町並み百選

町並み百選

2021年02月11日

うだつの上がる町 美濃の町並み

プランニング事業本部 吉田義和

日本国内よりも海外でその名が知られ、俄かに訪日客を集めている、そんな場所が日本各地にあります。岐阜から飛騨地方に至る長良川沿いの道もそのひとつ。古い街並みがほどよく点在し、景観もよく関の刀鍛冶、美濃和紙など日本らしい伝統技術も残るため海外では「サムライロード」と呼ばれています。今回は、サムライロードの中心にある美濃の町並みをご紹介します。

美濃和紙の問屋街として栄えた美濃

長良川の中流域に位置する美濃の街は、古くから和紙の生産が盛んで、その歴史は1300年になるとも言われています。障子紙として需要の高かった美濃和紙は、光をしっかりと通す「白さ」にこだわり、発展を遂げました。特に本美濃紙と言われる最高級の和紙は現在でも国際的に評価が高く、京都迎賓館の調度品に利用されているほか、今年予定されているオリンピックの表彰状にも採用されています。そんな美濃和紙の商売で栄えたのが美濃の町。高山の城下町を築いた金森長近が整備した城下町が今も残ります。

京都迎賓館 藤の間  照明や障子に本美濃紙が採用されています。
本美濃紙を利用した千鳥張の障子 (美濃今井家住宅) 継ぎ目を枠から外すことで美しい模様が浮かび上がる張り方で、千利休が好んだと言われています

うだつの上がる町並み

美濃、といえばうだつの上がる町並みが代名詞。丘の上にあり水資源に乏しかった美濃の町では、火災対策としてうだつ(防火壁)が造られました。各商家が富の象徴として競うようにうだつを造ったことで、現在も残る「うだつの上がる町並み」が形成されたのです。生活や地位が向上しないことを揶揄する「うだつの上がらない」の語源もここからきています。現在うだつの残る家屋は18棟。商家ごとにつくりも異なるので、散策しながら違いを見るのも楽しいものです。美濃資料館ともなっている旧今井家住宅は江戸時代の住宅そのままの姿を内部公開しています。かつての帳場や日本の音風景100選にも選ばれた、風流な音を奏でる水琴窟など、美濃商人の繁栄ぶりを知ることができます。

美濃では商家が競い合うようにうだつを造りました。

美濃の伝統住宅を面白く解説してくれる今井家住宅館長の古川さん

うだつで知られる街々

かつては多くの街で造られたうだつの建築ですが、現在うだつがしっかりと残る町並みが残るのは美濃と脇町の2か所です。徳島県にある脇町は藍の商売によって発展した「藍の街」。漆喰造りの重厚なうだつが残る商家が多く残ります。海外に目を向けると、中国の古鎮にもうだつの特徴をよく見ることができます。世界遺産の安徽古村や脇町(美馬市)の友好都市である大理といった街々では白壁にうだつが並ぶ美しい景観をご覧いただくことができます。

徳島県脇町のうだつは漆喰造りの堅固なつくりです
世界遺産安徽(あんき)古村うだつの町並み
屯渓鎮 中国でもうだつは富の象徴です。

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