【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2023年10月05日

【帰国レポート】アルバニア・北マケドニア・コソボ 3ヶ国の旅

<9月17日発 東京支店 相澤 満弘>

<9月17日発 東京支店 相澤 満弘>

バルカン半島のアルバニア、北マケドニア、コソボ。このたび、3ヶ国を周遊する旅の添乗に行ってきました。

ヨーロッパの中でも「あまり知られていない」国々ですが、国ごとに異なる文化、歴史があり、それらが複雑に交錯して、様々な民族や宗教を信仰する人々が暮らす、魅惑の地。

歴史好きの方にもお勧めですが、「バルカン」がトルコ語で「山」を意味するように、実際に旅をしてみると自然景観も強く印象に残りました。なかなか語りつくせない、11日間の充実の旅。旅の様子を、ごく一部ですがレポートします。

北マケドニアの首都スコピエ。中心のマケドニア広場には、巨大なアレクサンダー大王の騎馬像が

アルバニア -英雄スカンデルベグの故郷

このたびは、アルバニアからスタート。初めに、首都ティラナから北30キロの地にあるクルヤを訪ねました。中世期、アルバニア人の英雄スカンデルベグがオスマン・トルコ帝国による支配からアルバニアを独立に導いた抗争の地です。

風情ある石畳のバザールを抜けると、見えてきた堅固な要塞。そこに存在感のある建物が見えますが、これは近代に建てられた、英雄スカンデルベグの博物館です。高々と掲げられるアルバニアの国旗「双頭の鷲」のデザインはスカンデルベグ一族の紋章に由来するもので、旅の間、アルバニア人の多く暮らす場所では幾度となく、このアルバニアの旗を目にすることとなりました。いかにこの紋章を大事に思っているかが、伝わってきます。

右上が博物館。バザールの軒先にも、博物館の屋上にも(小さいですが)アルバニア国旗が見えます
オスマン帝国軍に対抗するスカンデルベグ軍の彫刻(博物館内)

アルバニアでは、世界遺産の町ベラットにも滞在。「千の窓を持つ町」と呼ばれ、山肌に築かれた旧市街の家々の景観で知られます。その旧市街よりさらに上にそびえるベラット城。城内では、ランチや東方教会(生神女就寝教会)を改装したイコンの博物館の見学の他、民家も訪ねました。

「千の窓を持つ町」ベラット

伝統家屋での暮らしぶりに触れて、ラキア(蒸留酒)やお菓子、トルココーヒーでのおもてなしも受けました。旧市街に近いホテルに1泊しましたので、先の旧市街の町並みは夜のライトアップもご覧いただけました。

ベラット城塞の中にある伝統家屋を訪問。一生懸命おもてなししてくれました
夕食後、ご希望の方とともに、「千の窓を持つ町」の夜景を散策しました

北マケドニア -オフリッドとマトカ峡谷、美しい自然景観

アルバニアを後にして訪ねたのは、北マケドニア。アルバニアから山道をゆくと、その先に両国国境にまたがるオフリッド湖が見えてきました。

北マケドニアには、湖と同名の世界遺産の町オフリッドがあります。2名の聖人がキリスト教文化をこの地にもたらして以来、北マケドニアではマケドニア正教が主に信仰されています。オスマン帝国の影響を受けたものの、城壁に囲まれた旧市街の中にはかつて大小さまざまな300もの教会があったとされ、ガイドさん曰く「同じ名前の教会がいくつもある」ほど教会が多く、「掘ったら何か出てくる」ほど歴史が深いとのこと。坂道を上がるのみ苦労はしましたが、その分、町や湖を見渡す絶景に出会えました!

アルバニア側から眺めるオフリッド湖
オフリッドの町、湖岸にそびえる聖ヨハネ・カネオ教会

北マケドニアの最後は首都スコピエは、近隣の訪問地が特に印象的でした。

ひとつ目は、スコピエより西にあるマトカ峡谷。町の人々が余暇を過ごす場所として有名で、私たちもこの峡谷でランチとボート遊覧を楽しみました。緑いっぱいの峡谷をのんびりボートで進み、たっぷりマイナスイオンを浴びました。

峡谷のレストランでランチ(駐車場からは平坦ながらそれなりに歩いて、やっと到着)
その後、峡谷のボートクルーズ。30分ほどでしたが、マイナスイオンたっぷりの癒しのひととき

もうひとつは北マケドニアの中央にあるストビにて訪ねたワイナリー。最近はブドウ栽培が盛んとのこと。遺跡見学後に近くのワイナリーを訪ね、ワイナリー併設のレストランでランチ。赤、白のワインをペアリングしながら、ゆっくりと時間を過ごしていただきました。

土地柄、教会、城塞などの歴史建築を訪ねることが多い旅ですが、峡谷の自然やワイナリーでのゆっくりとしたひとときが、旅に別のエッセンスを添えてくれました。

ブドウの葉にライスとお肉を包んだサルマ。洗練されたメニュー、サービスに皆様感動!
コース料理で、メニューごとに合うワインのテイスティングを楽しみながら

コソボ -ヨーロッパ一若い国で訪ねる歴史建築

旅の最後に訪ねたのはコソボ。2008年、北に国境線を敷くセルビアから独立した若い国家です。世界遺産「コソボの中世建造物群」の歴史建築のうち、グラチャニツァ、デチャニ、そしてリュヴィシャの3つの教会を訪ねました。

首都プリシュティナの近くにあるグラチャニツァ村は、アルバニア人の多いコソボにおいて珍しい、セルビア人が多く暮らす場所です。物々しいことはなく平和な雰囲気で、しかも同名の修道院は5年前に内部の清掃作業を終えたばかり(内部の写真撮影ができず、お見せ出来ないことが残念です)。

コソボの西、アルバニア国境近くにあるデチャニ修道院。こちらはKFOR(コソボ安全保障部隊)の管理下にあり、厳重な警備体制。軍人の方は明るい表情であるものの、解決されないコソボとセルビアとの係争に思いが巡ります。教会はセルビア正教会のものですが、ゴシック、ロマネスクの様式も取り入れた複合的な建築で、オスマン帝国期や近現代の紛争を逃れて奇跡的に良い状態で保存されています。

グラチャニツァ修道院(内装は清掃を終えたばかりで美しいフレスコ画がよみがえっています)
デチャニ修道院。正教会ながら、内部には彫刻が施されるなど、複合的な建築です(こちらも残念ながら内部は撮影禁止。ぜひ、ご自身の目で!)

リュヴィシャ教会のある町は、コソボ第2の都市プリズレン。「最もコソボらしい町」と呼ばれる古都で、なんとも風情があります。通常は日帰り観光が多いのですが、今回は宿泊してたっぷりと観光しました。先の教会の他、オスマン帝国期に築かれたモスクと石橋がその代表的な風景ですが、自由時間には町を見下ろせる城塞までご案内。かなり急な上り坂でしたが、城塞からは旧市街や当たりの山を見渡す景色が見られました。

城塞からの町を一望。苦労を吹き飛ばす景色です
夕食の帰り、ライトアップされた町を眺めながら

3ヶ国それぞれに異なる表情を持つバルカンの国々。古代マケドニア王国、ローマ帝国、中世セルビア王国、オスマン・トルコ帝国…、複雑な歴史ばかりが注視されがちですが、美しい自然景観や人々の暮らしぶりはやはり行ってみて初めて味わえるもの。

今後も来春~秋にかけてツアーを発表する予定ですので、ぜひ、ご興味のある方は今後のツアー発表をお待ちください!

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