【海外】帰国しました。添乗員レポート
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2024年08月26日
【帰国レポート】コソボ・北マケドニア・アルバニア3か国の旅
<8月5日発 添乗員: 東京支店営業部 中屋 雅之>
<8月5日発 添乗員: 東京支店営業部 中屋 雅之>
旧ユーゴスラビアは現在7つの国に分かれ、それぞれ独自の道を歩み始めました。その中でコソボと北マケドニアを訪問。更に「東欧の孤児」と呼ばれたアルバニアを加え、3か国を訪ねる旅です。なかなか訪問しづらい国々ですが、いずれも特徴があって興味深い旅でした。
キリスト教文化とイスラム教文化が交錯する国:コソボ
かつて6つの共和国から成るユーゴスラビアが、東欧の民主化以降分裂、セルビアとモンテネグから成る新ユーゴスラビアを経て、セルビア共和国とモンテネグロ共和国に分離独立。更に2008年2月、セルビアから独立したのが「コソボ共和国」です。21世紀になって世界で新たに生まれた6つの国の一つがコソボ共和国なのです。コソボと聞くと紛争を思い浮かべるかもしれませんが、現在では完全に平和を取り戻し、自由に旅行をすることができます。コソボはかつて「セルビアの聖地」と呼ばれ、セルビア正教の中心地でした。それ故、この地には沢山の歴史ある教会や修道院が残っています。その中で、プリシティナ郊外の世界遺産グラチャニツァ修道院やアルバニアとの国境に近いデチャニ修道院などを見学しました。いずれも教会内部には美しいフレスコ画やイコンが残り、内部の正面にはイコンの並ぶイコノスタシスがありました。このイコノスタシスこそが正教の最大の特徴であり、ほかにもミサは立ったままで行うため椅子がなく、また、パイプオルガンなどの楽器類が全くないのも特徴です。
また、この国で最もお勧めしたいのがプリズレンの町です。この町はオスマン・トルコ時代の建物が数多く残り、天才建築家ミマール・シナンの建設したモスクや世界遺産の教会などが同居。イスラム教とキリスト教が混然一体となっている不思議な街です。
バルカン半島の聖地:北マケドニア・オフリッド
北マケドニアとアルバニアの国境に位置するオフリッド湖。大変風光明媚な地地域でもありますが、この地域はバルカン半島におけるキリスト教発祥の地とも言われています。中世の9世紀、ビザンチン帝国から宣教師としてキリロスとメトディオスがバルカン半島に派遣されました。しかし、この地のスラブ人たちは文字すら持たず、2人は文字を作ることから始めました。その文字こそ現在ロシア語やブルガリア語、マケドニア語などを表記する「キリル文字」などです。この名前は宣教師キリロスの名前に由来しています。そしてそのキリロスとメトディオスの弟子が聖クリメントと聖ナウムなのです。それぞれ聖クリメント教会、聖ナウム教会をオフリッド湖畔に建設、それぞれの墓もそこに置かれています。
オフリッドの町は中世以来の美しいフレスコ画やイコンを持つ教会をはじめ、古代人の住居跡、オスマン・トルコ風の家並みの旧市街、町と湖を見下ろすサミュエル要塞、パンフレットの表紙にもなっている、湖に映える聖ヨハネ・カネヨ教会など見どころは尽きません。
様変わりした「東欧の孤児」アルバニア
1978年から1990年まで鎖国を続けていたという珍しい国があります。1990年以降は開放政策に転じ、ここ数年の間に大きく様変わりしたのがアルバニアです。私は鎖国時代にもこの国を訪れましたが、当時は、当然のことながら外国人観光客はほとんどおらず、十分な設備のホテルもなく、満足のゆくレストランもありませんでした。そして国民皆兵制を標榜し、すべての家庭にはそれぞれトーチカが(防空壕)がありました。しかし、今回久々に訪れてみて、その激変ぶりに驚嘆の声を上げざるを得ませんでした。
今では各地に4つ星、5つ星のホテルが完成。さらにレストランも西ヨーロッパの高級レストランに引けを取らないような高級感のあるレストランが数多くできました。また、かつての素朴な露天市場は今や巨大なショッピングモールに変貌し、かつてのトーチカはほとんど見かけることはありませんでした。町は近代化し、旅行しやすくなったといえます。
首都ティラナの南に位置する「千の窓を持つ町」ベラットやティラナから北に1時間半。クルヤの町に位置するクルヤ城とクルヤ・バザールはこの国最大の見どころと言えるでしょう。また、アルバニアはコソボと並んでヨーロッパにおける数少ないイスラム教の国ではありますが、ほとんどのレストランでお酒は飲めるし、豚肉も食べられるのはうれしい限りです。
3か国それぞれに特徴があり、極めて興味深い旅でした。
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