【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2024年12月04日

【帰国レポート】トルコ深南部とメソポタミア地方の旅 9日間

<2024年11月14日~11月22日 9日間 添乗員:東京支店 中屋 雅之>

弊社初のツアー「トルコ深南部とメソポタミア地方の旅」から戻りました。ツアーのテーマはユーフラテス川、ティグリス川と古代メソポタミア文明です。メソポタミア地方と言えば現在のイラクを思い浮かべられる方が多いかもしれませんが、イラクは「南メソポタミア」であり、トルコ東部が「北メソポタミア」です。トルコ東部には両大河の源流があり、この地域が、旧約聖書創世記に描かれた「エデンの園」だとも言われています。今回はこの地域に点在する様々な遺跡、町や村を見学しました。今話題のギョベクリ・テペ、カラハン・テペなどの遺跡もメソポタミア文明の一部と言えます。

ユーフラテス河畔の古代遺跡:ゼウグマ

このツアーはトルコ南東部のガズィアンテップから始まります。ガズィアンテップと言えば、「ゼウグマ・モザイク博物館」が世界的に有名です。ゼウグマ遺跡から出土した数々のモザイクが収められ、チュニジアのバルドー美術館と並んで世界最大のモザイク博物館とも言われています。この博物館のシンボルともいえるのが「ジプシー・ガール」と言われる少女のモザイク画です。それ以外にも「アキレウス」や「エウロペの誘拐」などギリシャ神話に纏わる物語が、13色にも及ぶ自然の石の色を組み合わせて描かれています。

博物館の入り口を入ってすぐに正面に現れる「ポセイドンとテティス」
この博物館のシンボルでもある「ジプシー・ガール」

これらのモザイクが発掘されたのはユーフラテス河畔の「ゼウグマ遺跡」ですが、博物館を訪問しても、遺跡まで訪れるツアーはほとんどありません。今回のテーマの一環として、この遺跡も訪問しました。ゼウグマ遺跡はヘレニズム時代からローマ時代の都市遺跡で、ダムの建設によって水没しようとしたモザイクを中心とする遺跡を発掘して、ガズィアンテップのゼウグマ博物館に移築されました。かつての町の大部分は水没し、丘の上に造られた建物のみが残っています。現在残っている遺跡は保護のため、ガラスの建物で覆われています。この遺跡から雄大なユーフラテス川が眺められました。

ガラスで覆われた「ゼウグマ遺跡」
ゼウグマ遺跡のそばを流れるユーフラテス川のダム湖

マルディンの旧市街の中心のホテルに3連泊

マルディンの町に3連泊し、周辺の教会や修道院、そしてティグリス川までご案内しました。この町とその周辺にはシュリアーニと呼ばれるキリスト教徒が多く住み、彼らは現在でもスリヤーニ語という特殊な言語を話しています。この言葉は古代の「アラム語」と同じものであり、紀元前後、中近東の多くの地域で話される国際言語で、イエス・キリストが話していたものこの言葉なのです。
マルディンの旧市街は山にへばりつくように造られ、遠くから眺めるとまるで要塞のようです。

山の裾野に沿って旧市街が広がるマルディン

マルディンの町から日帰りでティグリス川を訪れました。ティグリス河畔のハサンケイフはやはりダムの建設によって古代の町が水没してしまい、その一部は丘の上に移築されています。このダム湖を遊覧船で遊覧しました。現在に残る遺跡は11~12世紀のアルトゥク朝時代やアクコユルン朝時代のもので、多くは水没、一部は移築が完了。ここに住んでいた住民にも丘の上の新市街の建物が政府から無償で提供されたとのことです。

この桟橋から遊覧船に乗ります
雄大なティグリスのダム湖
遊覧船からかつての城塞を眺めます
バスからもティグリス川を眺められました

マルディン近郊の歴史ある修道院や教会

マルディンの郊外には数多くの修道院が残されていますが、中でも「聖ガブリエル修道院」は、聖(モル)シュメルと聖(モル)シェムンの2人によって、397年に創建されたシリア正教の修道院で、世界最古の修道院の一つと言われています。修道院のパンフレットはトルコ語、英語、フランス語と並んでスリヤーニ語で書かれたものもありました。現在でもスリヤーニ語はそれだけ多くの人々によって話されているということでしょう。残念ながら日本語版はありませんでした。

3本の鐘楼が特徴的な聖ガブリエル修道院
主祭壇に置かれた聖書。スリヤーニ語で書かれています
修道院の入り口にはスリヤーニ語とトルコ語で聖ガブリエル修道院、397年と書かれています
教会の主祭壇の黄金のモザイクは美しい
スリヤーニ語で書かれた聖ガブリエル修道院のパンフレット
ザファラン修道院

マルディン郊外の「ザファラン修道院」は、創建は4世紀末。1293年から1932年まではシリア正教会の総本山であるアンティオキア総主教座が置かれた由緒のある修道院です。ほかにもカースィミーエ神学校など重要な教会・修道院が目白押しです。

マルディンの市内散策

マルディンの旧市街はメインストリート「ビリンジ通り」が東西に貫き、その中央部には町の中心ともいえるジュムフリエット(共和国)広場があります。この通り沿いは賑やかな繁華街で、町の名物である石鹸やアーモンド菓子など様々なお土産物が並んでいます。

チョコレートで包んだアーモンド菓子
マルディン名物、様々な色の石鹸が並べられた店
ジュムフーリエット広場の写真ポイント
この町最大のウル・ジャミイ(大モスク)

私たちの宿泊したホテルはメインストリートから1本離れた静かな環境の中にあり、しかもここから歩いて「ジュムフーリエット広場」をはじめ、旧市街のほとんどの場所には徒歩で行くことができます。メインストリートはブティック・ホテルやレストラン、様々なお土産物屋などが軒を並べ、しばらく散策しても退屈しません。また、1本裏通りに入るとそこはまるで中世都市であり、すべて石造りの重厚な建物ばかりです。周辺には「40人の殉教者教会」や「ウル・ジャミイ」などの歴史的建造物もたくさんあります。今回はこの町に3泊滞在しましたが、3泊では足りないくらいでした。

旧市街を歩くと様々な通りが……傘をつるした通り
40人の殉教者教会
ホテルはメインストリートから1本奥なので静かな環境にあります
ホテルのレストランから眺めた日の出

今回のツアーでは、ティグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域、つまり「メソポタミア」地方を訪ねました。両河川をはじめ、この地域に点在する町や村、そしてさまざまな遺跡や教会・修道院の数々は素晴らしいものです。一度足を運んでみてください。

上記の4つの川の源流地域にエデンの園はあったと考えられます

メソポタミア地方の地図

これはシャンルウルファ考古学博物館の壁に描かれた地図ですが、エデンの園はトルコ東部であることが見て取れます。旧約聖書の創世記の記述には「エデンの園」は「4つの川ピソン、ギホン、ヒデケル(ティグリスと考えられる)、ユフラテ(ユーフラテス)の源にあった」と書かれているので、まさしくこの場所だといえるでしょう。

※写真はすべて今回のツアーで添乗員中屋が撮影したものです。

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