【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2025年10月31日

【帰国レポート】モルドバ共和国とマラムレシュ地方の旅 9日間

<2025年9月21日(日)~9月29日(月)添乗員:東京支店 中屋 雅之>

<2025年9月21日(日)~9月29日(月)添乗員:東京支店 中屋 雅之>

2019年以来、久しぶりにモルドバ共和国を訪れました。モルドバ共和国は旧ソ連の国の一つであり、1991年に独立。その後、独自の道を歩んできました。10年ほど前までは町の雰囲気はまるでソ連、無機質な建物が並ぶだけで看板や装飾がほとんどありませんでしたが、今回、町の様子は大きく変貌を遂げ、西ヨーロッパの町に近づいていることがよくわかります。近いうちにEUに加盟することが、現在のこの国の目標のようです。
一方ルーマニアのブコヴィナ地方とマラムレシュ地方は社会主義時代から全く変わらず、いまだに昔ながらの素朴な雰囲気が残されています。農村では馬車が走り、日曜礼拝には民族衣装を着て出かけるなど、ヨーロッパの原風景をそのまま残していました。

独自の道を歩むモルドバ共和国

モルドバ共和国の首都はキシナウ。かつてはソ連時代の古いホテルに宿泊していましたが、ここ数年新しい外資系のホテルが次々と建設されて、ホテルの心配はなくなりました。今回は町の中心に位置するブリストル・セントラルパークという近代的なガラス張りの高層ホテルに連泊しました。この町の中枢ともいえる「キシナウ大聖堂」まで徒歩3分、すぐ隣にはショッピングモールもあり、その地下にはスーパーマーケットもあって便利です。
モルドバ共和国と言ってもあまりなじみがないかもしれませんが、ウクライナから続くチェルノーゼム(黒土地帯)に位置し、農業・牧畜業が盛んです。中でもモルドバ・ワインの品質は世界のトップクラスであり、日本の九州よりも小さな国土でありながらワインの生産量は世界で18位、輸出量は12位だとのこと。今回はキシナウ郊外に位置する世界最大級のワインの醸造所「ミレシュティ・ミチ」を訪問しました。

醸造所入り口にはワインの流れる?噴水が。
内部の貯蔵庫には150万本のボトルが貯蔵されています。

入り口からミニトレインでトンネルに入ると、ひんやりとした空気の中を疾走。地下80メートルまで下ってゆきます。ここはもともと石灰岩を掘り出した採掘場であり、地下には約200キロにわたってトンネルが続いています。途中にはワインの貯蔵室があり、ゴールデン・コレクションと言われる部屋には150万本のワインが貯蔵され、ギネスブックにも記載されています。そして、地下80メートルの試飲室へ。今回は3種類のワインを試飲し、お土産に赤ワインのボトルを1本プレゼントされました。

縦横に走る地下通路を説明する専属のガイド
郊外ではブドウの収穫体験もできました。

今はまさにブドウの収穫期であり、オルヘイ・ベッキの岩窟修道院へ向かう途中のブドウ畑でブドウの収穫体験もさせてもらえました。

ブコヴィナ地方の5つの彩色教会

モルドバ共和国から国境を抜けて、ルーマニアのヤシの町へ。ここはかつて中世モルダビア公国の都が置かれた町でもあり、当時の面影を残すルーマニア正教大聖堂やモルダビア大公宮殿などの建物が残っていました。かつてのモルダビア公国はその後の歴史の波に翻弄され、現在はモルドバ共和国とルーマニアのモルドバ地方に分断されているのです。
ここから更にブコヴィナ地方のグラフモール・ルイの町へ。この地域には中世モルダビア公国の国王や貴族が造った教会・修道院があり、その多くは教会の外壁に美しいフレスコ画が残され、「彩色教会」と呼ばれて、ユネスコの世界遺産に登録されています。今回はその中でも特に壁画の美しいヴォロネッツ修道院、モルドヴィッア修道院、スチェヴィッツァ修道院を訪ねました。中でもヴォロネッツ修道院は青の色を基調とした美しい壁画で知られ、「ヴォロネッツの青」と呼ばれています。

ヴォロネッツ修道院の南の壁に描かれた「エッサイの木」
西側の壁に描かれた「最後の審判と天国と地獄」

南側の壁には、イエス・キリストの系図を示す「エッサイの木」が、西側の壁には「最後の審判」で墓から蘇った人々がイエス・キリストの審判を受けて、天国と地獄に行く様が描かれています。右側が地獄で、人々は血の川を流れて怪獣の餌食になっています。左側は天国。鍵を持った聖ペテロに導かれた人々が天国に入り、そこでは旧約聖書の預言者、アブラハム・イサク・ヤコブが祝福をしてくれるのです。

マラムレシュ地方の木造教会群

ルーマニアの北西部に位置する「マラムレシュ地方」は中世オーストリア帝国時代、石造りの教会を建設することが禁止されたため、人々は豊富な木材で教会を造りました。こうして現在に残る「マラムレシュ・ゴシック」と呼ばれる鋭角的な塔を持つ教会ができ上ったのです。いくつかの教会はユネスコの世界遺産に登録されています。

世界遺産のイエウドの教会
ギリシャカトリック教会なので聖母マリア像がある

世界遺産の教会のひとつ「イエウド」の教会は1364年に建てられたこの地方の教会の中でも最も古く、高さ70メートルの尖塔を持つ、西ヨーロッパのゴシック建築にそっくりなスタイルです。また、この教会はルーマニアに多い正教の教会ではなく、ギリシャ・カトリック教会なので内部にはイコノスタシスとともに、聖母マリア像もあります。これ以外にも様々な木造教会を見学しました。


プロピシュの教会
近くにはサフランの花が咲いていました。

この地域の人々は昔と変わらぬ生活を続け、日曜日には民族衣装で教会のミサに参列します。まさにヨーロッパの原風景を見た思いがしました。

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