視察レポート

視察レポート

2021年03月29日

世界遺産の平泉を疾走

東京支店 酒井康行

 中尊寺・毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡・金鶏山の5か所から成る「平泉の文化遺産」(仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群)は、2011年(平成23年)6月、フランスのパリで開催された第35回世界遺産委員会において、世界遺産リストに記載することが決定されました。
 このたびは、僅かに雪も降りしきる中でしたが、自転車を駆使してこの5か所を巡って参りました。さらに近郊の達谷窟や厳美渓なども訪れましたので、一緒にお伝え致します。

金色堂に到着です。中は撮影禁止ですので、是非ご自身の目でご覧いただき、目の保養をなさってください。

目の保養!「中尊寺金色堂」探訪

 17院により構成される山寺「中尊寺」。嘉祥3年(850年)に慈覚大師円仁によって開山されたと伝えられます。その後、奥州藤原氏の初代清衡が、本拠地を江刺豊田館から平泉に移し、長治2年(1105年)に造営に着手しました。初めに多宝寺、続いて大長寿院が完成し、平泉に侵攻した源頼朝は、高さ15mの大長寿院を見て驚き、それを模して鎌倉に永福寺を建てたそうです。
 清衡は次々に大伽藍を建立し、天治元年(1124年)には金色堂を完成させました。国宝の金色堂は、七宝珠玉が贅沢に使われており、他に類を見ない独自のものです。また、須弥壇の中には初代清衡、二代基衡、三代秀衡の御遺体と四代泰衡の首級が納められています。

駐車場からはご覧のような坂道や階段を登らないと金色堂には辿りつけません。しかし、頑張った分だけ、金色堂をご覧いただいた際の感動はより増すことでしょう。
参道を登っていくと、途中に弁慶堂があります。弁慶堂は文政10年(1827年)の建立で、ご本尊は勝軍地蔵。堂内の格天井には60種余りの草花が描かれています。
本堂は一山の中心となる建物で、明治42年(1909年)に再建されました。本尊は丈六の釈迦如来。像高約2.7m、台座・光背を含めた総高は5mに及ぶ尊像です。
この能舞台は嘉永六年(1853年)、伊達藩によって再建されたもので、正統かつ本格的な規模と形式の能舞台として、平成15年(2003年)に国の重要文化財に指定されました。

全国でも類稀な特別史跡と特別名勝を兼ねる「毛越寺」を散歩

 毛越寺は中尊寺と同じく、嘉祥3年(850年)、慈覚大師円仁によって開山されたと伝えられます。その後、藤原氏二代基衡が造営に着手し、三代秀衡の時に完成しました。当時はお堂や塔が40以上もあり、お坊さんが生活する建物は500以上もあったそうですが、相次いだ火災により、残念ながら当時の建物は残っていません。しかしながら、遺跡が良好に保存されていることから、特別史跡に指定されています。
 さらに、大泉が池とそれに注ぐ遣水は、発掘調査に基づいて整備されたものですが、この浄土庭園は、平安時代の庭園造り秘伝書『作庭記』に忠実に造られたもので、特別名勝にも指定されています。

毛越寺の入口。すぐ近くには観自在王院跡もあります。
本堂は平安様式の建物で、平成元年に建立されました。本尊は薬師如来で、本尊の脇士は日光・月光両菩薩、さらにその周りには本尊守護の四天王が安置されています。

常行堂は、享保17年(1732年)に仙台藩主伊達吉村公の武運長久を願って再建されました。堂は宝形造りで、須弥壇中央に本尊・宝冠の阿弥陀如来、両側に四菩薩、奥殿には秘仏として崇められている摩多羅神(またらじん)が祀られています。
浄土庭園とは仏堂と苑池とが一体として配された庭園で、
毛越寺では北に塔山と呼ばれる小山を背景として、広々とした苑地美観が展開します。凍結している光景は、それはそれで風情があって綺麗でしたよ。

国指定史跡「達谷窟毘沙門堂」(たっこくのいわやびしゃもんどう)へ

 1200年の歴史を誇る達谷窟毘沙門堂にも行って参りました。この岩窟は坂上田村麻呂が征夷の記念に毘沙門天を祀ったとされ、その印象的な見た目、懸崖造りの毘沙門堂は、火災の度に建て直されてきました。平安時代に造られた丈六不動明王像(県指定文化財)や、北限といわれる「岩面大佛」(磨崖仏)もお見逃しなく。境内全域は史跡指定を受けています。

懸崖造りの毘沙門堂
入口
「岩面大佛」(磨崖仏)は気付きづらいのでご注意を

厳美渓が美しい一関郊外にまで足を延ばしました

 名勝・天然記念物に指定される厳美渓。栗駒山を源に流れる磐井川が巨岩を侵食し、様々な表情を見せながら、約2kmにわたって渓谷美を見せてくれます。遊歩道を散策すると、上流の荒々しい流れと下流のゆったりとした淵の対照的な景色が見られます。このたび訪れた冬は水墨画の世界が広がっておりましたが、春は満開の桜と雪解け水が流れる渓谷美、夏は涼しげな渓流のせせらぎ、そして秋は色づく山々の紅葉を楽しめますので、一度訪れたことのある方でも、季節を変えて訪ねてみるのも良いでしょう。

天工橋から望む厳美渓
一関の歴史を学ぶことの出来る一関市博物館。厳美渓から徒歩約5分です。
蘭学に関する展示も充実しています。
一関市博物館に隣接する道の駅にて、平泉や一関で有名な餅料理をいただきました。伊達藩から伝わったもち食文化が受け継がれており、人生の節目やハレの日には餅が食べられてきました。この食文化は、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」のひとつに認定されています。
このたびの視察のおともの自転車。平泉駅前には自転車の自動販売機がありました。

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