有隣荘をプライベート参観

大原美術館の対岸、倉敷川の畔にモノトーンの町並みが続く中、緑色の瓦屋根が目立つ有隣荘があります。公開は1年に春と秋の2回のみのため、普段は外観しか見ることができない大原家の貴重な旧別邸を、特別に参観します。美観地区を見下ろす風景にはなかなか出会えませんが、有隣荘の2階からは大原家と来賓だけが眺めていた絶景も広がります。緑色の瓦屋根が目立つことで「緑御殿」とも称されるこの瓦は、画家の児島虎次郎（大原美術館にも素晴らしい絵が展示）が中国で見た孔子廟などに影響を受け、瓦の産地である大阪の泉州谷川の窯で特注したもので、間近で見るといっそう良さがわかります。和洋折衷の建物と近代日本庭園の先駆的な設計は、内部参観だからこそわかる価値ある見どころです。

日本最初の西洋美術中心の私立美術館として、1930年に誕生した大原美術館。エル・グレコ、ゴーギャン、マティス等、名だたる西洋画家の作品が展示されています。日中は多くの訪問客でにぎわいますが、このたびは開館前に特別貸切入場。学芸員の解説とともに名画鑑賞をご堪能ください。

宇野港から直島へ、アートを旅する1日

倉敷から南へ走ると、瀬戸内海の玄関口の宇野港があり、多くのフェリーが往来しています。芸術の島として有名な直島もここからフェリーで僅か20分の距離。直島では、ベネッセハウス ミュージアムへご案内します。ミュージアムでは現地ガイドの解説でお楽しみください。

連泊するからこそ味わえる朝夕の白壁の町の風情

日中は観光客が多い倉敷ですが、夕暮れ時となると、がらりと町の雰囲気が変わります。夕陽が西の空に落ち空色がグラデーションに変わる頃、美観地区全体が優しい光に包まれ始め、倉敷川の川面には倉敷格子や白壁の建物が幻想的に映しだされます。本通りも美しい照明で照らされた町家が続き、そぞろ歩きには良い時間帯となります。倉敷の夜間景観照明は、白川郷の合掌集落なども手掛けた世界的な照明デザイナー石井幹子さんがプロデュースしたものとのことで納得。上品な光の使い方が印象的で、美しい町並みが浮かび上がります。