佳景・名景・絶景

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2021年04月10日

ミュンヘンがルーツ。阿智村の花桃(長野県・南信州)

『旅のひろば』編集部 上釜一郎

 

前回のこのコラムでは阿智村を日本一の星空と紹介(3月20日付)しましたが、今回はその阿智村のもう一つの魅力、日本一の「花桃」を絶景としてご紹介します。
名前に“桃”とつきますが、果実ではなく“花”を楽しむ観賞用の園芸種として開発された品種です。色は赤、白、ピンクの3色が基本ですが、阿智村では1本の枝から3色の花が咲く「三色花桃」を多く植栽していてとてもカラフルです。

阿智村の昼神温泉観光局の資料によると阿智村の花桃のルーツは、大正11年(1922)年までさかのぼります。福沢諭吉の娘婿にあたる福沢桃介氏が、ミュンヘンで見た3色の花桃の美しさに感動し、3本の苗を購入したことから歴史は始まります。日本に帰った桃介氏は、自身が社長を務めていた須原発電所(長野県大桑村)の構内に、持ち帰った花桃を植えたのが始まりだそうです。
その後、阿智村へと続く妻籠の国道沿いに植栽。(昭和23年)これが、車窓から花見が楽しめる「はなもも街道」の始まりだそうです。時は流れ、昭和50年頃。妻籠宿の大宮トメさんという女性が嫁入り道具に花桃の木を持ってきて、はなもも街道に隣接する今の阿智村清内路に嫁いできました。その時の木を元に、地域の人々が清内路地区にも少しずつ花桃を増やしていったそうす。その後は、その苗を譲り受た旅館「月川」の当時の社長・渋谷秀逸氏が「人も少なく殺風景な山里に嫁いでくれたお嫁さんたちの励みにしたい」と月川温泉郷一帯に花桃の植栽を始めま今に至ります。

阿智村の中ではいたるところでこの花桃を楽しむことができるのですが、おすすめは前述の県道477号線から旅館「野熊の庄 月川(げっせん)」へと続く花桃の並木道がおすすめです。どこまでも続く色とりどりの花桃ののどかな里山風景は写真好きならずとも見惚れててしまいます。文字通り桃源郷そのもの。今年は全国的に気温が高く、桜は記録的な速さで開花しこの瞬間もどんどん桜前線北上中でですが、現地からの情報によると花桃の開花も今年は早いそうですが、花桃は見頃が桜より長く、5月上旬までは楽しめそうです。

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【上釜一郎】プロフィール
1964年奈良県生まれ。旅行誌(マガジンハウス/ガリバーほか)からファッション誌(集英社/ COSMOPOLITAN JAPANほか)、広告写真等のカメラマンとして活躍。また、『南オーストラリアのユートピア アデレード』(弊社菊間著・新潮社)『マカオ歴史散歩』『新モンゴル紀行」(ともに弊社菊間著・新潮社とんぼの本)の写真等も撮影。現『旅のひろば』編集部で、各地の視察も行っている。過去には紛争地や、対人地雷問題の取材などの取材経験も多数。1997年にノーベル平和賞を受賞した地雷廃絶国際キャンペーン(International Campaign To Ban Landmines=(ICBL))の日本キャンペーン(JCBL)元運営委員。
現在ワールド航空サービスの知求アカデミー講座で、写真講座の講師も務める。

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