2013年7月31日更新

イスラム神秘主義とメヴラーナ施舞祈祷

メヴラーナの亡くなった12月にメヴラーナ教団のセマー(施舞)をコンヤで見ることができます

イスラム神秘主義とメヴラーナ教団

「イスラム神秘主義」とは「神への愛、神との合一、神への神秘的な探求」を目的として活動しているイスラム教の一派です。イスラム神秘主義は、「スーフィズム」とも呼ばれます。「スーフ」とはもともとアラビア語で羊毛を意味する言葉です。その羊毛で作られた粗末な衣服をまとった人のことを「スーフィー」と呼びました。

彼らはイスラム教の敬虔な信者であり、迫り来る終末と最後の審判の日を恐れながら、自らの罪の深さを自戒し、神に祈って許しを請い、清貧・禁欲を旨とする生活を送る人々でした。 9世紀、この神秘主義は一般大衆にも受け入れられ、12世紀になると様々なスーフィー教団が生まれました。
メヴラーナ教団もそのひとつで、創始者はジェラルッディーン・ルーミー(1204〜1273年)。メヴラーナとは「我が師」という意味でルーミーのことを指しています。 メヴラーナ教団は15世紀前半からオスマン朝の歴代スルタンの庇護を受けて発展、トルコ全土に広がりました。その教義は社会の上層階級にも支持者を得て洗練された学問と芸術を生み出しました。しかし、1925年、アタチュルクの政策により教団は解散、その修行場はイスラム神学校とともに閉鎖されてしまいました。現在は宗教行事というよりも、一種の伝統芸能として復活し、毎年1度、12月17日のメヴラーナの命日までの約1週間、市内スタジアムで施舞祈祷が行われています。
 
黒いマントを脱ぎ捨てて施舞が始まります
メヴラーナ施舞祈祷を目の前に

以前、このメヴラーナの施舞祈祷をツアーにご参加いただいた皆様と一緒に、コンヤの町のスタジアムで鑑賞したことがあります。 スタジアムはまるでローマの円形闘技場のようで、丸いステージを階段上の観客席が取り囲んでいます。音響効果の良いせいか、マイクなしでも、音楽や声が最上段までよく聞こえてきます。夜8時、いよいよ儀式が始まりました。 最初に古典音楽のコンサート、そしてトルコの有名な歌手による歌。その後、いよいよ施舞(セマー)が始まります。セマーゼンと呼ばれる踊り手は、白い円錐形の帽子、白いワンピースの衣装の上に黒いジャケットを着て登場。そしてその黒いジャケットを脱ぎ捨ててリーダーに祈りを捧げてもらった後、右手を上に、左手を下に向けて回転し始めます。少し首を傾けたまま回転を続け、自らが回りながら円形のスタジアムを回ります。まるで、惑星が自転しながら太陽の周りを公転しているかのようです。いつまでも、いつまでも回り続ける姿に神の降臨を感じます。 彼らの衣装やひとつひとつの動作にはそれぞれ意味があります。円錐形の帽子は墓石を、黒いジャケットは墓そのものを、白いスカートは儀式用の覆いを象徴し、黒いジャケットを脱ぎ捨てる行為は地上の束縛からの解放を意味し、彼らが墓から脱出したことを示しています。また、右手を上に、左手を下に向けるのは、天からの恵みを右手で受け止め、それを左手で地上にふりまくことを表しています。その儀式の約2時間は感動のひとときでした。

メヴラーナの施舞(セマー)をYouTube動画でご覧になりたい方はこちらを
 
メヴラーナ博物館
メヴラーナの棺 Photo by Julian Fong {http://www.flickr.com/photos/86805026@N00/144932165/}
メヴラーナ教団の発祥地コンヤ

トルコの首都アンカラから南に約250キロメートルに位置する内陸部の町コンヤは、この国の芸術、政治、学問など、文化面を語る上で欠かすことのできない重要な町です。1077年、ルーム・セルジュク朝が首都をイズニックからコンヤに遷した後に発展し、とくに13世紀のカイクバード一世の時代、現在に残るモスクや神学校の多くが建設されました。

現在も「メヴラーナ教団」発祥の地として知られ、町にはメヴラーナゆかりの建造物がたくさん残されています。最も有名なものはメヴラーナの霊廟が置かれたメヴラーナ博物館。6500平方メートルの敷地内には霊廟のほか、僧院、修行場もあります。外から見ると円錐形の緑の屋根を持つ建物が霊廟です。
内部にはメヴラーナ自身の棺、メヴラーナの家族や弟子たちの棺が置かれています。また、隣の部屋にはメヴラーナの愛用品、セルジュク朝時代、オスマン朝時代の工芸品などと並んで預言者ムハンマド(マホメット)のあごひげも置かれています。現在はどの建物も博物館として公開され、当時の修行僧の生活の様子や神秘主義についてよく理解できます。
 
霊廟の入り口にはメヴラーナの言葉がオスマン語で掲げられています
この霊廟の入り口や施舞祈祷の行われるスタジアムの外壁には、メヴラーナの語った以下のような有名な言葉が書かれています。

私のもとへ来なさい。あなたがどのような人でも来るのです。あなたが無神論者でも偶像崇拝者でも、拝火教信者でも構わないから来るのです

あなたが外から見えるのと同じようになるか、または内面と同じように見えるようになるか、どちらかになりなさい

(中屋雅之著『イスラム世界を知る』p.218〜219を一部改変)


添乗員中屋がご案内する「メヴラーナ施舞祈祷とヒッタイト・南トルコ遺跡群の旅」の詳細はこちら

 
『イスラム世界を知る』
 ワールド航空サービスの中屋雅之が、『WORLD旅のひろば』に連載した「イスラム世界を知る」を単行本化。中東、アフリカを中心に添乗で訪ねて見聞した体験をもとに綴られています。イスラム世界を旅する際の指南書としてご活用いただけます。

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