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江南地方の古鎮には、もちろんそれぞれの個性があるのだが、最近のこの地への旅行ブームによって、観光化が進み、個人経営のレストランや土産店が軒を並べ、原色の派手なのぼり旗や看板がうるさい、ある種のパターンが進行している。
そして、そこに世界各国からの観光客の波が押し寄せて、特に日中は、賑やかすぎるきらいも感じる。それが昔から江南の水郷の村々を見てきた私たちの目から見た現状である。
そんななか、2007年の春節に初公開したばかりの新顔の古鎮、「烏鎮西棚景区」(以下、烏鎮西区と呼ぶ)を訪ねた。2003年から4年をかけ、ようやく落成した烏鎮西区は、数百年前の静かなひとつの水郷の村を、そのままの姿で今に伝えたい、というコンセプトで蘇らせたものだ。
そのため、多くの古鎮のように観光地然とならぬよう、市政局が村全体を管理下に置き、個人経営のレストランやホテル、様々な店舗の出店を一切許さず、昔のありのままの姿で、復元保存した、というものである。したがって、少々目障りなくらいの旗・看板や呼び込みの声は皆無で、それこそ、数百年前にタイムスリップして、とある村をふと訪れたような錯覚すら覚えさせてくれる。時折聞こえてくるのは、水路をのんびりとゆく小舟の櫓のきしみとそれが立てる水音だけだ。
そもそもこの烏鎮地区は、12の小島と72の古石橋から成る近代化から取り残されていた古村。この村出身のガイド嬢も、昔の姿がそのままに蘇った、とまことにうれし気にでまた誇らしく語っていた。もちろん外見上は、近代的な建物は一軒も見えないが、しかし、内装には手をかけ、清潔、快適に改造されている。一軒、二軒ではない。村全体、大小の数百軒すべてを、外側は昔の姿に、そして内部は整備し、さらに朽ち果てようとしていた72の古石橋もや立派な寺塔も、丸4年という歳月をかけて、ほぼオリジナルの姿に復元したのである。
東へ数キロに「烏鎮東棚景区」(烏鎮東区)があり、こちらはかねてからツアーで紹介してきたが、規模として、西区は東区の6〜7倍。皆様の泊まる「通安客桟」から左端の白蓮塔までが2キロ弱。水路に沿う両岸だけが老街、という古鎮が多い中で、この烏鎮地区は老街に厚みがあることがわかる。小船に乗って、水路をのんびりと数々の石橋をくぐり抜けながら、あるいは小路と石橋を伝い歩きながら、と散策の仕方が幾通りも考えられる。ご自身のお好きなルートで、自由気ままに昔の佇まいに浸りきる、これまでになかった全く新しい感覚で訪ねていただきたい。あまり完璧に復元されている街並みに、あちらこちらで思わずうなることしきりの烏鎮西区であった。
ツアーで泊まる素敵なホテル 通安客桟(中国・烏鎮西区) 旧い邸宅をそのまま5ツ星ホテルに
「江南水郷古鎮の旅」ではご紹介した烏鎮西区の手の込んだ5ツ星ホテル「通安客桟」にゆったり3連泊します。
外観は、まるで小さな島に浮かぶ、ひとつの村。これがホテルとはとても思えません。旧宅の門をくぐると、そこがレセプションで、骨董品のような昔のオリジナルの柱や扁額をそのまま使っているので、懐旧的な雰囲気がいっぱいです。
浦江飯店(上海) クラシックホテルが蘇りました
1864年、中国で最初に開業した本格的な洋式ホテル「浦江飯店」が、最近リニューアルオープンしました。アインシュタインやチャップリン、英国の哲学者バートランド・ラッセルなどが宿泊者名簿に名を連ね、150年近く、上海の激動の時代を眺め続けてきたこのホテルは建物そのものが博物館といえましょう。3ツ星ですが、レトロな魅力を持ち、客室は広く気分の良い滞在となるでしょう。外灘からガーデンブリッジを渡った、すぐ右側のコーナーにあり、立地も申し分ありません。
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