本誌『旅のひろば』の制作を担当するのは上釜部長率いるコーポレートブランディング部。その中で2022年から編集長を務めているのが石井社員だ。「旅のひろばは旅行業界におけるパイオニア的な存在ですから、身の引き締まる思いでお受けしました」

　『旅のひろば』の制作には約10年前より参加。それ以前は旅行関係のほか、一般誌で編集・ライターとして活動していたが、ワールドにきて驚いたことがあるという。

　「旅行会社の社員たちが、日々こんなにたくさん原稿を書いているとはまったく想像もしていなくて、本当にびっくりしました。それも普通の雑誌やガイドブック、テレビにも取り上げられていないような町々や、各地の歴史など、幅広く内容も深い。しかも、その情報を求めているお客様がたくさんいらっしゃる。正直、これはなかなかすごい世界に来たぞ、と（笑）」

　実際の制作では、企画者の想いをどのようにお客様に伝えるか、締め切りに追われながらも試行錯誤の日々だ。写真の美しさだけでなく、ツアーに込められたテーマ性をしっかりとお伝えしていくことが大切と語る。

　「駆け出しの頃、初代『食いしん坊！万才』の渡辺文雄さんに取材したときのことです。インタビュー後、旅を仕事にするのはとても大変なことだから、しっかり心構えをするように、と話しかけられたんです。旅を語るにはただ名所を挙げればいいのではない。歴史や地理、風土、民俗や芸術文化、もちろん食も、すべての分野に知識が求められる、しっかりと勉強なさい、と。改めてその言葉を嚙みしめながら、日々精進してまいります」