日々是旅立

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2021年02月10日

江戸の外国公館へ

菊間潤吾

コロナ禍の現在、世界中が鎖国状態ですが、幕末の開国期の面影を追って高輪あたりを探訪しました。

1854年に日米和親条約が締結され開国が実現し、列強が日本との修好を求め使節団がやってきました。
1860年に現在の東麻布、赤羽橋(飯倉公園)あたりに赤羽接遇所が完成し、使節団の宿泊所、役人の詰所、警備の番所が建ち並びました。当時は田町に外国人上陸場(現在の高輪ゲートウェイ駅のあたり)があり、この周辺に外国公使館が用意されたのです。現在の高輪・三田・麻布にある寺が宿寺、公使館となりました。

宿寺としてふさわしい建物であり境内が広く警備のものを配置するに差し支えがないことを条件に複数の寺が選ばれ、使節団が選んで公使館を構えたそうです。
アメリカ公使館は麻布善福寺、イギリスは東禅寺、オランダ西応寺・長応寺、フランスは済海寺、プロイセンは広岳院が公館となりました。高輪あたりに特に集中していました。

長応寺のようにマンションになってしまった寺もありますが、東禅寺は当時の面影をよく残しており境内の緑も多く都心とは思えない静寂さです。東禅寺事件やイギリスの初代総領事のオールコックの著書「大君の都」に記された頃の様子を感じ取れます。また、プロイセンの広岳院の建物は幕末当時の姿が現存している唯一の寺です。現在は建物を残して周囲は一般住居に囲まれてしまっていますが、貴重な存在です。

山手線の新駅高輪ゲートウェイ駅も初めて降りましたが隈研吾さんのデザイン、全てを近未来に向けた施設で面白かったです。コロナ禍がおさまり、早く開国されんことを願いながらの探訪でした。
イギリスの公使館、東禅寺
東禅寺
東禅寺 三重の塔
外国使節団と警備
そして見物する江戸の人々
プロイセンの条約締結風景
プロイセン・広岳院 幕末当時の姿が残ります
外国公使館の人と警備の人々 古い写真は早稲田大学図書館蔵・他
高輪ゲートウェイ駅

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