日々是旅立
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2021年01月27日
静嘉堂文庫と国分寺崖線の別邸建築
菊間潤吾
二子玉川からバスで静嘉堂文庫前で降りると、通りの反対に古い木戸が目に入ります。ここは世田谷区の有形文化財になっている旧小坂家住宅で、今は自由には入れる公園になっています。多摩川に沿った国分寺崖線と呼ばれる富士を望む高台の景勝地には、近代の名士たちの別邸建築が多く存在していましたが、現存する唯一のものです。
庭を上がっていくと主屋があり、自由に内を見学できます。縁側に座って広大な庭を眺めたり、当時の家屋を楽しめます。ここは元貴族院議員や信濃毎日新聞の社主などを歴任した小坂順造氏の別邸です。
さて、静嘉堂文庫は岩崎弥之助、小弥太の父子二代によって設立され、国宝7点、重要文化財84点、20万冊の古典書などを収蔵しています。広大な敷地は国分寺崖線を代表する場所で眺めも良く、雑木林がそのまま残されています。
ここにある静嘉堂文庫美術館は、国宝の世界に三碗しか残っていない名品「曜変天目」で知られていますが、来年には丸の内への移転が決まっています。東京とはとても思えない緑の濃い静かな一帯。今のうちに訪ねておきたい景観遺産です。静嘉堂の美術館裏手の庭を下りていくと、藁葺の家が残る岡本民家園へと続きます。世田谷に残る絶好の散策コースです。
静嘉堂美術館では2月7日(日)まで「江戸のエナジー 風俗画と浮世絵」展を開催しています。
静嘉堂文庫美術館
東京都世田谷区岡本2-23-1 TEL:050-5541-8600
開館時間:午前10時~午後4時(2月7日まで) 休館日:月曜日 ※展覧会期間以外は休館です。常設展はございません。
入館料:一般1,000円
※最新の情報は静嘉堂文庫美術館ホームページ(http://www.seikado.or.jp/)をご覧ください。
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