祈りの島　五島列島の信仰にふれる

江戸時代、キリスト教が禁止されると、キリシタンたちは、弾圧を逃れて役人の目の届かない島しょ部へ移り住みました。明治6年にキリスト教の禁止が解かれると、キリシタンたちは、信仰の証として財産をささげ、自分たちの祈りの場所・天主堂を築き上げていきました。五島列島には、小さな集落ごとに教会が建てられていることが多く、集落の人々は自分たちで建てた教会を日常の信仰の場所として、今も大切に守り続けています。

幻想のひととき　上五島チャーチコンサート

長崎県・上五島の教会群を舞台に、クリスマスシーズンにチャーチコンサートが開催されます（注1）。プロの演奏家による管弦楽の音色や厳かな聖歌を、会場となる教会を変えながら楽しめるのが魅力です。
公演は日中に行われる日もあり、ステンドグラスから光が差し込む神聖な雰囲気の中で音楽を味わえます。夜に行われる日では、美しくライトアップされた聖堂に厳かな音色が響き渡り、信者たちの祈りの歴史に思いを馳せる特別な時間を過ごせます。

12月初旬から1月初旬にかけては、信徒手作りのイルミネーションが教会を彩り、その光景は「日本夜景遺産」にも認定されています。都会で行われるライトアップのような大掛かりなものではありませんが、信徒さんが心を込めて飾るイルミネーションは冬の風物詩となっています（注2）。
（注1）12/4発は3日目14:00〜、12/11・12/18発は2日目19:00〜のコンサートを見学予定
（注2）上五島の教会イルミネーションはそのほとんどが信徒さん達の手作りのため、現地の都合などによりライトアップされていない場合もございます。

カクレキリシタンの里を訪ねて

キリスト教が禁じられた17〜19世紀、ひそかに信仰を守り続けた人々は「潜伏キリシタン」と呼ばれました。明治時代に信仰が自由になると多くはカトリックに復帰しましたが、明治以降も先祖が守った独特の祈りを継承した信徒を「カクレキリシタン」と呼ぶことがあります。その「カクレキリシタン」の信徒組織が、上五島の桐古里郷（きりふるさとごう）に残ります。このたびは、「カクレキリシタン」の子孫のガイドさんに桐古里郷を案内していただきます。

鉄川与助建設の天主堂を巡ります

鉄川与助は、現在の新上五島町の大工の棟梁の家に生まれました。ペルー神父やド・ロ神父など宣教師から教会建築の知識と技術を身につけ、独学と創意工夫で30以上の教会を設計しました。今回は、青砂ヶ浦天主堂、頭ヶ島天主堂、江上天主堂といった、鉄川建築を巡ります。

定期船では行くことができない島々も訪問します

ツアーではチャーター船を利用し、下五島にある久賀島、奈留島にもご案内します。国の文化的景観に指定された久賀島の島風景、明治初期の建築・旧五輪教会堂など、素朴で趣のある建物もご覧ください。

人気のホテル「マルゲリータ」に2連泊