町並み百選

町並み百選

2021年01月14日

鳥取県 若桜(わかさ)の町並み

本社 プランニング事業本部:吉田 義和

鳥取から姫路へ。南北をつなぐ脇往還は若桜街道と呼ばれ、江戸期には伊勢参りをする人々で賑わう街道でした。その要衝である戸倉峠の北に位置するのが若桜の町です。蔵造りとカリヤが独特の景観を形成する若桜をご紹介します。

住民たちによって大火から復活を遂げた若桜(わかさ)

若桜の古い町並みは、メインストリートの「仮屋通り」と一本隣の「蔵通り」に集約されています。仮屋(かりや)とは、家屋と道の間にある幅1.2メートルほどの廂で、昭和初期には800メートルほど連なり、雪の日でも歩けるように工夫されていました。この造りは青森県黒石の「こみせ」や、新潟県高田の「雁木(がんぎ)」と同様で、豪雪地帯に共通するつくりです。若狭も雪は降りますが、若狭では防火対策から「家は道路端から1丈1尺控えて土台を造ること、その土台から4尺の仮屋(ひさし)を付け、2尺の川を付けること」と決められたことに由来し、どちらかというと火災への備えだったようです。というのも、現在の若狭の旧市街は、明治18年の大火後、若狭の宿会が江戸時代の書物をもとに町を計画的に修復、整備した町並みなのです。この整備は、日本初の住民主導による都市計画とも言われています。一本隣の「蔵通り」が、その名の通り白壁土蔵の蔵が一面に立ち並ぶ特徴的なつくりとなっているのも、この都市計画に由来します。明治時代から住民たちが町の伝統的な景観や暮らしを守るべく活動した結果が、現在の若狭の町並みの根源となっているのです。

土蔵が並ぶ蔵通り ⓒ若桜町
石州瓦に彩られた仮屋づくりの家屋 ⓒ鳥取県

若桜と鳥取を結ぶ「若桜鉄道」

若桜のシンボルとして町並みと共に親しまれているのが若桜鉄道です。昭和5年に開通し、昨年90周年を迎えた鉄道は、かつては若桜の主産業であった木材や石炭を運搬すると同時に、人々の通勤通学の足として利用されてきました。現在では在来線に加え、「八頭(やず)号」「昭和号」「若桜号」を3つの異なる観光列車も運行されています。ソファ席やサイドテーブル、木造の内装など上品なつくりで、地域の人々はもとより全国からの鉄道ファンも魅了しています。乗車時に3つのうちどれが来るかはお楽しみですが、3車両とも異なるコンセプトの列車なので、「また乗りたい」と思わせてくれる列車です。鳥取~若桜間のわずか1時間ですが、農村風景をのんびりと眺めながらの列車の旅は、鳥取に来てよかった、と思わせてくれるのんびりとした時間です。

2020年3月にデビューした観光鉄道「若桜」 ⓒ若桜鉄道
レトロで上質な内装は地元の利用者や鉄道ファンにも人気
ⓒ若桜鉄道

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