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レマン湖畔の絶景と世界遺産
2008年8月12日更新
スイスとフランスにまたがる、レマン湖の代表的な町は、スイス側ではジュネーブであり、ローザンヌであり、モントルーである。フランス側ではエビアンや美しき村として知られるイボワールがある。世界中の湖を見回してみても、レマン湖畔の美しさは群を抜いている。とりわけローザンヌからモントルーにかけてのラヴォー地域は美しい。その丘陵地帯には、ブドウ畑が広がり、そこからは、レマン湖とその背後にモンブランをはじめとするアルプスの名峰が連なる絶景を望める。すぐ近くに都会がありながら、昔と変わらない自然景観が楽しめる絶好の地である。オードリー・ヘップバーンやチャップリンなど、世界の著名人がこの地を永住の地としたことでもわかるとおり、万人の憧れの地といっていいだろう。
この地域の「ブドウ段々畑」が、昨年6月、世界文化遺産に登録された。人の手が育てたワイン文化という「伝統の情景」が世界的に普遍的な価値を持つと認められての登録だ。
私は文化遺産としてのレマン湖畔の登録には驚いた。しかし、このような世界的絶景の地は放っておくと、ブドウ畑がホテルやレストランになってしまったり、別荘地化されていく可能性が高いと感じていたので喜ばしいニュースと受け取った。
7月のレマン湖訪問では、前回、チャップリンの家を紹介したが、ラヴォーにあるワイナリーのオーナーとも会うことができた。彼のワイナリーには昭和天皇もお訪ねになったという。 世界遺産に登録されたことについて聞いてみた。
この地域にはワインを製造している14のファミリーがあるらしく、この地のワイン文化を代々受け継いできた。しかし、一般的に考えて、この風光明媚な地をブドウ畑にしておくのは不動産価値からしてもったいない。業者が目をつけてきた。彼らに侵食されてブドウ畑が減り、建物が増えていくことを危惧したファミリーは連帯して、ラヴォーを世界遺産にして守ってもらおうとしたのだという。4年かかったが登録基準をクリアできて本当にうれしいと話してくれた。
ラヴォーの世界遺産登録は、そこに住む人たちが、土地の景観を守ろうとして自ら立ち上がったことが何より素晴らしいし、私たちにとっても変わらずにその美景を楽しめることは喜ばしいかぎりである。目先の利益に踊らされることなく、自分たちの地を愛する気持ちと誇り高い彼らの行動に対して、ワイングラスを高々と上げて乾杯、と賛辞を贈りたい。
(写真:ラヴォー地域のブドウ段々畑)
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