【国内】帰着しました。添乗員レポート

【国内】帰着しました。添乗員レポート
2025年08月14日
【帰着レポート】花の霧多布湿原と釧路湿原に泊まる旅 3日間
<2025年6月28日~6月30日 添乗員:東京支店 大石橋 弘明>
<2025年6月28日~6月30日 添乗員:東京支店 大石橋弘明>
梅雨のない北海道が一年で最も輝きを放つ季節、広大な道東の自然の懐深くへと分け入る3日間の旅へ。私たちは日本最大の湿原である釧路湿原をはじめ、それぞれに異なる表情を持つ霧多布、別寒辺牛の3つの湿原を巡り、そこに息づく生命の多様性と、自然と共生する地域の文化にふれることができました。
専門ガイドと歩く、日本最大の釧路湿原
旅の体験を何よりも豊かにしたのは、釧路湿原の専門家である新庄久志氏によるガイドでした 。長年にわたり湿原の保全に携わり、その豊富な知識はNHKの番組でも案内役を務められたほどです 。初日に訪れた釧路市湿原展望台から始まり、新庄氏の解説と共に歩いた温根内木道では、ただ景色を眺めるだけでは知り得ない湿原の成り立ちや、そこに生きる動植物の生態について深く理解できました 。湿原を渡る涼やかな風、野鳥のさえずりが心地よく響く中、幸運にも国の特別天然記念物であるタンチョウやエゾシカの姿を捉えることができました 。最終日に訪れたコッタロ湿原展望台からは、どこまでも続くかのような湿原の大パノラマが広がり、この地が守り続けてきた自然のスケールを改めて実感しました 。

宿泊したホテルのすぐそばに広がるシラルトロ湖畔での早朝の散策も、忘れがたい体験となりました 。湖畔には菱の実が落ち、前夜のうちに訪れたであろう鹿の足跡が残されているなど、湿原の日常にある生命の営みを静かに感じることができました 。二羽のタンチョウがまるで私たちを見送るかのように散歩している姿にも遭遇し、この地が野生動物にとって安息の地であることを物語っていました 。
霧と花、そして海の生命に出会う霧多布
2日目に訪れた霧多布湿原は「花の湿原」との別名を持つ通り、釧路湿原とはまた異なる華やかな表情を見せてくれました 。霧多布湿原センターではスタッフの説明を受けながら、これから向かう湿原全体を遠望 。海に近いこの地は霧が発生しやすいことで知られていますが、私たちが訪れた際も霧多布岬は深い霧に包まれていました 。しかし、その霧こそが幻想的な風景を演出し、断崖に咲き誇るエゾカンゾウの鮮やかな黄色をいっそう際立たせていました 。群生する花の向こう、霧に霞む断崖下の海に目を凝らすと、ラッコが姿を見せるという幸運にも恵まれました 。

原始の自然へ、別寒辺牛湿原カヌー体験
旅のハイライトの一つが、別寒辺牛(べかんべうし)湿原でのカヌー体験でした 。専門ネイチャーガイドの芦田氏ほか3名の案内のもと、私たちはカヌーに乗り込み、人の手がほとんど加えられていない原始の自然が広がる川面へと静かに漕ぎ出しました 。エンジン音のない世界では、聞こえるのはパドルが水をかく音と、時折聞こえる鳥の声だけです。オジロワシが悠然と空を飛ぶ様子が見えました。視線が低くなることで、湿原の植物や水辺の様子がより鮮明に感じられ、ありのままの自然の中に溶け込んでいくような、特別な時間となりました。

自然と調和する建築と、大地の恵みをいただく食
今回の旅では、道東の自然を満喫するだけでなく、それを引き立てる上質な滞在と食も大きな魅力でした。2連泊したホテル「ぽん・ぽんゆ」は、世界的な建築家・隈研吾氏とデザイナー・原研哉氏のコラボレーションによって2024年9月に誕生した宿です 。アイヌ語で「小さな湯」を意味するその名の通り、華美な装飾を排し、静寂の中に身を置くことをコンセプトとしています 。太古の植物が積み重なった地層を通り抜けて湧き出る温泉は、まさに大地のエネルギーそのものであり、散策で疲れた身体を芯から癒してくれました 。



お食事も、この土地ならではの恵みをご満喫いただきました。初日の夕食は、鶴居村の丘の上に佇むオーベルジュ「ハートンツリー」で、地産地消にこだわったディナーを 。メインディッシュは道産ラムまたはサーモンから選べ、雄大な大地で育まれた食材の力強い味わいを堪能しました 。2日目の昼食はカキの名産地・厚岸で新鮮な海の幸を味わい 、旅の締めくくりとなる最終日の昼食は、釧路を代表する蕎麦の名店「竹老園 東家総本店」を訪れました 。ここでは、昭和天皇がおかわりされたという逸話を持つ黄色の蘭切りそばや茶そば、そしてそば寿司といった、歴史と伝統が息づく特別な蕎麦をいただきました 。
この3日間は、ただ美しい風景を巡るだけでなく、専門家の解説や体験を通じて、道東の自然の奥深さに触れる旅となりました。湿原というユニークな生態系、そこに息づく多様な生命、そして自然の恵みを敬いながら育まれてきた地域の文化。そのすべてが深く結びついていることを実感する、実り多い旅でした。
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