【海外】帰国しました。添乗員レポート

【海外】帰国しました。添乗員レポート

2025年09月04日

【帰国レポート ネムルート山と東トルコ歴史探訪の旅】

<2025年8月4日(月)~8月14日(木)添乗員:東京支店 中屋 雅之>

「東トルコの旅」は弊社の人気コースの一つであり、毎年催行されております。特にネムルート山頂でご覧いただく「日の出」は人気が高く、トルコ最大の見どころの一つと言っても過言ではありません。それに加え、スメラ僧院や中世アルメニアの都アニの遺跡や、アララト山とノアの方舟、さらには謎の王国ウラルトゥ王国の遺跡など、毎日がハイライトともいえる見どころ豊富なツアーです。

トラブゾンと黒海沿岸の町々

トラブゾンは黒海に臨む町で、古代にはポントス王国、中世にはトレビゾンド帝国といった強力な国があり、現在でも当時の面影を残しています。「ボステペの丘」からはトラブゾンと黒海が美しく眺められ、大変風光明媚な街です。しかし何より、郊外に「スメラ僧院」があることで有名です。スメラ修道院は、アテネから来た2人の司祭「ソフロニオス」と「バルナバ」によって4世紀に建てられたといわれています。近年まで修道院としての機能を果たしていたのですが、希土戦争(1919〜22年)の後、トルコとギリシャの間での住民交換により、修道院に住んでいたキリスト教徒は全員ギリシャへ追い出されました。また、1930年にスメラ修道院で大きな火事が発生し、修道院の木造の大部分が破壊されてしまいました。現在も一部は修復が続いていますが、教会内のフレスコ画は極めて美しく保存されています。

スメラ僧院(イメージ)
スメラ僧院の内部のフレスコ画
ボステペの丘のガラスの展望台。ここからの眺めが素晴らしい
リゼの町の紅茶工場では「紅茶娘」が踊りを見せてくれた
ホパの町で食べたコダラのフライ

ウラルトゥ王国の中心地 ヴァン

ウラルトゥ王国は紀元前9世紀頃から紀元前585年頃、この地域にあった広大な領土を持つ国で、現在のトルコ東部からイラン、アルメニアに広がっていました。国の主邑はヴァン湖周辺のヴァン城で、現在のイランのウルミエ塩湖、アルメニアのセヴァン湖といった湖を領有していました。最もよく残っている都市遺跡はチャウシュテペ遺跡です。ここには神殿跡をはじめ、穀物倉庫、貯水池、宮殿跡などが残り、当時の繁栄ぶりを彷彿させます。特に神殿の壁には当時の楔形文字が残り、通常楔形文字は粘土板に書かれており保存状態が極めて悪いことが多いのですが、ここでは固い玄武岩に描かれていて、まるで昨日書かれたかのような保存状態です。また、その石組みは隙間がまったくなく、剃刀の刃も入りません。

神殿の壁は固い玄武岩でできており、剃刀の刃も入らない
まるで昨日書かれたような楔形文字
博物館で見たウラルトゥ王国の領土。トルコ東部からジョージア、アルメニア、イランに跨る
チャウシュテペ遺跡の穀物倉庫跡

ほかにもヴァン湖周辺ではさまざま遺跡を見学しました。例えばヴァン湖に浮かぶアクダマル島ではウラルトゥ王国の後にできた「中世アルメニア王国」の教会などを見学しました。さらにこの周辺で有名なものに「ヴァン猫」がいます。ヴァン猫は左右の眼の色が違うオッドアイで、現在では希少な種となったため、ヴァン大学内のヴァン猫研究所で保護と研究がなされています。

濃紺色の水を湛えるヴァン湖
オッドアイの白猫、ヴァン猫

ツアーのハイライトはネムルート山の日の出!

トルコ東南部にそびえるネムルート山。標高2000メートルを超える山頂にあるのは、古代の王の墓とされる塚を巨大な像が囲む孤高の聖域です。古代のギリシャとペルシャ両方の遺産を受け継いだ壮大な石の建造物には、その宗教と埋葬の慣習が色濃く表れています。
この墓の主はヘレニズム国家の一つ、コンマゲネ王朝のアンティオコス1世。紀元前70年から前36年頃にかけてこの地を支配し、ローマ帝国とパルティア帝国の紛争に対して中立を保とうとするも、数十年後にローマ帝国に併合されてしまいました。山頂部分は王のピラミッドなのですが、エジプトのピラミッドのように石を積み重ねたものではなく、細かな砂利を積み上げたもので、盗掘しようと山を掘っても、掘るたびに上から砂利が落ちてくるため、未だ盗掘はされていないとのことです。
このピラミッドの東西にはテラス(もともとは祭壇)があり、東の祭壇から日の出を望みました。ユーフラテス川の向こうから真っ赤な太陽が昇る様は、まさに神々しさを感じました。

東のテラスで日の出を待つ人々
美しい日の出
山頂には狐も遊びに来ていました
太陽に照らされた王墓

本当に、毎日が感動の連続でした!
※写真は(イメージ)以外すべて今回の旅で添乗員中屋が撮影したものです。

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