|
トップページ > 徒然Weekly > 「私の旅行ノート」 > ジャズの故郷・ニューオリンズ
ジャズの故郷・ニューオリンズ
2005年8月末、ハリケーン「カトリーナ」が米ルイジアナ州を直撃。ニューオリンズの8割が水没し、50万人以上が被災するという米国史上最大の自然災害をもたらした。ディープサウスの町々、とりわけニューオリンズはお気に入りだっただけに、心が痛む。
ニューオリンズの名は「ヌーベル・オルレアン」つまり「新しいオルレアン」に由来する。もとはフランスによって築かれた町だ。南国らしい陽気の中、ノスタルジックな雰囲気が漂い、心を和ませてもくれれば、心を躍らせてくれる町でもあった。南欧風の町並みに黒人文化が融合したユニークな空間を創り出していた。 ニューオリンズを訪ねると決まってオイスターバーへと参じ、地ビールとともに立ち食いを楽しんだり、フレンチをベースにアフリカやアジアの要素が加えられた名物のクレオール料理を堪能した。日が暮れると、かつてのフランス領、スペイン領時代の面影を色濃く残すフレンチクォーター(旧市街)に繰り出しては、バーボンストリートを中心にジャズやブルースのライブを聞ける店をハシゴした。
ジャズの生まれ故郷であり、サッチモを生んだこの町には、プリザベーション・ホール、ピート・ファウンテンズ・ナイトクラブ等々、ジャズの歴史を駆け抜けてきた有名店が軒を連ねている。また、観光客の姿を見かけない場末のスナックのような小さな店がいくつもある。
私の通った店もそんな一軒だった。古いオルガンが一台。年老いた黒人がブルースを歌っている店だ。心のひだをなでられるようなオルガンの音色と郷愁を呼ぶ歌声が、ニューリオリンズの夜を艶やかに飾ってくれた。しみじみと良かった。ニューオリンズと聞くと今でも忘れ難く思い出す。彼は今、どうしているだろうか。オルガンの音は健在だろうか。
ニューオリンズへのツアーは人気が高く、この秋もほぼ満席で出発を予定していたが、やむなく取り止めた。町が平静を取り戻すには時間がかかるだろうが、フレンチクォーターなど2度の大火をくぐり抜け再建されてきた歴史を持つ。町が再びジャズで彩られる日を願うばかりである。
「徒然Weekly」トップ
「徒然Weekly」バックナンバー
|