【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2025年07月29日

【帰国レポート】北フランス美術紀行とパリ滞在の旅10日間

<2025年7月16日(水)~7月25日(金) 10日間 添乗員:東京支店 渋江恭子>

 ベルギーと国境をなす北フランスのノール=パ・ド・カレー地域圏には、19世紀末から20世紀にかけて工業で栄えたものの、後に廃れていった町があります。近年その廃墟が美術館として生まれ変わり、今や美術館の宝庫というべき地域圏となっています。今回はこのノール=パ・ド・カレー地域圏の首府リールに3連泊し、ワールド初登場の市営プールを改装した美術館「ラ・ピシーヌ」やリールの宮殿美術館、ランスのルーブル美術館別館などを訪ねました。旅の後半はパリの好立地ホテルに5連泊し、思い思いの滞在をお楽しみいただきました。

美しき蘇生 市営プールを改装したルーべの美術館「ラ・ピシーヌ」

 リールからメトロで約30分の場所にあるルーべは19世紀末より繊維業で栄えてきました。町には労働者の生活環境を改善するために市営プールが開設され、長らく市民に愛され健康を守ってきましたが、維持が困難になり、20世紀後半に閉鎖されてしまいます。市営プールとしての役目を終えた建物を美術館に蘇らせたのが、パリの駅舎をオルセー美術館に改装した建築家ジャン=ポール・フィリッポン。彫刻が並ぶプールサイドを歩きながら、用途を失った建築をこのように美しく蘇生させるフランス人の心意気に心が震えました。

プールサイドに並ぶ優美な彫刻、ステンドグラスの反映。ここでしか見れらない光景です
かつての公共浴場も今はお洒落なギャラリーに
ルーべの繁栄を象徴する壮麗な市庁舎

北フランスは知られざる美術館の宝庫です

 18世紀初頭にパリやベルサイユに集中していた美術品を地方に分散するために選ばれた15の都市があるのですが、リールもその一つ。そのコレクションを礎にしたリールの宮殿美術館は7万点以上の作品を所蔵する、フランスでも有数の大規模の美術館です。所蔵作品にはフランドル伯、ブルゴーニュ公国、スペイン王国と支配者が変遷していったこの地の歴史が反映されており、フランス画家のほかに、フランドル画家のブリューゲルやルーベンス、スペイン画家のゴヤなど多彩な作品をご覧いただけます。

リール宮殿美術館のロビー。19世紀末の宮殿に君臨する20世紀末に造られたシャンデリア
地下には軍事防衛のために造られた城塞都市の模型も展示されています

 リール滞在中には鉄道でかつて炭鉱で栄えた町ランスへ。2012年に開館したルーブル美術館別館を訪ねました。いくつもの部屋に時代ごと、国別に作品が展示されている本館と異なり、大きなギャラリーに古今東西の作品が一堂に会しています。横軸には同時代、別の地域の芸術品が、縦軸に同地域、別の時代の芸術品が並んでおり、美術史の変遷を感じることができます。
 ノール=パ・ド・カレー地域圏は日本ではあまり知られていない地方かもしれませんが、「知られざる美術館の宝庫」ともいうべき、魅力的な地域圏なのです。

ルーブル美術館ランス別館で、美術史という時空の旅を体験
アルチンボルドの『四季』。ルーブル美術館本館では目にする機会の少ない作品にも出会えました

隈研吾氏がリニューアルに携わったアルベール・カーン美術館を訪問

 パリ滞在中、弊社で初めてアルベール・カーン美術館にご案内しました。アルベール・カーンはアルザス生まれのユダヤ人です。貿易商として莫大な富を築いたカーン氏は「世界を知り世界を理解する」ことを目的とした美術館の開設を目指しました。館内には世界中に写真家を派遣して撮影した7万点以上の写真が展示され、外にはフランス、イギリス、日本など5つの国の庭園が再現されています。2022年にリニューアルされた際には隈研吾氏も設計に関わり、建物と庭園をつなぐ「Engawa(縁側)」も設けられました。カーン氏と日本の関わりを学べ、静かな庭園ではパリの喧噪を忘れることもでき、お客様にも好評でした。

世界約50ヶ国に派遣された写真家が撮影した写真、映像が展示されている「地球映像資料館」。他者理解を通じた平和への願いが込められています
緑豊かな日本庭園はパリのオアシス
隈研吾氏が手掛けた「Engawa」。建物と庭園を繋いでいます

夏の夜を満喫する2つのプログラム~サント・シャペルのコンサートとディナークルーズ

世界遺産サント・シャペルでのコンサート。バロック音楽を聴きながら、パリ屈指のステンドグラスの殿堂でのひとときをお過ごしいただきました
デュカス・シュル・セーヌ。セーヌ河岸の景色を眺めながらのディナーは旅の締めくくりにぴったりでした
デュカス氏が「世界一美しいアヴェニュー(大通り)」と称賛したセーヌ河岸の夜景

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