地方の雰囲気、そこに住む人たちの人間性すべてを包み込んだ心安まる風景画でとても人気があり、私も大好きでほとんどの旅の絵本を持っています。

20年位前に新潮社から出版した『東欧の郷愁』という私が監修した本には、「東欧小景」というコーナーで絵と文を出していただいたり、私の母が安野さんの絵が大好きだったこともあり、モルダウ川からのプラハを描いた水彩画を譲っていただきました。母の部屋にはずっとそれが飾られていました。

安野さんがヨーロッパを長期取材中には、ご家族の方が何度も弊社のツアーに参加され、現地でご主人とおちあうなどとご縁もいろいろあっただけに、淋しいかぎりです。絵本を引っぱり出してきて、じっくり見ていますが、安野さんの優しいお人柄が偲ばれます。ご冥福を心からお祈りします。

※安野さんの素敵なヨーロッパ各地のリトグラフ6点を本社・日比谷サロンに飾りました。ご来社の際には是非ご覧ください。