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バタヴィアの面影

 
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バタヴィアの面影

かつてバタヴィアと呼ばれたジャカルタは、オランダ東インド会社(VOC)の拠点だった

インドネシアの首都ジャカルタは、観光的にはあまり注目されることがなかった町です。その歩みを振り返ると、何度かその名を変えてきました。大日本帝国が占領し、ジャカルタと改名する前は、バタヴィアと呼ばれていました。名づけ親はオランダ。大航海時代に先駆けて海の覇者となったこの国は、東インド会社をつくり、そのアジアの拠点としてバタヴィアを選びました。

東インド会社ができるきっかけとなったのは、ポルトガル王マヌエル一世の命によりインドを目指したヴァスコ・ダ・ガマの航海でした。それにより運ばれた、香辛料、お茶、絹織物など、ヨーロッパでは産出されない多くの産物は多大な富をポルトガルにもたらしました。

それらはヨーロッパ各地でたいへん人気を呼びましたが、ポルトガルとの関係が悪化すると、インドやアジアからの産物が入手できなくなってしまいました。そのなかで、海運に長けたイギリス、オランダは、自ら東インドに乗り込み、貿易を行うことを考え、1600(グレゴリウス暦で1601)年にイギリス東インド会社、1602年にオランダ東インド会社(VOC)が設立されました。

オランダ東インド会社は、現在のジャカルタを拠点に定め、1610年、当時「じゃがたら」と呼ばれていたこの地の領主より、商館建築と借地許可を得て、1619年頃から「バタヴィア」を建設したのです。

日本とオランダの関係を見てみると、徳川家康の朱印状により1609年に正式国交が結ばれ、1612年には平戸オランダ商館が置かれました。

かつてのバタヴィア、ジャカルタの旧コタ地区

江戸幕府の鎖国政策の一環として1634年に築造された出島は、当初はポルトガル人居住地とする予定でしたが、幕府はついに1639年に鎖国令を発し、ポルトガル人を追放します。そして1641年にオランダ商館が平戸から出島に移され、日本とヨーロッパとの貿易を独占することになりました。

オランダにとっては日本の金銀、特に石見銀山からの銀が最も重要な産物でした。鎖国政策の日本では当時の銀の国際価格を知らず、かなり安い価格で取引していたようです。そのため、オランダは日本から銀を得て、その銀で中国で品物を仕入れるようなことをして利益を上げていました。

ヨーロッパの王侯貴族の間では大変な東洋ブームでしたから、アジア交易は莫大な富を生んだのです。ヨーロッパで最も人気のあった有名な中国の景徳鎮の焼き物が中国の事情で手に入らなくなったときに、その代わりの品として、伊万里に目をつけ、柿右衛門などの焼物を西洋に運び、それらがその後のマイセン磁器の開発につながりました。これらの有名な史実は、すべてバタヴィアがその中核舞台となっています。

そのような背景の中、オランダのアジアにおける拠点バタヴィアと、日本の窓口である出島との積極的な交易は、日本にも大きな文化的影響をもたらしました。

そして、それは単なる物品の交易にとどまらず、蘭学を通じて、医学・数学・天文学・化学などの学術の面からも、今日の日本の近代化の黎明を告げるものになりました。

東インド会社の存在は、シルクロード時代と同様、17〜18世紀の西洋と東洋の文化の往来を考えたときに、重要な役割を果たしたといえるでしょう。昨今、グローバル・ヒストリーが歴史学の潮流になりつつありますが、東洋史、西洋史というくくりでなく、東インド会社を中心に、アジアにおける文化的発展を見ると、とてもおもしろく、町を歩くと歴史ロマンを感じずにはいられません。

今回、VOC時代のバタヴィアの面影を求めてジャカルタを視察し、今もその佇まいがよく残っていることに驚きました。一方で、インドネシアにとっては植民地時代の遺産であるためか、手入れもされずに徐々に廃墟化が進み、新しい建物に建て替えられていっている現実も目にしました。

木造船が並ぶバタヴィア時代からの旧港スンダ・クラバ港

私たちは、そんな現代のジャカルタの中にバタヴィアの記憶を辿る旅を企画しようと考えました。当時の面影が残るエリアや建物、レストランを中心に、皆様をご案内したいと思います。そこには、長崎の出島華やかなりし頃のバタヴィアを彷彿とさせる姿があり、日本との交流に思いを馳せれば、たちまち旅情に包まれます。

時期的に、雨の少ないベストシーズンでの設定ですし、ホテルやレストランの選択にはかなりこだわり、レベルの高いものとなっています。知っていそうで意外と知らないジャカルタで、テーマとともに優雅に過ごす4日間です。新しい発見の旅になると思います。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

バタヴィアの面影 [ 4日間]
【7月〜9月】 全日空・ジャカルタ線利用 スペシャルツアー
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