【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2025年04月07日

【帰国レポート 】シチリア島周遊の旅

<2025年3月18日~3月27日 10日間 添乗員:中屋 雅之>

「シチリア島周遊の旅」から戻ってまいりました。シチリア島は地中海最大の島であり、紀元前8世紀以降、ギリシャの植民地が多数存在し、これらの植民地連合軍がギリシャ本国よりも勢力を持ったことから「マグナ・グレキア(大ギリシャ)」と呼ばれていました。各地にはギリシャの遺跡があり、それ以外のも美しい自然景観や中世の町並みなど見どころは極めて多く、毎日がハイライトともいえるツアーでした。

エトナ山を望む風光明媚なタオルミナ

エトナ火山は標高3326m。世界でも活動的な火山の一つであり、現在も頻繁に噴火を起こしています。時には大きな噴火を起こすこともありますが、人的被害はほとんどなく、その麓には数千人が暮らしています。火山麓扇状地に発達する水はけの良い土壌を利用して、ブドウ畑や果樹園が広がっています。私たちはエトナ山麓のワイナリーを訪問。ワインの試飲と昼食をお楽しみいただきました。その後、タオルミナの町へ。私たちはタオルミナで2泊。タオルミナは風光明媚な観光保養地でもあり、古代の遺跡も多く、更に中世の町並みが混然一体となった不思議な町です。
この町の観光でまず見逃すことができないのが「ギリシャ劇場」です。ギリシャ人によって造られたこの劇場はシチリア島ではシラクーサに次いで2番目に大きく、劇場上部からの眺めはエトナ山と海を借景とし、その美しさは唯一無二です。かつてここを訪れたドイツの作家ゲーテは「この劇場から見るパノラマは世界一の美しさだ」と語ったほどです。ここを訪れた際はエトナ山は残念ながら雲に隠れてしまいましたが、翌日の朝、雪を戴くその雄姿を私たちに見せてくれました。

ホテルそばから見たエトナ山
エトナ山を借景としたギリシャ劇場

美しいコンコルディア神殿 「神殿の谷」

「神殿の谷」はシチリア島南部のアグリジェントに残る考古学遺跡で、その神殿群はマグナ・グレキアの芸術の最高傑作のひとつと言われています。ここにはギリシャ時代の神殿が7つ残っており、1997年にはユネスコの世界遺産に登録されました。これらの神殿の中で私たちは3つの神殿を見学しました。神殿の谷周辺にはアーモンドの木が植えられていますが、この時期アーモンドの花は既に終わり、代わりにハナズオウの花がきれいでした。
①ジュノーネ(ヘラ)神殿:紀元前460年から紀元前440年に建設されましたが、紀元前406年、カルタゴの侵攻で炎上した。
②コンコルディア神殿:ほとんど完全な形で残っている美しい神殿。紀元前5世紀に建てられ、紀元後6世紀にキリスト教の聖堂に転用されたため破壊を免れた。
③ヘラクレス(エルコーレ)神殿:古代アグリジェントで特に崇敬されたヘラクレスを祀る神殿。この谷では最も古い。地震で崩壊してしまったため、今日では8本の円柱が残るのみ。

その後、博物館ではゼウス・オリンピア神殿の復元模型を見学しました。ここには神殿の柱と柱の間に置かれていた本物のアトラス像も展示されていました。この神殿は紀元前480年にこの都市国家がカルタゴに勝利を収めたことを記念して建造されたものです。

ジュノーネ神殿
コンコルディア神殿とイカロス像
ハナズオウの花がきれいでした。ヨーロッパではユダの木と呼ばれています。
博物館に置かれたアトラス像

シチリア島の玄関口 パレルモ

シチリア島の玄関口はパレルモの町です。今回のツアーではターキッシュ・エアラインズを利用、シチリア東部のカターニアから入って北部のパレルモから出るという効率の良い回り方です。パレルモでは旧市街の中心に位置するホテル「ユーロスターズ・チェントラーレ・パレス」に連泊し、パレルモ市内および郊外を観光しました。ホテルをでてすぐ左側は「クワトロ・カンティ」と呼ばれる交差点で、四方には四季を表す噴水があり、中段には歴代のスペイン総督カルロ5世、フィリッポ2世、3世、4世が、上段にはこの町の守護聖女クリスティーナ、ニンファ、オリーヴァ、アガタが描かれています。私たちが訪れた時、丁度、モデルの撮影が行われていました。
ここから、ヴィットリオ・エマヌエレ通りをしばらく歩くとパレルモ大聖堂と王宮があります。特に王宮の2階にある「パラティーナ礼拝堂」は見逃せません。壁は一面黄金のビザンチン・モザイクで覆われ輝いていました。左右の壁には旧約聖書・新約聖書の物語が描かれています。また、天井はイスラム建築の特徴である「鍾乳石飾り」が施され、本当に美しい礼拝堂でした。パラティーナ礼拝堂をはじめ、パレルモ郊外のモンレアーレの大聖堂、更にチェファルーの大聖堂にもビザンチン・モザイクで装飾された聖堂があり、いずれも内陣のモザイク「全能者キリスト(キリストのパンタクラトール)」で有名です。これらの芸術作品はイスタンブール、ラベンナと並んでキリスト教芸術の最大傑作と呼ばれています。
※現在、パラティーナ礼拝堂のキリストのパンタクラトールは修復のため見られませんでした。

旧市街の中心「クワトロ・カンティ」ホテルはすぐそばです。
パラティーナ礼拝堂の黄金のモザイク
モンレアーレ大聖堂の「キリストのパンタクラトール」
チェファルー大聖堂の「キリストのパンタクラトール」

様々な遺跡や芸術作品、そして自然の景観を堪能することのできる旅でした。

※写真はすべて今回のツアーで添乗員中屋が撮影したものです。

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