町並み百選
町並み百選
2021年07月15日
奈良にいくなら ならまちへ
プランニング事業本部 吉田義和
弊社月刊誌「旅のひろば」誌上でもご案内し、反響をいただいておりますが、今年9月、奈良市の中心にワールド航空サービスの運営するホテル「MIROKU」がオープンいたします。開業まであと2か月に迫り、これを機に奈良の魅力を自分でも再発見してみようと、久しぶりに奈良を訪れました。ホテルができるのは、奈良公園のすぐ脇。荒池のほとりです。その周囲には昔ながらの町並み「ならまち」が広がります。今回はそんな「ならまち」の魅力をご紹介します。
時代によって進化を遂げる「ならまち」
ならまちは、奈良観光の中心となる近鉄奈良駅の南側に広がる、いわゆる奈良市の中心部に位置しています。駆け足で奈良を訪れた方は、「駅前でお土産は買ったけど、どんな街かは覚えていない。」という印象があるかもしれません。ならまちは小さい区画にいくつもの特徴があり、駅前の「観光客用の商店街」、その隣の「地元の人の商店街」そして南側の「江戸末期からの古い商店街」という具合。歩くたびに町の表情が変わり、歩いていて飽きることがありません。
現在のならまちは、もともと世界遺産「元興寺」の境内が広がる場所でした。元興寺は、今でこそ素朴な佇まいの寺院ですが、西暦718年に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が平城京に移されたのが由来と言われています。平城京の街づくり以来、現在も残る格子状の町割りが形作られ、社寺の町並みは江戸期に商業の町並みへと変化を遂げていきました。現在でも元興寺の路地にはいくつもの小さな社が残り、古代から近代、そして現代へと時代の移り変わりを感じさせてくれます。
「ならまち」の町のつくり
現在残る「ならまち」の風情は、江戸末期から明治期にかけて造られた商店と家屋が融合した町家が作り出しています。狭い間口に奥行きのあるつくり。京都など多くの町家に見られる傾向ですが、かつては税金が間口に対してかけられたため、このような造りになったと言われています。狭い間口を最大限に活用するため、隣の町家とは隙間なく肩を並べるように建てられています。下の写真にある町家の構造を見ていただくと分かるかと思いますが、狭い間口ながら奥は非常に広く、奥には中庭や蔵まである家屋が多かったそうです。現在でもならまち格子の家などいくつかの町家が解放されており、その様子をご覧いただく事ができます。家屋の中心には「トオリニワ」と呼ばれる奥まで続く通路が通り、外の風を家の中にまで通す工夫がされています。コンパクトながら手入れされた坪庭も見事です。
美食もたくさん ならまちお勧めグルメ
近年、ならまちには他県から「食」を目的に訪れる名店が増えてきています。金沢の名店「つる幸」で研鑽を積んだご主人が営む「つる由」は春の奈良のツアーでも大変ご好評いただきました。今回私もお勧めの2つの店を訪れてきました。まずは「O・MO・YA」です。ならまちの中心にセンスのある雑貨や工芸の個人商店が並ぶ「ならまち工房」の中心にあるフレンチの人気店。町家を改装した落ちついた店内で、ゆっくりとフレンチのコースをいただくことができます。大和野菜や旬の食材を使い、美しい盛り付けも食欲を誘いました。
もうひとつは「かこむら」です。ならまちの北側、近鉄奈良駅にほど近いビルの2階の飲食街に位置するお店。場所は入りづらいものの、入ると上質な空間が。ミシュラン1つ星にも選ばれたこのお店は、菊水楼で修業された「水主村(かこむら)」さんが営む和食処です。季節を感じる会席は見た目も味も見事のひとこと。季節を変えて何度も訪れたくなる名店です。
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