2010年6月9日更新

知求アカデミー・古代オリエント博物館セミナー

古代オリエント博物館セミナーの様子
旅に出かける前も、帰ってきてからも、旅がより印象的なものになるようにお手伝いがしたい・・・・そんな思いから始まったのが、ワールド知求アカデミー講座です。今年、ワールド航空サービスが創業40周年を迎えるのを機に、新しく生まれ変わり、地中海を舞台に繰り広げられた文明の世界を取り上げる地中海学会セミナー、日本と世界を結んだシルクロードの世界をテーマにする古代オリエント博物館セミナー、全国各地に点在する美を楽しむ美術館巡りなど、新たな講座を開設しています。

「旅のひろば」編集部が、先日開催された、古代オリエント博物館セミナーにおじゃまして、研究部の津村眞輝子先生による「シルクロードの古代コイン」を聴講してきました。このセミナーでは、実際に古代ギリシャやアケメネス朝ペルシャで使われていた古代のコインを見ながら、それが伝えることを探っていきました。
 
アレクサンドロス大王の4ドラクマ銀貨
(前4世紀)
紀元前4世紀に大遠征を行ったアレクサンドロス大王は良質のコインを供給し、今年に入ってからも大王の時代のコインがシリアで発見されるなど、中央アジアやインドでも広く流通していました。当時の銀貨には、表にアレクサンドロス大王と思われる肖像が描かれています。が、よく見ると、もうひとつの図案が見えてこないでしょうか? 

頭髪をご覧ください。ライオンの顔とたてがみが現れます。実は、ライオンの頭皮をかぶった姿で描かれる、ギリシャ神話の神、ヘラクレスと重ね合わせられているのです。大王はコインでヘラクレス神の血をひいていることを喧伝し、王権の正統性を訴えようとしました。裏には、玉座に座ったゼウス神と強さのシンボルである鷲が描かれています。

これは一例ですが、コインは小さいながらも、王名や宗教、文字、言語、美術表現と、実は膨大な情報をもたらしてくれることが、先生のお話からよくわかり、博物館見学時など、旅先での楽しみを増してくれる、貴重な機会となりました。
実際にコインを手に取ることもできました。このギリシャ・マロネイアの銀貨(前4世紀)には、産物のブドウの木が描かれています
セミナー後には、古代オリエント博物館を先生とともに見学しました