【海外】帰国しました。添乗員レポート

【海外】帰国しました。添乗員レポート

2025年08月15日

【帰国レポート】十字架峠とコーカサス3か国の旅 9日間

<2025年7月19日(月)~7月27日(日) 添乗員:東京支店 中屋雅之>

コーカサス3か国は毎年多くのツアーが催行される人気コースで、私も毎年のように添乗員としてご一緒しております。今回の帰国レポートは、特にアルメニア絞ってご紹介したいと思います。
アルメニアは旧ソ連15カ国の中でも、最も経済発展の遅れた国の一つです。しかし、ほかのアゼルバイジャンやジョージアが著しく経済発展しているのとは対照的に、昔ながらの素朴さが多く残り、何か懐かしさを感じさせる国です。エチミアジンの近くでは民家での食事もいただきました。普通のご家庭でいただく食事は素朴でおいしかったです。

世界遺産のハフパット修道院

ジョージアからアルメニアに入国して、すぐに見学したのがハフパット修道院です。アルメニアは西暦301年、世界に先駆けてキリスト教を国教にしました。ちなみにローマ帝国は西暦395年です。それ故、この国には多くのキリスト教関係の歴史遺産が残されています。この国のキリスト教は「アルメニア正教」です。正教では一般的に教会の中は「イコン」やフレスコ画で飾られています。しかし、アルメニア正教教会ではイコンの代わりにハチュカルと呼ばれる石の十字架を置きます。主聖堂の周りには礼拝堂、鐘楼、講堂などが配され、至るところに石の十字架「ハチュカル」や墓石が置かれていました。

ハフパット修道院
石の十字架「ハチュカル」を説明する現地ガイド

エレワンではアルメニアを代表するホテルに宿泊

アルメニアの首都エレワンでは、この国を代表する高級ホテルに宿泊しました。それはマリオット・ホテル・エレワン。この町の、いやこの国の中枢ともいえるのが「共和国広場」です。丸い広場の周囲は外務省などの省庁はじめ、銀行や郵便局、歴史博物館などの重厚な建物が取り囲み、多くの建物はバラ色の凝灰岩で造られていて大変美しいのです。そしてこの一角を構成しているのが「マリオット・ホテル」です。ホテルの前にはカフェもあり、ここでお茶を飲んだり、夜は正面の歴史博物館の前で噴水ショーをご覧いただくのも一興です。

マリオットホテルの正面

アララット山を望むホルヴィラップ修道院

ノアの方舟が漂着したと伝えられるアララット山は現在はトルコ内に位置していますが、もともとは中世アルメニア王国の領内でした。ホルヴィラップ修道院はトルコとの国境のすぐ近くの丘の上に位置し、周辺はブドウ畑が広がっています。到着する前、ブドウ畑の向こうにホルヴィラップ修道院とさらに遠くにアララット山が見られる場所は絶好の写真スポットです。
この修道院は3世紀末、アルメニアをキリスト教化した聖グレゴリウスが幽閉された場所であり、後に国王が彼を許し、王自らキリスト教徒になったとのことです。聖グレゴリウスが幽閉されていた地下牢にも入ることができます。

ブドウ畑の向こうにホルヴィラップ修道院とアララット山が見える
ホルヴィラップ修道院の聖歌隊の女性たち

アルメニア正教の聖地エチミアジンの大聖堂と宝物庫

アルメニア正教の総本山がエチミアジンの大聖堂です。この大聖堂は長らく修復中で、内部の見学ができなかったのですが、昨年9月に修復が終わり、再び内部が公開されました。壁画やイコンは美しく、新しい教会のようですが、実は4世紀に創設されたという長い歴史を持ち、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
この大聖堂のみならず、ぜひご注目いただきたいのが「宝物庫」です。ここは予約が必須で、決められた時間以外には訪問できません。専属のガイドとともに建物に入ると、この教会に纏わる様々な宝物が展示されていました。中でも有名なのが「ロンギヌスの槍」です。イエス・キリストが十字架に架けられた時、彼が亡くなったかどうかを確かめるべく、ローマの憲兵ロンギヌスが持っていた槍でキリストの脇腹を刺しました。しかし、キリストはピクリとも動かず、亡くなったと判断され、十字架降架されました。その後、近くで見守っていた12使徒の一人、聖タダイがそれを拾って、後に伝道を行ったアルメニアにもたらしたとのことです。ほかにも、ノアの方舟の断片の一部や、イエス・キリストが架けられた十字架の一部なども展示されています。

板状のものがノアの方舟の断片の一部です。左下の欠けた部分はこの国の領主がロシアの女帝エカチェリーナ2世に贈ったものだとか
イエス・キリストの脇腹を突き刺した「ロンギヌスの槍」
アルメニアの古地図。中央部分にEDEN PARADAISEと書かれています
エチミアジンの大聖堂。修復は終わりましたが、内部は写真撮影禁止です

アルメニアは古い歴史を持ち、人々はその伝統を頑なに守り続けています。近代化とは程遠い素朴な国です。

お気軽にお問い合わせください

電話相談はこちら

受付時間:午前9:30~午後5:30

東京
03-3501-4111
大阪
06-6343-0111
名古屋
052-252-2110
九州
092-473-0111
札幌
011-232-9111
湘南
0466-27-0111