町並み百選

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2021年02月18日

みちのくの風情ある都市 盛岡の町並み その①

プランニング事業本部 吉田義和

岩手の県庁所在地である盛岡。人口100万人の大都市仙台に比べ、人口30万人と程よい規模の町です。都市の利便性もありながら、一筋路地に入ると東北ならではの人情溢れる朝市や古い町並み、伝統の手仕事を扱う老舗があり、ぶらぶらと散策するにも最適です。今回は、2週にわたり盛岡をご紹介いたします。

東北らしさを感じる人情朝市「神子田(みこだ)朝市」

東北の朝、冬には氷点下になる厳しい寒さの中でも絶えず響く温かな人々の声。東北各地では周囲の村から農産物や手作りの漬物などを町に持ってきて販売する「朝市」が伝統です。町の整備発展によって段々と店舗に切り替わったり、廃止されたりと縮小傾向にありますが、ここ盛岡ではまだ人情朝市が健在です。盛岡市内のはずれにある神子田(みこだ)地区で開かれる朝市は、年間300日以上と、日本有数の開催日を誇る朝市です。私が訪れた日は実に気温-5度程度でしたが、市場の人々は元気そのもの。自家製の漬物や海産、干し大根などがところ狭しと並べられています。朝5時過ぎに始まり、8時半には全て閉まるという朝限定の楽しみに地元の人々も多く訪れ、6時半には駐車場も満車の大賑わい。寒い中もくもくと湯気を立てる郷土料理の「ひっつみ」やおでん、甘酒などをいただきながら巡ります。盛岡を旅した際にはぜひ早起きして、最終日の朝に訪れていただくことをお勧めします。

朝から活気のある神子田朝市
神子田朝市名物のひっつみ

商都盛岡の名残を見せる鉈屋(なたや)町

盛岡は実に川の多い町です。市内中心を東北一の大河北上川が流れ、中津川、雫石川が市街地の南で北上川と合流。川幅を広げて花巻、平泉へと流れていきます。盛岡発展の歴史はまさにこの川と共にあります。東北の南北を繫ぐ北上川を利用し、盛岡藩の農産物が石巻港を経由して江戸へと運ばれました。北上舟運の問屋が並んでいたのが北上川沿いの鉈屋町です。現在は市街地から少し離れた静かな住宅街になっていますが、その分江戸、明治の面影を残す商家が並び、散策の楽しいエリアになっています。鉈屋町の特徴は豊富な生活用水です。町には「大慈清水」や「青龍水」といった湧水があり、現在でも町の人に利用されています。私が訪れた際も町の人が水を汲んでおり「美味しいからぜひ飲んでいきなさい」と声をかけていただきました。冬の寒い中でしたが湧水はほんのりと温かくなめらかな味わい。夏には心地よい冷たさになるのだそうです。湧水は飲用以外にも様々利用されるため、用途ごとに4つの井戸が作られています。町の中心には2014年に「もりおか町家物語館」がオープン。酒造業を営んでいた町家や酒蔵を改装して資料館やカフェとなっており、休憩しながら盛岡の歴史について理解を深めることができます。

北上川舟運で栄えた鉈屋町の町並み
用途によって4つの井戸を持つ大慈清水
もりおか町家物語館で迎えてくれた千葉さん
酒造の町家を改装したもりおか町家物語館

盛岡の手仕事を知る紺屋(こんや)町

 鉈屋町に並ぶ盛岡の古い町並みが残るのが中津川沿いの紺屋町です。紺屋町の入口には盛岡のシンボル「旧岩手銀行」が。東京駅を設計した辰野金吾によるもので、東北唯一の辰野作品となっています。その裏手の紺屋町の通には、盛岡の老舗、名店が。代表は「ござ九」です。江戸時代から灯心や藁加工品の問屋として栄えた商家で、現在も藁で造った日用品などを取り扱っています。その向かいには南部鉄器の名店「釜定」や南部紫染の老舗「草紫堂」が並びます。南部藩の時代から続く伝統の手仕事を訪ねることができます。

辰野金吾設計の旧岩手銀行中ノ橋支店
紺屋町のシンボル「ござ九」
南部鉄器の名店「釜定」
鉄器の小物は手ごろでお土産にも最適です
南部紫染を継承する草紫堂

今回は盛岡の古い町並みをご紹介しましたが、来週は宮沢賢治の面影と盛岡グルメをご紹介します。お楽しみに。

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